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パーパス・ブランディング|齊藤 三希子|「何をやるか?」ではなく、「なぜやるか?」から考える

広告業界を中心に最近注目されている「パーパス」。「個別の事象で課題を解決していくのではなく、企業や組織の根幹となる拠り所=「パーパス(存在理由)」を見つけ、究極的にはそれひとつで判断・行動をし、課題を解決していくこと」とその活用方法。

「パーパス」とは何か

最近よく聞くけれど、そもそも「パーパス」の定義とは  世界の名だたる企業は、企業理念に沿った経営戦略を実現しています。

それは、なぜでしょうか。

その答えの一つが現在、世界中で注目されている「Purpose(パーパス)」という概念にあります。企業は自らのパーパスを明確にして「パーパス主導型企業」となることで、有能な人材を獲得し、組織の団結力を高め、たくさんの人から支持されるなど、多くのベネフィットを得ています。

では、パーパスとは何なのか。

英語のPurposeという言葉は、日本では多くの場合「目的」と訳されます。一方、企業のブランディングやマーケティングにおける新たな用語としてのパーパスは「存在理由」というニュアンスに近い。つまり、企業は「何のために存在するのか」という社会的意義を見つめ直すべきである、という考え方です。

「なぜ存在するのか」

パーパスを最もシンプル、かつ純粋に表現すると、この一言になります。

辞書でパーパスを調べると、大きく分けて二つの意味が載っています。第 1 は「目的」と「狙い」、第 2 は「〔存在などの〕理由、意義、意味」。この二つに加えて、エスエムオーでは、「志」をパーパスの第3の意味と定義しています。

パーパスに「志」を入れる理由は、今後、ますます労働人口の比率を多く占めてくる働き世代「ミレニアル世代」の存在なしには語れません。では、なぜミレニアル世代と、志としてのパーパスに深い関係があるのでしょうか。

企業や個人の存在理由を考えると同時に目的や志も関わってくることを考えればこのパーパスの意味も理解できるのではないだろうか。自分がなぜ存在するのかなんて考えた事もないが、これが企業となるとさまざまな人の集合体であるがゆえ芯の部分として持っておきたい。

浸透に必要なのは理解と信頼

スターバックスの理念は、ミッションとバリューズから成り、これらにのっとり経営をしています。

ミッション

人々の心を豊かで活力のあるものにするために──

ひとりのお客様、一杯のコーヒー、そしてひとつのコミュニティから

バリューズ

私たちは、パートナー、コーヒー、お客様を中心とし、Valuesを日々体現します。 お互いに心から認め合い、誰もが自分の居場所と感じられるような文化をつくります。 勇気をもって行動し、現状に満足せず、新しい方法を追い求めます。スターバックスと私たちの成長のために。 誠実に向き合い、威厳と尊敬をもって心を通わせる、その瞬間を大切にします。 一人ひとりが全力を尽くし、最後まで結果に責任を持ちます。 私たちは、人間らしさを大切にしながら、成長し続けます。

ミッションと呼ばれていますが、その意図するところはパーパスそのもの。そもそも、パーパスという概念が発生するよりずっと前の1990年から、これの前身にあたるミッションステートメントを採択し、進化を繰り返しながらも先述のように現在進行形で活きた理念として使われ続けているのですから、パーパスと呼んでいないのは当然かもしれません。ちなみに、前CEOハワード・シュルツ氏の著書『Onward(邦題:スターバックス再生物語)』の中では、繰り返し「パーパス」という言葉が使われています。

彼らのコアのミッション(私たちの言う、パーパス)の核となる部分は「人の心に活力と潤いを与える」。これを実現するには、二つの大事な要素がありました。一つはコーヒー、もう一つは人と人とのつながりです。彼らはこの二つを戦略に、徹底的に落とし込んでいます。

例えば、エスプレッソマシンを置く場所について。どの街のスターバックスでも、エスプレッソマシンは厨房の中ではなく、カウンターの前で待つお客さんの目の前にあります。なぜかというと、顧客と向き合いながらコーヒーを淹れることでコミュニケーションが生まれ、顧客は自分がオーダーしたコーヒーがどのようなプロセスを経て作られているのか、様々なこだわりを間近で見ることができるからです。このように、顧客と良好なつながりを作り出すためのエスプレッソマシンの配置の工夫は、全店舗共通での戦略になっています。

他にもスターバックスが彼らの信念を貫いたエピソードがあります。カフェの禁煙は今でこそ当たり前ですが、スターバックスが日本に進出を検討していた当時は、分煙(エリア分け)はあっても、ほとんどのカフェで喫煙が可能でした。そのため多くのコンサルタントは「日本では、喫煙可にしないと成功しない」と言いました。でもスターバックスには、「人の心に活力と潤いを与える」というしっかりとしたミッションの核がありました。人々に活力と潤いを与えるために、店内に入った瞬間の良いコーヒーの香りや、店舗パートナーの挨拶といった一連の「スターバックス体験」を大事にしています。しかし、喫煙を可にしてしまっては、タバコのにおいがそれをダメにしてしまう。スターバックスは禁煙のポリシーを貫き通し、それが今の繁栄につながっているのです。要はパーパスがしっかりしていれば、会社が最終的に目指すものが何なのかが分かる。そして、一つひとつの戦略にブレがなくなるのです。

スタバのミッションについては有名なので聞いたことのある人は多いかと。パーパスがしっかりしていれば喫煙などに対するルールの改善もそれに沿ったものとして理解できる。戦略のブレのなさが価値を生むのだ。責任の面ではコーヒー豆の農場で働く人の環境を変えたのもスタバならでは。こうした取り組みが客に理解されているから多少割高感のある値段設定でも客足は途絶えない。まさに理解と信頼。

「何をやるか」ではなく「なぜやるのか」を追求した結果がパーパスとなって企業の永続的な成長を促す。変わる世界の中で変わらぬ芯を持っている企業だけが生き残る。

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