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他人の期待に応えない ありのままで生きるレッスン|清水 研

数多くのがん患者と向き合ってきた精神科医がおくる折れない心のつくり方。死へのカウントダウンなど絶望の縁で患者を鼓舞し続けてきた精神科医によるレッスンがここに。

ミドルエイジクライシス

例えば、今まで以上に頑張ろうとするのも間違った例の1つです。まだやれるはずだと疲れている自分をさらにムチ打ち、業績を上げようと努力を重ね、若さを取り戻すためのダイエットに励む人もいます。加齢による衰えに逆らい続けるのはどだい無理なので、この無理を重ねるというやり方はいずれ破綻してしまうでしょう。下手をすれば頑張るための心のエネルギーが枯渇してうつ病になってしまい、問題をさらにこじらせることにつながります。ミドルエイジクライシスに陥った場合は、今までのやり方にしがみつくのではなく、きちんと問題を分析して、丁寧に対処する必要があります。そのために、まずはもやもやの原因が、若い頃から持ち続けてきた〝幻想〟にあることを認識し、〝幻想〟を手放す覚悟をすることが第一歩です。ここで誤解のないように1つ付け加えておきますと、私は「人生後半には、明るい将来などない」と言っているわけではありません。断言しますが人生後半には「豊かな人生」があります。何を隠そう、私自身もミドルエイジクライシスに陥り、しばらくうつ病の一歩手前という時期をさまよいましたが、今は危機を乗り越えることができました。社会から教えられた価値観から一度離れ、自分自身ともう一度向き合い、心から「そうしたい」と思える生き方を選ぶことによって、人生後半には今までにない新たな輝きが生まれるのです。

40代、50代というとまだまだ現役でバリバリ働くビジネスマンをイメージしがちだが、責任を伴うこの世代の仕事について言えば、無理しすぎて体力的にも精神的にも力が枯渇することも。若い頃のように徹夜で仕事をすることはできないし、朝目覚めが悪く、1日体が重だるいなんて日も。求められる仕事量が許容範囲を超えてしまい体を壊す経験は僕にもある。これはミドルエイジに限ったことではなく若くても環境の急変でこうした危機に直面することも。あなたの会社にも精神を病んで鬱や統合失調症にかかり辞めていった人の噂を耳にしたことは1度や2度あるはずだ。元気な健康体の人にはわからない苦悩がそこにはある。人は高校進学、大学進学、社会人へとステップを踏むごとにステージが上がり競い合う人のレベルもだんだんと高くなっていくもの。いきなり自分と同レベルやそれ以上の人間の集団に帰属することでストレスを抱え心をすり減らしドロップアウトして行った人間を社会では落伍者のレッテルを貼るが、次はあなたかもしれないと肝に銘じておくべきだ。若い頃は自分は成長し続けることができて何にだってなれるという幻想を持つ。それが歳を取るごとに現実ではなく幻想であると実感するわけだが、それがこの40代、50代に起こるミドルクライシスだ。

人生の優先順位を見直す

実際、病気になられてからは、「うなぎを食べたいな」と思ったら、「明日にしよう」とか「またにしよう」ではなく、すぐに食べに行く。「歌舞伎を見に行きたいな」と思ったらパッと行くなど、即断即決、即実行へ行動パターンが変わったのだそうです。以前だと、「歌舞伎を見るっていっても、どこで券を買うのかも分からん」、「ちゃんとした格好じゃないとまずいのかな……ハードルが高そうで嫌だな」と、やってみたいとは思っても、やらない理由を自分で作り出してしまっていたらしいのです。しかし、「自分には時間が残されていない」と考えると、「もうそんなことを言っている場合じゃない」と考えが変わり、行動的になられたのだそうです。実際、歌舞伎を見に行ってみると、劇場ではいろいろな人が親切に教えてくれるし、カジュアルな服装で行っても全然大丈夫なのが分かったとおっしゃっていました。渡辺さんは、元来、引っ込み思案だったらしいのですが、病気になり行動的になったことで、「自分が積極的に動けば、人は結構優しく受け入れてくれる」ことを経験し、世の中は怖いものだという先入観が解け、一歩踏み出せば誰かが助けてくれる。逆に、今まで重要だと思っていたことが、ささいなことに思えることも増えたそうです。

やりたいことがあっても仕事や自由な時間が取れずにいるために諦めて仕事にかまける人は多いはず。そんな人はぜひ自分の欲求に正直になることでミドルクライシスの弊害から脱して欲しい。「明日にしよう」「また今度、ゆっくり時間が取れたら」と後回しにしていたやりたいことリストを作ってみてひとつずつ実行してみてはいかがだろうか?僕は統合失調症に罹患してからというもの自分の住む街から離れることがない小さな行動圏に囚われる生活をしていた。電車なんか10年間で2回ぐらいしか乗ったことがないという筋金入りのひきももりだ。それがネットで見つけた俳優の卵だという若い子を応援する中で舞台観劇に行くことに。初観劇で勝手がわからずネットで「観劇」「マナー」とか検索して下調べをしてこの10年で大きく変わった巨大駅の駅構内迷宮に挑みました。これも時間に間に合わないと困るのでネットで駅構内地図を事前にダウンロードして迷わないように。この体験は久しぶりに高揚した体験だった。心配していた発作も起こらず無事初観劇を果たすことができた。その他、人混みというハードルも超えることができた。自分の殻を超えていくこと、他人の目を気にしすぎてブレーキをかけないこと。これらは今ここを生きる生き方を大事にする生き方にシフトした結果得られた恩恵だ。そして自分と合わないコミュニティから抜ける勇気を持てたことで身が軽くなった結果でもある。他人の期待に応えない、少々わがままなぐらいがちょうど良いということだ。

あなたはあなたの人生を歩むべき。他人の期待も大きくなるミドルエイジだが危機に直面してからでも遅くないので、わがままに生きることを覚えて欲しい。他人にどう思われようとあなたの人生を経験体験を誰にも邪魔されるのを許容する必要はないのです。

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