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ビッグデータを生かせるリーダーの共通点は文系力だった

データ処理技術が発達し、人工知能がさまざまな面で人間を超えるなか、ビッグデータを活用するキーポイントは人間にしかない想像力と探求心だった。人間と人工知能が各々の強みを活かしあい、新しいビジネスを生んでいる実例から学ぶ。著者はふたりともコンサルティング会社ブーズ・アレン・ハミルトンのデータサイエンティストであり、5年前から、数百に及ぶ企業、政府組織、非営利団体を調査して、人工知能時代に成功する組織モデルの構成要素をまとめた。その結果、新しいテクノロジーが新たな形とリーダーシップと合わさったときに成功する組織を「マセマティカル・コーポレーション」と名づけた。人工知能とデータが持つ可能性と、人間が持つ想像力や探求心、使命感を融合させ、巨大な知性によって飛躍的な前進を遂げる組織のことだ。マセマティカル・コーポレーションに共通している要素を検証し、ビッグデータを活用していける組織とは何かを考える。

複雑な分析や推論が必要となる検査

どんな分野でも、検査には複雑な分析や推論が必要となる。だが、今日の技術を持ってすれば、医療現場で患者がより速やかに検査結果を入手できるようになるのではないだろうか?たとえば、何枚もの心臓の画像をリアルタイムで読み込み、瞬時に駆出率を計算するという複雑な作業をマシンに会得させる方法を開発できないだろうか?同じく、心臓専門医の診断に役立つ、心室容積、心房の大きさ、心房に血液がよどんでいないかをはじめとする、一五〇項目の全データをすぐに提供できないだろうか?さらに、この一連の作業を、まさにジェシカのような症状の患者が運ばれてきた直後にERで行えないだろうか?

これらの問題は徐々に実現化している最中だ。MRIによる輪切りの画像を撮影とほぼ同じ速さでコンピュータで読み取れるアルゴリズムが考案されたりとィープラーニングにより学習されたAIによる診断はメジャーになりつつある。要は、不可能だったことをやり遂げたり、未解決の問題に対処したりする能力を身につけられないかということだ。ひいてはそれが「未来力」となり、先端の技術として定着していくのだ。

人間と対等のパートナー

コンピュータは今後も仕事において、人間と対等なパートナーへますます近づいていく。我々はよく理解できない問題を見つけたとき、次のような疑問を抱き始める。何か見逃したものがあるだろうか?他に何を検索すればいいのか?他にはどんなチャンスが転がっているのだろうか?他のどんなビジネスに携わればいいのだろうか?古いツールや直感で物事に対処しようというやり方は、重要ではなくなってきている。現代社会は「ポスト分析」革命時代に入ったと筆者が主張しているのは、そういうわけである。

パートナどころかこれからは人間とAIのハイブリッド的な新たな人間(ポストヒューマン)なども考えられる。どこまでコンピュータと共存していくかはこれからの課題とも言えるのではないだろうか。ポストヒューマンの形態としては、人間と人工知能の共生、意識のアップロード、サイボーグなども考えられる。

マシンと人の知性を融合させる

我々はほぼ例外なく、どういう類の思考能力が自身の得意分野であるかを、長年の経験によって学んできた。たとえば、ある人は規則性の発見が誰よりも速いことと、それを活かして未来の方向をより正確に見極めることが強みかもしれない。また、ある人の長所は、話の行間を読まなければならない状況で、相手の真意を察するのが上手いことかもしれない。あるいは、新たなサービスやビジネスにつながる画期的なアイデアを生む、変則的な事象を見つけることに長けている人もいるだろう。では、自身にとって馴染み深い認知能力が、コンピュータとアルゴリズムによって輝きを失ってしまったらどうなるだろうか?

つまり、あなた自身が強みとして認識している認知能力が、仕事のライバルを含め、スマホやスマートウォッチ、タブレットを使いこなす人々ばかりになった時、我々はどうするのかということだ。これには落とし穴があって、最近の僕の経験から言うと、スマホの機能に頼って自分の記憶や思考をおろそかにすると、スマホに不具合が起きた時何もできなくなってしまう危険性があると言うこと。カフェでの決済はスマホアプリで行なっていて、スマホのロック解除はFace IDなのだが、このロック解除に不具合が起きてしまったので長いパスコードを手動で入れなくてはならず焦った経験が。やっとの思いでパスコードを思い出し、スマホアプリにログインする際も、1Passwordのマスターパスワードを思い出すのになんども入力し直したのだ。

人工知能やスマホの機能がどんどん便利になっていく反面、一度それが使えなくなると一気に一昔前の煩わしい世界と引き戻される。人工知能時代を生き残るため必要なのは技術を使いこなすための想像力だと感じた。そこには理系の能力だけでなく、文系力も問われるということがわかる書籍。

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