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『近未来のコア・テクノロジー』三津村 直貴

近未来のコア・テクノロジー ニューラルネットワーク、データマイニング、ブロックチェーン、ロボティクス、量子コンピュータが1冊でわかる。

ニューラルネットワークとは?

ニューラルネットワーク(Neural Network)とは、直訳すると「神経細胞のネットワーク」となります。神経細胞といえば脳を構成する細胞のことなので、脳の神経ネットワークと言い換えてもよいでしょう。ディープラーニングが登場して話題になったことで、ニューラルネットワークといえば「ディープラーニングのもとになったコンピュータのアルゴリズムのこと」を指すようになってきましたがもともとは脳の神経ネットワークのことだったのです。

ちなみに日本語は便利なもので、カタカナと漢字を使い分けることで、コンピュータの話かどうか判別します。「ニューラルネットワーク(コンピュータ)」「神経細胞ネットワーク(脳)」。英語だとどちらも「Neural Network」なので、文脈によっては、必ず人工(Artificial)か生物(Biological)か区別しなければなりません。

ニューラルネットワークが複雑な問題を解決するためにはそれぞれのタスクに合わせて重み付けが行われた、多数の層が必要たなります。しかし、多数の層をもつニューラルネットワークの重み付けは、そう簡単ではない。10層のネットワークがあったとして、間違いの原因がどの層のどの部分にあるのかわからないからだ。実は、ニューラルネットワークは最近になるまで、たった3層で、単純な問題しか解決できませんでした。役に立たないアルゴリズムだったのです。それを変えたのがディープラーニング。4つ以上の層をもつ深いニューラルネットワークであっても、正しい重み付けを学習させることができるように。

こうして今までのコンピュータが苦手としていた「ルールのわからない問題」を解決できるように。「画像認識」「音声認識」などといった領域で「5」とは何か「オカピ」とは何かといった、視覚的な情報に隠れたルールをニューラルネットワークで把握できるように。この動物、物体に共通する「特徴」をニューラルネットワークの強みである特徴抽出能力を使い物事の特徴を見抜けるようになりました。それにより人間にしかできなかったタスクも機械が行えるようになったのです。ただしそれには複雑な特徴を見抜くための巨大なネットワークが不可欠で、それを可能としたのがディープラーニングです。

未来のロボットが現実に

ロボティクス関連の技術は日々進歩を続けており、人型のロボットが2本足で歩いたかと思えば、人間そっくりの容姿をもつロボットが笑いながら話しかけてくるようになりました。工場ではロボットが人間の代わりに機械の部品を巧みに扱って製品を作り、工場に必要な人間は日に日に減っています。さらに、ソフト領域では、オフィスにRPA(ロボティクスプロセスオートメーション)が浸透し始め、オフィスワーカーにまで影響が及ぶようになっています。

私たちの生活に大きく関わるようになってきたロボティクス技術。ただ一口にロボティクスといっても曖昧な部分も。人間そっくりなロボットから、工場のベルト0コンベアの先に置かれている機械、さらには体を持たないソフトウェアベースのRPAまでロボティクスの一種だと言うのです。もともとロボティクスという単語はアイザック・アシモフが小説な中で「ロボットを扱う技術分野」を示すために作った造語だそうで、それが技術の進歩とともに、本物の学問領域になったそうです。

無人化する業務車両

また、これまで述べたように、無人化する業務車両が増加するでしょう。そうすると、新たなビジネスも登場します。ボタン1つで無人タクシーを呼べるサービスや、郊外に大型店舗を構えて無人バスで集客や商品配送を行う小売店の登場、配送業者による無人トラックレンタルなど、今までになかったサービスなどが登場するはずです。インターネットの普及によって現れたAmazonによる市場破壊と似た現象が、自動運転車の普及によって起こるかもしれないのです。破壊される側になるか、破壊する側になるかで、企業の命運が大きく分かれる時代です。

現在でもUberなど配車サービスなどが人気となっていますが、都心でもない限り近くに車両が走っていなくてサービスを受けられないなんてことも。人口の集中する地域にサービスを展開しているため、そういった地域に住んでいないと不便な世の中が刻々と近づいています。田舎は人口も少なく集客が不便という理由でサービスの対象から外されますます過疎化が進むのではとか思ってしまいます。

最近よく聞くようになった近未来のコア・テクノロジー。ニューラルネットワーク、データマイニング、ブロックチェーン、ロボティクス、量子コンピュータなどのワードが理解しやすい形で書かれていてこれ一冊でちょっと未来が覗けます。

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