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生きる職場 小さなエビ工場の人を縛らない働き方|武藤北斗|フリースケジュールという働き方

働き方改革が叫ばれる以前から「出勤・退勤時間は自由」「嫌いな作業はやらなくてよい」などの数々の取り組みを行ってきた会社の話。未曾有の災害から教訓を得て、そんな中から捻り出した答えが「フリースケジュール」という自分の生活を大事にした働き方。あらゆる仕事の縛りから解放された働き方とは?

働くことの閉塞感から解放

長時間労働、パワハラなどブラック企業の問題が取りざたされ、多くの人の中に働くことへの閉塞感が蔓延しているように思います。また、ブラック企業とまではいかないまでも、自分の働き方に疑問を感じ、無理をしながら働いている人も多いのではないでしょうか。その中で、これまであった働き方への固定概念をなんとか変えなければという心理が、社会の中に作用しているように感じます。

戦後の復興、高度経済成長の中では、これまでの働き方の常識は有効だったのかもしれません。しかし時代は変わりました。物や情報が溢れ、ライフスタイルが変わった今の社会では、人の心を無視して経済だけを中心にした考えでは、多くの人たちが幸せを摑むことができないのです。

僕たちの働き方は常識外れに見えることが多いかもしれません。しかし、もしその常識外れの働き方の先に、働く人の幸せと、会社としての効率が両立しているとしたらどうでしょうか。

僕たちの工場ではそういう働き方を実践し、証明したいと思っています。  この本の題名を『生きる職場』としました。僕は様々な意味を込めてこの「生きる」という言葉を使っています。

最近でこそコロナ禍で根付いた様々な働き方が一般的になってきたが。以前は週休2日やガチガチなシフト制だったりしておおよそ自由な働き方ではなかった。これからは会社組織にいても働き方を選べる時代に。家に持ち帰りゆっくり仕事を行えるシステム作りやAIによる自動化で保守点検が人間の仕事になったりと様変わりしていくことだろう。

フリースケジュールが始まった

生産性や効率は度外視で、とにかく働きやすさを求めた結果としてのフリースケジュールでしたが、経営者としての危機管理意識が働いており、実際には少し段階を踏みながらのスタートとなりました。

それまでパート従業員は週四日ほど決められた曜日に出勤していたので、まずは「何曜日でもいいから週に三〜四日は出勤してください」と曜日の固定を外すことからスタートしました。

数週間が経過して問題がなさそうだったので、今度は「月に十四日前後出勤してください」という形に変化させました。

はじめのうちは、誰が何日来ているのかを集計していましたが、そのうちに面倒になり、時間の無駄だと感じるようになりました。さらには何日来ていようが、工場の稼働に支障をきたしていないのだから問題はないという考えになり、最終的には出勤日数を数えるのをやめました。

また、一日の出勤人数の差はもちろんありますが、週や月といった長いスパンで見れば、平均的な出勤人数になっていることにも気づきました。

それならば、月に何日出勤しなければならないという、日数の定めもなくしてしまおう思い、ここからフリースケジュールが現在とほぼ同じような形になったのです。

シフトをフリーにしても会社が回るシステム作りはすごいの一言。流石に大企業でこれを行うのは難しいだろうが、大企業こそこの考え方をおすすめする。大量の社員と言うリソースがあるアドバンテージでこうした取り組みをする企業が増えれば働く側も自由に。

自由になるとなぜ効率が上がるのか

会社の中でフリースケジュールのようなルールが成立しているのは、職場に信頼関係が築かれ、なおかつ、そのための努力を会社も従業員もできているという証拠です。

その状況下では、個々の自主性が増し、仕事に積極的に取り組むことができ、従業員同士のコミュニケーションも円滑になり、仕事の流れがスムーズになります。そして、それぞれが、前向きにもっと効率のために、品質のために、よい職場環境のために、できることはないかと考え始めます。

特に工場において、商品を作るパート従業員がこのような発想になってくれれば、当たり前のように会社の効率は上がっていきます。

最終的には、自由にすることが重要というより、自由にするための信頼関係を作る工程が重要なのだと思います。

そして人は自分が自由になったとき、ほかの人のことを気にしなくなります。自分が幸せなときに、ほかの人を不幸にしようとは思わないのと一緒です。そう考えると、権力をもつことと、幸せになることは違うのだなと、改めて感じることができます。

さらには、この自由を継続できるように自分たちで努力し、これを崩さないようにバランスをとり始めるのです。

ただし、新しい従業員が入るときだけは、僕は細心の注意を払うようにしています。バランスがとれている中に新しい存在が出現したときは、会社が主導して新しいバランスに調整していく必要があります。

自由な勤怠管理が行われるには導入時に様々な障壁があるだろうが、導入に成功すれば社員の満足度や生産性は向上しそうだ。

小さなエビ工場で行われた働き方改革。会社も社員もハッピーになる仕組みがそこかしこに。全ての会社でそれが可能かといえば難しいかもしれないが、参考にはなるだろう。

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