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99%の日本人がわかっていない国債の真実|高橋洋一|国債から見えてくる日本経済「本当の実力」

国債は国の借金なので少ない方が良い。国債が発行されると国民の負担が増える。国はできるだけ節約して予算を減らすべき。このようなことを思うようなら「一国の経済」を間違って理解していることに!

「借金をなくせ」で国債がなくなったら、 大変なことになる

「国債は政府の借金であり、増えれば増えるほど国民の負担が増す」という論調は、いまだ根強い。

そこまで国債を悪者扱いしたいのなら、本当に国債がなくなったらどうなるか考えてみればいい。

はたして国の借金がなくなり、国民はいっさいの負担をのがれ万々歳となるか。  いや、そうはならない。

この点をしっかり理解するには、「金融市場における国債」という国債のもう一つの顔 を理解しなくてはいけない。

国債は政府の借金だが、同時に金融市場にはなくてはならない「商品」でもある のだ。

金融市場では、国債以外にも株や社債といった金融商品が取引されているが、基本は「国債と何か」という取引 だ。

つまり、 国債と株、国債と社債を交換するという取引が基本 である。

たとえばAさんが、自分がもっている◯社の株を△社の社債と交換したいと思っても、「こんな株はいりません」と拒否されたら交換することができない。

でも、株と国債の交換なら簡単にできる。  だからAさんは株と国債を交換し、さらにその国債を欲しかった△社の社債と交換する。

これは、物々交換とお金を介した売買の比較で考えると、わかりやすいだろう。

たとえば、大根3本をジャガイモ1袋と交換したくても、相手が大根を欲しがっていなければ、取引は成立しない。

でも、大根3本を500円と交換すれば、それでジャガイモ1袋が買える。

ここで、もしお金が存在しなかったら、どうなるか。

大根とジャガイモの取引が、つねに成立するとは限らないから、取引は激減するだろう。

今の話の大根とジャガイモが金融市場における株と社債、お金が金融市場における国債に当たる。

お金がなくなったら大根とジャガイモの取引が激減するように、国債がなくなったら社債や株の取引が激減する。

企業は銀行からの融資のほかに、社債や株で資金を得ているから、たちまち資金難に陥ってしまうだろう。

このように国債は、金融市場において「お金」、あるいはかつての「コメ」のような役割を果たしている。

これが、「政府の借金・国債」のもう一つの顔だ。  とにかく、すぐに他の商品と交換できる、非常に使い勝手のいい金融商品なのである。

国債についてのわかりやすい説明。なんとなくしか知らなかった国債の機能がわかる記述。これで大体の人は理解できるだろう。金融商品の流通に欠かせない存在というのがおわかりいただけたのでは?

財政破綻論で騒ぐのは、 ホラー映画を見ているようなもの

今までの話で、日本が財政破綻する可能性は、きわめて低いということが、だいぶわかってきただろう。

金融市場では、日本国債ほど安牌と見られている商品も珍しい といえる。

だから国債そのものの金利も低いし、破綻時に損失保証するCDSの保証料率も低い。

すべてが「日本国債は安全」ということを示している。

すなわち、日本の財政破綻のリスクは今のところ、ほとんどないと見ていいということだ。少なくともそれが、金融市場の見方である。

いっておくが、 市場ほど明瞭に、世の中の実相を映し出すものはない。   都合のいいことも悪いことも、すべて明らかにしてしまう。

そういう意味では非情ともいえるが、うがった見方や 忖度 など働く余地もない、正直な世界 なのである。

その市場が、日本の財政破綻リスクは低いと見ているわけだ。

そして、そういう見方は、後で述べる日本政府の統合政府(日銀などいわば連結子会社ともいえるものを含めたもの)のバランスシートで見れば正当化できる。

それなのに、単なる官僚の都合で「財政難だから増税」と繰り返す財務省、その肩をもつ(というか、理解できないから財務省のいうことを鵜呑みにする)マスコミのせいで、根拠のない財政破綻論が根強く流布されている。

これは 受け取る側のリテラシーが問われている と考えたほうがいい。

流言飛語に惑わされるのは、危機感とは呼べない。単なる雰囲気で怖がっているだけだ。

そもそも、財政破綻論や国債暴落論を恐れる人のなかに、失ったら困るくらいの額の国債をもっている人が、どれくらい、いるのだろう。

おそらく、ほとんどいないのではないか。  自分の国の財政が破綻するかもしれないと聞いたら、たしかに、誰でも恐怖を感じるだろう。

国債が本当に破綻する可能性が出てきたら市場が敏感にそれを感じ取り取引に影響するはずなので、現状心配ないというのが本当のところ。市場で普通に取引されている間は破綻の可能性を織り込んでいないので気にする必要はありません。心配なら市場の動向をチェックしていれば良い。

国債について間違った知識や無用な不安を抱いている人たちに正しい知識を学んでもらうための書籍。全く金融ど素人の人にもわかりやすく説明されているので是非。

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