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五輪書|宮本 武蔵 , 渡辺 一郎|剣法の奥義が,具体的・合理的に書かれている

宮本武蔵による剣法の奥義が、具体的・合理的に書かれている書籍。構え方、足の踏み方、目のつけ方等をつぶさに述べ、相手の強弱を知って先にしかけよとも説く。ビジネスの世界でも役立ちそうなその奥義により読み継がれることに。

五輪書とは?

『 五輪書』は、日本剣道史上、二刀流として異色の存在である二天一流の基本的伝書で、正保二年(一六四五)、流祖 宮本武蔵 玄 信 の著と伝える。仏教でいう「地水火風空」の五大五輪にかたどって五巻に編成されているが、内容的にはその思想と大した関連はなく、全巻にわたって武蔵独自の兵法観、および二刀兵法の太刀筋の正当性を主張している。そして、万理一空という武蔵の人生観に到達する過程を、「 地 之 巻」では、大の兵法すなわち将帥用兵の道、「 水 之 巻」では、小の兵法すなわち撃剣 古の道、「 火 之 巻」では、合戦の理、「 風 之 巻」では、他流の評論にあてて説いている。

武蔵が細川忠利の招請に応じて肥後熊本に来住したのは、寛永十七年(一六四〇) 八月、彼五十七歳の秋のことで、先年島原の陣中で邂逅した、細川藩老松井(長岡)興長・寄之父子の周旋によるものであったという。翌十八年二月、忠利の命によって、はじめて兵法二刀一流の太刀筋の心得以下、兵法の見立て心持に至るまでを筆紙にのぼせ、これを三十六箇条の覚書にまとめあげた。これがいわゆる「兵法三十五箇条」(参考として付載した)で、『五輪書』は、いわばこの「兵法三十五箇条」を敷衍し、肉付けしたものといって過言ではない。『五輪書』には武蔵の自筆本が現存せず、流布本によって字句の異同もあり、従来ともその成立については種々の疑問があるが、この点については後述することとする。

なお、底本には、武蔵の一の高弟といわれる寺尾孫之丞勝延(信正)が、武蔵の死後二十余年を経た寛文七年(一六六七) 二月、山本源介に与えた細川(旧侯爵)家蔵本を用いた。

剣術のみならず兵法にまで及ぶ五輪書。多岐にわたる奥義の数々は、現代の日常からビジネスまで、戦いの場にふさわしい心構えに通じるものがある。読み継がれてきた所以はそんなところに。兵法というと孫氏の兵法が有名だがそれに勝るとも劣らない内容となっています。

兵法三十五箇条

この『五輪書』は、その成立の基礎が、「兵法三十五箇条」という覚書を中心に再編成されたものであり、しかも人生の末期という切迫した心理的状況下に執筆されて、十分に整頓する時間的余裕もなく、したがって混雑・重出する箇所が散見されるが、一方に、武蔵が五十余年の剣業を通じて到達した兵法観・人生観が荒削りのまま提示されている良さがある。しかし、二刀独自の刀法・技術を重視する立場からすれば、全体的にみてあまりにも抽象的・普遍的で具体性に欠け、心理的側面に傾斜しすぎた不満が残る。福岡藩伝の孫之丞系では、入門後の最初の許(ゆるし)に、『五輪書』とは別の、平易な「月影巻」という一巻を設け、つぎに二刀技法の中心である五法三先を説く、水の巻および火の巻の順に授け、ほぼ術理を修得した者に対して地の巻、ついで風の巻、最後に空の巻を授与し、五巻全部をもって惣免許としている。これは本書の捉え方としても、一つの見識を示すものであろう。

ともあれ、この『五輪書』五巻は、将軍師範家として最高の武道伝書の作成を志向した柳生宗矩の『兵法家伝書』のような精緻さはないが、全巻を通して武蔵の兵法観がよく貫徹されており、この両書をもって、近世的武道伝書完成期の二大巨峰とすることに異論はないであろう。

後世にその兵法を残すべく書かれたというよりその時代を生き抜くための必携の書としての意味合いが強かったのかも。柳生宗矩の『兵法家伝書』と並び近世的武道伝書完成期の二大巨峰と称されるこの書籍。解説とともに読んでみては?

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