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絶望の国の幸福な若者たち|古市 憲寿|若き社会学者が満を持して立ち上げる、まったく新しい「若者論」

若者が不幸だとこの格差社会を嘆くが、当の若者たちは案外そう感じていないのがなるほどなと。そんな若者の正体を徹底的に取材、全く新しい「若者論」を展開。

世代間格差

マクロで見た時に、世代間格差をはじめ、日本の社会構造が若年層にとって「不幸な」仕組みになっていることは事実かも知れない。だが、実際の若者の毎日の生活を考えてみた時、彼ら、というか僕らは、本当に不幸なのだろうか。

もう日本に経済成長は期待できないかも知れない。だけど、この国には日々の生活を 彩り、楽しませてくれるものがたくさん 揃っている。それほどお金がなくても、工夫次第で僕たちは、それなりの日々を送ることができる。

たとえば、ユニクロとZARAでベーシックなアイテムを揃え、H&Mで流行を押さえた服を着て、マクドナルドでランチとコーヒー、友達とくだらない話を三時間、家ではYouTubeを見ながらSkypeで友達とおしゃべり。家具はニトリとIKEA。夜は友達の家に集まって鍋。お金をあまりかけなくても、そこそこ楽しい日常を送ることができる。

実際、現代の若者の生活満足度や幸福度は、ここ四〇年間の中で一番高いことが、様々な調査から明らかになっている。たとえば内閣府の「国民生活に関する世論調査」によれば、二〇一〇年の時点で二〇代の七〇・五%が現在の生活に「満足」していると答えている。そう、格差社会や世代間格差と言われながら、日本の若者の七割が今の生活に満足しているのだ。

この満足度は、他の世代よりも高い。三〇代でこの数値は六五・二%、四〇代で五八・三%、五〇代では五五・三%まで下がる。若者を心配してくれているだろう上の世代の方々のほうが、よっぽど生活満足度が低いのである。

また、現在の若者の生活満足度は過去の二〇代と比べても高い。まだ高度成長期だった一九六〇年代後半の生活満足度は六〇%程度。一九七〇年代には五〇%くらいにまで下がった年もある。それが、一九九〇年代後半からは七〇%前後を示すようになってきた。

最近、プチプラアイテムでも高品質なものが多くて、ファストファッションなんかでも十分という人が多いのはわかるが、サステイナブルな世の中を目指すなら消費行動としては間違っているのかなと思ったりもする。僕は気に入ったものは着たおすタイプなので少々お高めでも気にしない。元が取れるぐらい着るので(笑)

若者がモノを買わなくなった?

「若者がモノを買わなくなった、これでは日本経済も真っ暗だ」というおじさんたちの悲痛な叫びを聞くことが多くなった。だが「モノ」といっても色々ある。「若者がモノを買わない」と言っている論者たちは、何を根拠に若者の消費離れを嘆いているのだろうか。

試しに、最近一番ヒットした若者の消費離れ本、マーケターの松田 久 一(五三歳、兵庫県) による『「嫌消費」世代の研究』を見てみよう。彼は同書の中で、モノを欲しがらない若者たちのことを「嫌消費」世代と名付けた。この本が目を引くのは帯だ。今時っぽい覇気のなさそうな女の子が「クルマ買うなんてバカじゃないの?」と言っている。 「クルマ買うなんてバカじゃないの?」というのは、実際に著者が若者から聞いた 台詞 らしい。本文の冒頭でも「大型テレビなんていらない。ケータイのワンセグで十分」「日本語が通じない海外旅行なんて楽しめない」という若者の声に、著者が「耳を疑った」エピソードが紹介されている。  普通ならここで「これだから近頃の若者は」と言って終わるところだが、さすがマーケティングを商売にしている著者だけあって、きちんと統計にあたり、自分が代表を務める会社で二〇〇〇人規模のインターネット調査もしてみた。さらに、なぜかディルタイやマンハイムなど昔の学者を参照しながら世代論の有用性と限界まで論じている。まるで難しい言葉をやたら使ってみたい大学生のレポートみたいだ。

まず松田は総務省「家計調査年報」を使って、二人以上の世帯における自動車とテレビの平均購入数の推移を確かめる。二〇代の自動車とテレビの平均購入数は確かに減少傾向にあることがわかる。

モノを欲しがらない若者というが、体験にはお金をかけているので消費が減ったわけではないと思います。消費性向が変わっただけで、大人たちとの価値観が違うだけ。

おじさんたちが最近の若者のスタイルに困惑して消費しないというが、今も昔も変わらず消費はしているのだが、その傾向が変わっただけだと思います。何も自動車やブランドモノを買うだけが消費ではありません。当の若者たちは総じて自分たちが幸せだというのだから。

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