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統計・確率思考で世の中のカラクリが分かる|高橋 洋一|統計数字はウソをつかないが、それを使う人はよくウソをつく

「統計数字はウソをつかない」確かにその通り数字は嘘をつかない。しかし「統計数字にダマされるな」とも。実際のところ「統計数字はウソをつかないが、それを使う人はよくウソをつく」と言うのが正しいかと。そんな統計学の書籍。

統計はかならず学んでおくべき

最初に、私と統計との個人的な関係についてお話ししておきましょう。  私は、東京大学の理科I類の出身ですが、入学したての頃には、原子力工学の分野に進もうと考えていました。というのも、私たちは「鉄腕アトム」とともに育った世代であり、また、原子力工学というのは理科I類でも人気の高い、花形の分野だったからです。しかも、当時の同級生に、「原子力工学の父」と呼ばれた著名な学者の息子がいたんです。彼の家に遊びに行き、お父さんとも話をしたことがありました。

そういうわけですから、私はその友人と一緒に原子力工学に進むつもりでした。ところが、いよいよ専門を決める時期になって、どうやら彼が原子力工学を専攻しないことが分かったのです。あるとき、本人にその理由を尋ねてみると、「原子力はちょっとね、問題が……」というびっくりするような答えが返ってきました。当時、名前を聞けば誰でも知っている「原子力工学の父」の息子が、そういう認識を持っていたのです。

それを聞いて、私も原子力工学を専攻するのは止めました。

その後、スリーマイル島やチェルノブイリでの重大事故があり、その度に、私はこのときのことを思い出しました。そして、今回の東京電力福島第一原子力発電所の事故です。

原発事故後、原子力安全・保安院(以下、保安院)の〝顔〟となった西山英彦審議官とは、彼は通産省(現・経済産業省)、私は大蔵省(現・財務省)という違いはありますが、同期入省です。

もし、あのまま原子力工学の道に進んでいたら、連日記者会見に出て、記者たちの追及を受けていたのは私だったかもしれません。いまあらためて、友人の助言(?)には感謝しています。

新しい技術革新にはデメリットとなるものがついて回ることも多い。原発事故も確率としては低いが実際に起きたら大ダメージとなるケースが多く飛行機事故の事故率とかの問題とよく似た現象が起こる。それを理解した上で使用するかしないかを検討せねばならない。

なぜか目の敵にされる金融政策

変動相場制の下では、国債を大量に発行したときには、金融緩和をしなければ金利が上昇し、やがて通貨高を招くという理論は、これを証明した、前述の二人の学者の名前をとってマンデル=フレミング・モデルといいます。

国債を出さなかった場合に比べて、為替は円高に振れます。為替が円高になると輸出価格が高くなるので輸出が落ちます。

その結果、国債発行による公共投資で創出された内需も、その分だけ相殺されます。これが、変動相場制の下では財政政策は効果がないというロジックです。

ただし、これに金融政策を抱き合わせることによって、ある程度円安を抑えることができます。それが金融緩和で、簡単にいえば大量にお金を刷れば、円が相対的に増えることで円安になるということです。つまり、金融政策で財政政策のバランスをとるのです。

残念なことに、日本ではこのロジックが理解されません。このマンデル=フレミングが理解できるのは、一定年齢よりも若い人です。年齢が上の人に理解されにくいのは、固定相場制時代のイメージから抜けられないからだと思います。

こういう人は、「固定相場のときには公共投資したらよくなったのに」と言います。それはその通りです。固定相場制のときには、公共事業などの財政政策がダイレクトに効果を上げました。

しかし、変動相場では世界の経済が直接につながっているので、一国だけの財政政策では効果を上げることが難しいのです。

これがわが国において見事に実証されたのが、阪神・淡路大震災のときです。

社会党党首を首班とする形で自・社・さ政権が成立したこの時期は、住専問題などバブル後のカネにまつわるゴタゴタの処理が続出しました。まさに未曽有の国難に陥っていたのがこの時期の日本です。

国債の発行により為替が変動すると経済にもさまざまな影響が。ついこの間も大幅な円安傾向にあったのを為替介入して少し戻すといったことが行われニュースになったが、それができるうちはまだ国力に余裕がある。なし崩し的に経済が悪化する国も多い中、日本はまだマシな方だと思わなければやってられない。

確率や統計の数字を正しく理解し、自分の都合の良い部分だけ切り取って数字を利用する輩に騙されないリテラシーを身につけましょう。

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