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シナリオのためのSF事典|森瀬 繚

SF要素を含む物語を創作するときに知っておきたいキーワードを事典形式でまとめたネタ帳です。
●創作に役立つ科学のトピックをたっぷり集めました。
・現実において達成された科学技術から定番の未来技術まで
・SFの風景として欠かせない巨大構造物
・解明された生命科学から、予測される生命の進化まで
・科学技術がもたらした世界や環境の変化、そしてこれからどう変わるか
・身近な太陽系から銀河全体、さらには宇宙そのものまで。天文学、宇宙開発、地球外生命体など
・科学知識の上に成立するお約束のSFテーマ
・どのような創作作品に利用されているか

タイムトラベル

タイムスリップとは何らかの強力な力が働くことで、タイムマシンなしで時間移動を行う方法です。古典的なSF作品では、殴られた衝撃でタイムスリップするマーク・トウェインの『アーサー王宮廷のヤンキー』から、核攻撃の衝撃で町が丸ごと未来へタイムスリップするエドモンド・ハミルトンの『時果つるところ』まで、大小様々なきっかけが工夫されています。多くの場合、タイムスリップは主人公の意図と関係なく発生するため、目的地を定めて意識的に移動できるケースと、特定の場所・時点との間のみ行き来できるケースに分かれます。タイムスリップしたと思わせておいて、実はパラレルワールドへの移動だったとか、世界が変わってしまったのであって時間を移動したわけではないなどの応用も考えられます。

いつの時代になっても、題材としてよくあげられるのが、タイムトラベル。タイムマシンを利用するものから理由はわからないが何かの衝撃やきっかけで時間を行き来できるようになるタイプのもの。結果として未来を変えることができるハッピーエンドや、何度時間を戻しても結果が同じで未来を変えられないものまで様々だ。人生のあの時この選択をしていたら現在はもっと違ったものになっていたかもしれないという後悔は誰にでもあるもの。その願望がタイムトラベルでより良い未来を演出する作品を生み出すのだろう。未来を変えられるということだが、過去に戻って事象を変えると現在までの歴史も上書きされてしまい、自分が存在しない未来になってしまうかもというジレンマもあるが、そこも作品にしてしまえばより深みが増すだろう。

遺伝子工学

バイオテクノロジーという言葉を聞いて一般的に思い起こされるのが、遺伝子組み換え技術やゲノム編集、あるいは遺伝子そのものの設計など、現在最先端の遺伝子工学に関連する分野であることに変わりはありません。生物の設計図である遺伝子そのものの構造を解明し操作、あるいは新規に作成する、これらの技術がもたらす可能性は非常に大きなものがあります。ただし、それらが制御できなかった場合にもたらされる危険や災害が大きなものとなることも確かで、そのため、バイオテクノロジーという言葉にはどこか胡散臭く、暴走の危険をはらんだもの、というイメージが存在します。

僕ら世代の人間ならこうしたバイオテクノロジーの暴走を描いたゲーム『バイオハザード』が身近に感じるのではなかろうか。遺伝子操作によるキメラやゾンビなど、これから科学者が暴走すればないとは言えない(ゾンビは非現実的ですがww)。

ワープ航法

相対性理論に従って計算すると、物体の質量は光速に近づくにつれて等比級数的に増大するため、光速に到達することも光速を超えることもできない、とされています。そのため、何万光年もの広い宇宙空間を舞台にしたSF作品では活動範囲が制限されるのを避けるため、ワープをはじめ様々な超光速航法が考案されてきました。もっとも、ワープといっても、作品によってその定義は様々です。例えば「スタートレック」の世界では、宇宙船を亜空間で包み込み、宇宙船そのものは亜空間の通常空間に静止しているものの、この亜空間自体が光速で移動することによって、相対性理論と矛盾することなく光速航法を実現していることになっています。

ワープ航法というとSFでは必須の項目であろう。相対性理論と矛盾しない形での説得力のある航法でなければファンからのツッコミが入り受け入れられないなんてこともあるかもしれない。

軌道エレベーター

軌道エレベーター、あるいは宇宙エレベーターは、惑星の地表と衛星軌道上とを直接一本の長大な柱状構造物で結ぶ、巨大な静止衛星です。「静止衛星」と呼ぶのは、この巨大構造物が惑星地表の定位置に留まり続けるためには、赤道周辺上空の軌道上に設置し、惑星の自転と同じ速度で惑星の周囲を周回する必要があるためです。つまり、軌道エレベーターは位置的に赤道直下から上に向かって建設されるのが望ましく、また単純に地表から衛星軌道に向かって高い塔を立てればそれだけで済む、というものではありません。

軌道エレベーターが実現したら衛星への物資や部品の輸送がロケットを飛ばさずに可能となり大幅なコストダウンが見込めるが、そこまでに投資しなければならない金額を考えるとなかなか実現は難しいかもしれない。

SF小説を読んでいるとでてくる様々な最新技術や事象をシナリオライター向けにまとめた書籍。SF小説を読まない人でも個別の空想科学には心踊ることだろう。知っておくとこれからの未来を生きていく上でも希望を加速する材料になるかもしれません。

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