接客をされる側のプロだからこそ知っている接客のコツ。小さなゴミさえ見逃さないこと、自分のおすすめを紹介する、子供のアクシデントは安全第一。感じがいい接客ができる店員になるための方法論。
目標とする人を持つ
「目標を設定しなさい」とよくいわれます。 目標があったほうが、目指すべき方向が明確になる からです。マラソンでも短距離走でも、ゴールが見えないとどこまで走ればよいのかわかりません。終わりが明確でないと、計画の立てようがないのです。 サービスの質を高めたいと思うなら、 サービスの達人だと思う人を常にイメージしておくようにしましょう。 つまり、その人があなたの目標であり、ゴールとなるわけです。そして、そのゴールに到達したら、また次のゴールを設定して、それを目指すのです。あなたが「こうなりたい」と思う人を追いかけて、一歩一歩成長していくのです。 自分の周りにはたくさんのすごい人がいて、どの人を目標にすればいいのかわからないよ、という人もいるでしょう。あるいは、自分の周りにはサービスの達人なんていない、という人もいるかもしれません。 ここで大事なことは、あなたが「この人はすごいな。こんな人になりたいな」と心から思える人を選ぶことです。なんとなく決めるのではなく、本当にこの人のようになりたい、この人のようになれたら理想的だという人をじっくりと選びましょう。直接知っている人のなかにそう思える人がいないのであれば、雑誌やテレビなどに出ている人から探してみましょう。 そして、 その人と一緒に仕事をしている風景をイメージしてみます。
目標や理想とする人を見つけてみる。そうするとその成功者の成功の秘訣を追体験することなどで近づく努力の方向性がわかったりするもんだ。
お客様の表情からサービスを組み立てる
ほとんどのお店では、働きはじめる前に研修があり、そこで一定のマニュアルを教えてもらいます。これはまったくの素人を短期間である程度のレベルに引き上げるには、とてもよい方法です。しかし、 マニュアル通りの対応は、あまりよい印象を持たれない ものです。 お店に入ると、「いらっしゃいませ」という声は聞こえても、店員さんがこちらを見ているわけではなく、とりあえずいっているだけだなと感じたことはありませんか?流れるようにみごとに対応してもらったのに、気持ちが伝わってこなかったことはありませんか? 仕事に慣れてくると、「自分はちゃんと接客ができているだろうか?」「お客様に不愉快な感じを与えていないだろうか?」という新人のころの不安がなくなり、手際よく仕事を進めるあまり、流れ作業のようになってしまうことがあります。お客様がどう感じるかという部分が抜け落ちたまま、「自分はやるべきことができている」と思ってしまうのです。 しかし、 本当にお客様から支持されるサービスというのは、マニュアルを超えたところにある ものです。マニュアルに記載された内容は、あくまでスタートライン。仕事に慣れてきてマニュアルの内容がきちんとこなせるようになったときに、「自分は仕事ができる」と考えてしまうと、お客様の気持ちとのあいだに溝ができてしまいます。 その先が大切だということはわかるけれど、マニュアル的なサービスといったいなにがどう違うのかと思いますよね。その違いを一言で述べるとすれば、それは、 相手の表情からサービスを組み立てているかどうか ということになります。
マニュアル通りの接客は安定感という面ではいいが、どうしてもその心配りが無機質なものに感じがち。サービスを提供する際にここの従業員のオリジナルのまごころみたいのが伝わると客としては好感が持てる。クレーム対応などもそう。
自分たちのクレド作る
「クレド」という言葉を聞いたことがありますか?日本語に直訳すると「信条」となりますが、もっとわかりやすくいうと、「守るべき大切な約束」です。一流ホテルのリッツ・カールトンのクレドが有名ですが、「なんだか立派そうだけど、あまり現実的ではないですよね」という声をよく耳にします。 たしかに、クレドという言葉には、難しそうな印象があります。また、クレドを活用しているとされる会社は、とても有名だったり、一流のサービスを提供しているところばかりだったりします。 でも、「守るべき大切な約束」を文章にしたもの だと考えると、ずいぶん敷居が低くなりますね。この約束は、スタッフ一人ひとりが守るべきものであり、とても重要なものです。一人でも約束を破ると、すべてが台無しになってしまいます。 こうしたことは、本来会社全体として取り組むべきことですが、 個々の店舗ベースや個人ベースでも、うまく活用することで威力を発揮します。 また、キャッチフレーズをチームに浸透させたり、それを具体的な行動に結びつけていくうえでも、クレドはおおいに役立ちます。 店舗ベースでクレドをつくる場合、店長が一人で重々しく考えながらつくるのはやめましょう。そうではなく、みんなが集まるミーティングなどの場を使って、短期間でつくりあげていくのです。最初の3カ月間はお試し期間として、「走りながら修正していく」というくらいの姿勢ではじめましょう。
クレドが大きければ大きほどそこに近づくことは難しいが高い信条をを掲げることは大事だ。
100点の接客を目指してどんな点に気をつければいいか?覆面調査員目線がどんなものか解説。感じが良い店員になるべく日々業務に邁進する人たちにおくる書籍。
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