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午前零時のサンドリヨン|相沢 沙呼

高校入学後に一目惚れしたクラスメイトの女の子、酉乃初は実は凄腕のマジシャン。

その腕前をレストラン兼バーである『サンドリヨン』で披露する彼女はポチこと須川くんが巻き込まれる不思議な事件をマジックを駆使して解決していく。

二人こ恋の行方も気になる学園ミステリー。

 

空回りのトライアンフ

酉乃初がバイトするマジックバーは元々普通のお店だった。

彼女のマジックの腕を見込み、後からマジックバーへと形態を変えたお店だ。

お客相手に華麗なマジックを披露する彼女に学校とは違う様子を見つける。

そして、一目惚れは加速していく。心の動きとともに学校では奇妙な事件が起こり始める。

最初の事件は図書室の背表紙を逆にして本棚に返す謎の悪戯。

彼女のマジックに対するスタンスは種を明かさず不思議なものを不思議なままで終わらすというもの。

確かに見ている人にとってはマジックのタネは気になるもの。

中にはマジックバーでタネを見破る目的でやってきて血眼になって食い入るようにみる客も。

そんな客を横目に彼女は魔法使いよろしく不思議な技を繰り出し続ける。

怪盗fff

図書室での事件の後も彼女との距離はなかなか縮まらない。

彼女は会話の中で「べつに」しか言っていない。

なんだか以前以上に距離を感じる感さえある。

そんな中、音楽室で奇妙な事件が再び起こる。

机に書かれた「fff」の文字。

再び酉乃初に力を借りてこの謎に立ち向かうのだが‥‥

手帳に書かれた謎の数字

1. 八反丸芹華 198

2. 渋谷美鈴  196

3. 酉乃初   195

4. 鹿島純也  193

5. 飯塚栞   192

手帳に書かれた謎のランキングのようなもの、そのランキングは一体なんなのか?

可愛い子ランキングか何かか?

この謎に挑むべく再び調査を開始。

またまた酉乃初に力を借りて奇妙なランキングの謎に迫る。

事件をこなしていくうちに二人の関係にも微妙な変化が

マジックの腕前は確かな酉乃初だが、暗い過去を持っていたことが明らかに。

マジックを不思議な力として捉え、魔法使いのように様々な問題を解決したいと思った彼女。

マジックを超能力として披露した時期もあった彼女。

それを批判する生徒から嘘つき呼ばわりされて、多くの生徒から総スカンを喰らういじめに発展。

暗い過去からマジックの腕を磨くのは人目につかない場所でというのがデフォルトに。

そんな彼女の過去を知った主人公は魔法使いじゃなくたって、酉乃初のことを思っていると告白。

しかし、なかなか恋に発展しないもどかしさが続く。

 

恋愛要素も盛り込んだミステリー、学園ものならではの設定は昔を思い出す人も多いのではなかろうか。特に部活などの描写は懐かしく感じる。学園物のミステリーが好きな人にはお勧め。

 

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