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勝つ投資 負けない投資|片山 晃 , 小松原 周|イレギュラーだがそこには独自の投資哲学が

幸運にもバイトで貯めた65万円を25億に増やした個人投資家。イレギュラーだがそこには独自の投資哲学が。一方、リーマン・ショックも乗り切った不敗の機関投資家の負けない投資、株式市場の裏表が見え隠れするちょっと真似できない投資本。

個人投資家の強み

資産運用ビジネスには信用が何よりも大切ですから、預かった大切な資産をギャンブルのような取引で運用できないように、投資判断をするファンドマネージャーや、取引を行うトレーダーには様々なルールが課せられているのです。そのひとつが、流動性に乏しい銘柄には投資しないというものです。株式投資における流動性とは売買代金のことで、トヨタであればある日の商いをみると751万株、626億円もの取引が行われているため、億単位で投資をしていても1日から数日で売買を完了させることができます。しかし、上場企業の中にも、一般にほとんどその名を知られていないような小型株も存在します。そうした銘柄は時価総額が数十億円程度の小さいものから存在し、1日の売買代金は数百万円から数千万円。時には1日を通じて売買が成立しないこともあります。このような銘柄では、買うにも売るにもとても時間がかかってしまうし、その間に不測の事態が起こった場合、売るに売れないまま巻き込まれてしまいます。これではリスクが高過ぎるということで、「流動性が基準に満たない銘柄への投資は避けよう」ということになるわけです。もうひとつは、「フルインベストメント」という考え方です。ほとんどの投資信託やファンドでは運用資産のうち現金で持っておけるのは数%までとルールで定められています。これは何を意味するかというと、今はあまり儲からなさそうな相場だとか、下手をすればこれから株価が下げていきそうだと運用者が思っていても、株を売って次のチャンスに備えることができないということです。普通の人が聞くといかにもバカバカしいと思うかもしれませんが、これは市場平均より好成績を納めれば優秀とみなす運用業界の評価基準から来るものです。つまり、ベンチマークとしている指数である日経平均株価やTOPIXが年間で15%下落していたら、10%の下落ですませたファンドマネージャーは「非常に優秀」ということになります。しかし、個人投資家には上記の2つのことはいずれも理解し難い話だと思います。将来上がりそうな良い銘柄であれば、流動性に乏しかろうが買うべきだし、自分の大切な資産が目減りしている状態で、ベンチマークより下落がマシだったから今年は良かったなと振り返られる人はほとんどいないでしょう。まだ日の目を見ていない銘柄を先に仕込んでおいて、人気が出るのを待つ。下がると思えば売っておいて、安くなってから買い直してリターンを得る。そうした自然な投資行動を取れる機動力こそが、個人投資家が機関投資家に対して優位に立てる唯一の武器なのです。それをどう活かすかが、投資活動の成否を決める重大な鍵となっていきます。

機関投資家の足枷となっているのが売買代金の大きさと「フルインベストメント」により現金によるポジションがとりにくいこと。個人投資家であれば相場が全体的に下がっている場合には様子見のため現金によるポジションを取ることでやり過ごすことも可能だ。もちろんアクティブに空売りするなんてこともできるが。そして、もう一つの足枷が売買代金。商いが少ない小型株などでは上がる要素を感じ取っていてもいきなり暴落した時に売り逃げるアクションを吸収するだけの出来高がないため売り抜けられないといった状況が起こりうる。そうしたリスクから小型で商いが少ない銘柄は投資の対象にならない。このように機関投資家はお客様の大切なお金を扱って運用しているのでフットワークにかけるのだ。そこに個人投資家の勝機がある。

投機家ではなく投資家になろう

私はデイトレーダーで勝ち続けている人がいるという話を聞いても、「相場が良かったからたまたま勝てたのだろう」と思います。それはパチンコで「勝てている」と錯覚している人と同じロジックだからです。機関投資家の中にも「クオンツ運用」といって、様々な数学的、統計学的なアプローチによって、利益を上げようと試みる人たちがいます。以前、証券会社の人たちが私のところに、米国のトップレベルのエンジニアたちが組んだ、最新の投資のプログラムを紹介してきたことがありました。バックテストをすると、その売買シグナルに従えば年率で平均7%は勝てているとのことでしたが、私は採用しませんでした。なぜかというと、端的にいってしまえば、投資の世界はそんなに甘くないからです。相場は常に変化しており、必ずしも過去と同じ連続性を持った動きをしているわけではありませんし、特定のファクターが効き続けるということもありません。たとえば、「高ROE銘柄が熱い」といって注目を集めても、明日には、突然別の相場になっているかもしれないのです。事実、その「無敗を誇る」プログラミング取引は、その翌年、それまでの勝ちをすべて飛ばすような大敗を喫しました。こうした事実からも、相場の動きを捉えて短期のトレードで勝つことは、それを専門とするプロの投資家でさえも、極めて難しいということがお分かりいただけると思います。個人投資家であればなおのことです。そこを理解しないと、投資の世界の醍醐味を知らぬまま、株式市場から退場を迫られることになってしまいます。

基本的にデイトレーダーだといくら儲けても約定による手数料でいくらか持っていかれるので利幅は極めて小さい上に板に張り付いてトレードしなくてはいけないためあなたの貴重な時間を奪っていきます。働く必要のないぐらい投資に時間を投じることができる人や約定の手数料が無料の範囲内で小さく勝負する人以外は手を出さない方がいい。手数料マジックで証券会社のカモになります。

これから投資を始めようとする人に投資で勝つにはイレギュラーな波に乗るか、投資の知識を負けていく人間にならないよう磨き続けるしかないことを教えてくれる。この方法で簡単に儲けられるというInstagramのDMなどに騙されぬようにきちんと自分で勉強しましょう(笑)

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