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世界2.0 メタバースの歩き方と創り方|佐藤航陽|インターネット以来の大革命。メタバースとは「神」の民主化だ

産業革命、そしてインターネット、過去の大革命のさらに先へ!そして人類は最終局面メタバースへと導かれる。メタバース、web3、NFT、AI、宇宙開発…「新しい世界」を私たちはどう生きるか?メタバース関連事業の最先端をいく起業家たちによるメタバースの解説本。

メタバースは「ゲーム」こそが入り口

メタバース否定派の人がいう「メタバースなんてゲームじゃん」というセリフは暗にゲームをインターネット業界の中で下に見ているニュアンスがあります。   この 30 年間、インターネット業界においてニュースやSNSがサービスの「入り口」であり、ゲームはマネタイズのための「ゴール」でした。

無料で読めるニュースやSNSでお客さんを大勢集めたあと、その人たちをゲームに誘導していく。ゲーム自体は無料でできるようにし、オプションにその都度課金していく。「ゲームはユーザーにお金を落としてもらう場所」というのが共通認識でした。つまり「ゲームはお金を落として消費してもらうゴールであって、それ以上に広がりはしない」と。

しかし今や、メタバースにはこうした考え方は当てはまりません。

メタバースにおいては、ゲームが「入り口」であり、その他のコミュニケーションやビジネスはゲームを入り口にして、あとから派生していきます。従来の流れとは真逆のベクトルなのです。

『Fortnite』の中ではデジタルスキン(アバターと呼ばれる自分の分身に着せる服)を毎年約5500億円売り上げています。これはグッチなどのラグジュアリーブランドと変わらない規模です。

また、『Roblox』ユーザーの2割は、毎日アバターのスキンを替えているそうです。もはや外出するときに服を変えるというような日常習慣がゲームの中でも起こり始めていて、その結果として商売も当たり前に成立しています。

また新型コロナウイルスのパンデミック(感染症の世界的大流行)によってライブツアーが中止になると、米津玄師さんは『Fortnite』内でバーチャルライブを開催しました。米津さんは3DCGのアバター姿でゲーム内に登場し、プレイヤーもアバター姿で交流しています。

ゲームの世界に自身の身を置く、アバターでゲームの世界に入り込む。メタバースを簡単に説明するのにゲームは適している。ゲームを入り口として新たな世界を作り出すゲームを作り出す人はまさに神。ゲーム内で使うアバターの衣装に課金したり既にゲームの中での自分を現実世界とは違った形で表現するのがゲーム。僕が今やっているゲームでは自分のお城をより豪華に装飾したりするのにお金がかかる。ゲームによってはアバターが身につける衣装にブランド物なんかがあって課金欲を煽るものも出てきたり…コピーが容易なデジタルの世界でNFTを使ったそうした衣装などもこれからさまざまなゲームで採用されていくことであろう。

メタバースの先はユートピアかディストピアか?

2000年代の段階で、ネット社会の未来を鋭く予見した作家がいます。その人が書いた本はベストセラーになり、おおいに話題になりました。私はその作家に会って、一緒に食事をしながらお話をうかがったことがあります。

GoogleやFacebookがとんでもない力をもつようになり、「第四の権力」と呼ばれるメディア(テレビ・ラジオや出版事業)をはるかに凌駕していく。インターネットと検索エンジンとSNSが牽引する世界は、ユートピア(理想郷)になったのでしょうか。その著者はこう言って嘆いたものです。 「インターネットによって、バラ色の未来は全然実現しなかった。ネットが登場したことによって、違法薬物の取引や詐欺、ハッキングや誹謗中傷といった犯罪が横行するようになった。インターネットが描いたユートピアは見事に崩壊した」

ネット社会はユートピアどころか、ディストピア(暗黒世界)だというのです。この人の書籍に影響を受けて将来の方向性にヒントをもらった私としては、彼のこの認識にはショックを受けました。多くの人にポジティブな影響を与えているはずの彼は自分の書いた本に罪悪感を覚えていたのです。その話を聞きながら、私はこう思いました。 「インターネットによって生まれた弊害があるのは確かだ。でも、ネットがなければ実現しなかったことは、それ以上に山ほどある。絶望する必要はない。私はテクノロジーによって人生が救われた。テクノロジーとはただの道具であり、それを使いこなす人によって地獄から抜け出す蜘蛛の糸にも、凶器にもなり得る。ユートピアになるかディストピアになるかはその人次第だ」

ネットとスマホが誕生したおかげで、ごく一部の人間だけが専有していた情報が民主化されました。

メタバースのもたらす世界は現実世界と同じよう、その世界の通貨が必要となりそこで暮らすものは現実さながらにお金がかかる。結局あなたの生きる現実世界とはまた違った世界を作り出しただけで選択肢が増えただけ。自分の生きる世界を選択できる世の中だが、それがユートピアとは限らない。僕がやているゲームでも世界中にプレイヤーがいるので紛争の火種が絶えないし現実世界より過激なところも。弱肉強食でせっかくお金をかけて育てたものがよりお金をかけたプレイヤーによって簡単に奪われる世界。これはもうディストピアと言ってもいいのかも。

メタバースの抱える問題を提示しながらもメタバースの魅力を語る書籍。メリットばかりでないメタバースの住人になるかどうかはあなた次第。ユートピアを求めてディストピアに行き着くなんてことのないように。

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