四半世紀にわたるネットビジネスの進化を深堀、整理していく。変化の波の激しい大海原でネット界の未来の行方を占っていく。
IDと決済を握ったものが覇者となる
ネットビジネスの「入り口」としてのポータルサイトと検索エンジンについて見てきました。いま、この「入り口」がネット空間からリアルの世界へと染み出してきています。なぜかというと、オンライン決済やキャッシュレス決済の普及によって、お金を払って物やサービスを買うという行為がすべて「リンク」のように簡単にできるようになってきたからです。このことの意味を説明するために、インターネットの「リンク」がもたらしたインパクトについて、あらためて考えてみます。ワールドワイドウェブ(直訳すると「世界規模のクモの巣」。頭文字をとって「WWW」と表現される。笑いを表す「www(草)」ではない)のネット空間は、網の目のように張り巡らされた「リンク(ハイパーリンク)」によってつながっています。インターネット以前の世界では、文書もデータもそれぞれバラバラに存在していました。知らない言葉が出てきたら、紙の辞書で調べるしかなく、関連文書を読むには、図書館に足を運んで文献を探す必要がありました。引用の出典が明記され、参考文献リストがついていれば、関連文書にアクセスすることはできますが、それがないときや、より深く調べたいときは、膨大な文献の山を手探りで探索していくしかありませんでした。だからこそ、古今東西の文書に精通した「博覧強記な人」が重宝されたのです。知識の量が多いほど、文書を探す手間が省けたからです。しかし、ハイパーリンクが登場したことによって、僕たちは、関連文書を探す手間と、ある情報がどこにあるかという記憶から解放されました。わざわざ覚えておかなくても、リンクをクリックするだけで、一発で関連文書にアクセスできるからです。それによって、あらゆる情報へのアクセスがスムーズになり、リンクをたどっていけば、いくらでも深い知識、幅広い知識が得られるようになりました。探したり覚えたりすることではなく、大量の情報をシャワーのように浴びて、考えること、アウトプットすることに脳のリソースを割けるようになったのです。
最近ではGoogleの度重なるアップデートでより有益な情報が検索順位上位に来るようになってきた。検索する人にとって最適なサイトが見つかりやすくなったわけだ。ネット空間で覇者となるのは決済IDを握ったもの。この決済手段を保存されたサイトでは買い物がスムーズに行われるためAmazon派、楽天派みたいな感じで覇権争いが熾烈を極めている。ちなみに僕はAmazon派、楽天のページはごちゃごちゃしてて買い物し辛い。
情報をつなげてマネタイズする
無料の情報があふれている現在において、人が情報を得るときの対価は、①情報そのものの価値(情報コスト)に加えて、②すぐに情報が手に入ること(情報を探すためのコスト)、③不安なく正しい情報が手に入ること(情報の信憑性をチェックするためのコスト)、に対して支払われるのです。この3つのコストに見合った価格であれば、ユーザーは喜んでお金を払ってくれるはずです。②入手のしやすさや、③安心して利用できることが課金を可能にした例としてよく知られているのは、音楽や、映画・ドラマ・アニメなどの動画です。かつては違法ダウンロードが社会問題になった時期もありましたが、現在は劇的に減りました。なぜかというと、いまは音楽を聞きたければ、月1000円程度の利用料を払って「 スポティファイ」や「 Apple Music」の会員になれば、いつでもどこでも数千万曲のラインナップの中から好きな曲を楽しめるからです。映画についても、月500~2000円程度の利用料を払って「 ネットフリックス」や「 Amazonプライム」の会員になれば、ラインナップされている映画は見放題です。新作映画もラインナップにはない過去の名作も、1本あたり数百円でレンタルできます。ユーザーにしてみれば、見たい無料音源や無料動画をあやしげなサイトで探す手間や、違法ダウンロードで摘発されたり、コンピュータウイルスに感染するリスクを考えれば、月1000~2000円程度の支払いで済むなら、お金を払って安心して音楽や動画を楽しめたほうが気が楽だということです。
Apple Musicは僕も初期の頃から利用しています。普段聴かないジャンルの曲や話題の曲などを月額980円で聴けるのはありがたい。CD1枚買うより安いのだから音楽好きが飛びつくのもわかる気がする。そのほかにもAmazonプライムに入っているのでプライムビデオも見放題。たまに話題作をアップすることで注目を浴びて会員数を増やす施策は巧妙。音楽と違って映像作品は視覚と聴覚両方使うので、ながら視聴ができない。普段は時間を無駄にしたくないのであまり見ることはないのですが、鬼滅の刃みたいなキラーコンテンツが出た時は見ることもあります。
ネットビジネスの隆盛を順を追って解説。激動の時代にあって何が求められているのかをネットビジネスを通して知ることができます。
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