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得する生活 お金持ちになる人の考え方|橘玲|すぐに使える金銭哲学を伝授

お金のヒミツと世の中のカラクリ。知っているか否かで、人生は決まる。すべては経済合理的に考えよ! 『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』『マネーロンダリング』の橘玲がすぐに使える金銭哲学を伝授。

現金は匿名の決済手段

現金と商品が交換されることで取引が完結することを「決済」と言う。

現金は特権的な決済手段である。なぜなら、すべての取引が匿名で行なわれるからだ。私たちは花屋で現金払いする時に、いちいち身分証明書を提示することはない。完全な匿名性を保証された決済手段は、プリペイドカードなどを除くと、それほど多くはない。決済で現金が多用されるのは、私たちが、売り手側にプライバシー情報を提供したくないと考えているからだ。

現金のほかに、銀行口座を決済に利用することもできる。相手の口座に指定の金額を送金することで支払いが完了し、交換に商品やサービスが手に入る。

決済に銀行を利用した場合、送金の事実が相手側の預金通帳や銀行のコンピュータに記録される。それでも銀行送金が利用されるのは、現金を持ち運ぶことでコストやリスクが発生するからだ。決済の匿名性は大きな利点だが、それは同時に、現金の所有権はそれを手にした人にあるということだ。運搬の途中に紛失や強奪に遭えば、失った現金が戻ってくる保証はない。一方、銀行送金は安全な決済方法であり、さらには後日、支払いの事実を証明することもできる。

クレジットカードも、貨幣経済における決済手段のひとつだ。カード使用者の個人情報を店側が知ることはできないが、クレジット会社に情報は蓄積されていく。その意味では、決済の匿名性が完全に保証されているわけではない。

それにもかかわらずクレジットカードが普及するのは、利用者の側に、プライバシーを譲り渡しても余りあるメリットがあると考えられているからだ。

情報社会においては現金が有利になる点も。匿名の決済手段というのは現金の強み。電子マネーやークレジットカードは利用の履歴がデジタル空間に残る。まあそれが便利だったりするわけだが旧時代の人にとってはなんだか気持ちの悪いことなのかもしれない。秘匿性を求めるなら現金を!

不動産にプライバシーはない

ここでちょっと趣向を変えて、プライバシーの観点から不動産を考えてみよう。

近所を散歩していると、いつのまにか 瀟洒 な新築の家ができていた。白壁に出窓のあるメルヘンチックな建物で、前庭は芝がきれいに刈り揃えられ、玄関口の花壇ではコスモスの蕾が花開こうとしている。車庫には新車のBMW、休日には友人を集めて賑やかにバーベキューパーティが開かれる。

この絵に描いたような幸福な家庭の経済状況を知りたければ、住所を調べて法務局に行けばいい。三文判ひとつで見知らぬ隣人の不動産登記簿を閲覧することができる。

登記簿の乙区には所有権以外の権利が記載されており、この物件にどのような抵当権が設定されているかが一目でわかる。住宅ローンを借りた金融機関はもちろん、債権額や借入日、ローン金利までが登記簿の記載事項になっている。

一般には2割の頭金でマイホームを購入するから、住宅ローンの借入額から購入価格を概算することができる。ほとんどが 30 年返済だから、債権額と金利からローンの残債を試算するのも簡単だ。不動産を担保に誰がいくら借金をしているかは、その気になればいつでも調べられる。

物件に根抵当権が設定され、「債権の範囲」として銀行取引・手形取引・小切手債権などが挙げられていることもある。これは自宅を担保に、金融機関から事業用の融資を受けているということだ。借入額の上限は「極度額」を見ればわかる。

登記簿の甲区には物件の所有権が記載されている。もしかしたらここに「差押」の記載があるかもしれない。債権者名が金融機関ではなく、市町村になっていることも多いが、これは住民税や固定資産税を滞納しているからだ。

個人の懐具合がダダ漏れとなるマイホーム。意外とそのことは知らない人が多い。誰でもこうした情報を手に入れることができるのはちょっとプライバシーの侵害ではないかとも思えるが制度上しかたのないこと。それが嫌ならマイホームは諦めるしか。集合住宅ならいくらかマシに。

得する生活を送るために知らぬ間に損をするシチュエーションを知っておくことも大事。あなたのプライバシーを守り、得するためにはバランスが求められます。

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