友達もいないぼっちでも、将来の不安など全てを吹き飛ばすYouTuberかっつーのエッセイ。笑える体験談と主に読者の不安や悩みを軽減してくれる書籍。
そもそも俺、会社員向いてなさそうじゃね?
高専では、4年生の夏にインターンシップが始まります。興味のある企業で実際に働く職業体験のことで、必修科目のため全学生が履修することになっています。
学校で配られた勤務可能な企業のリストを見ると、どの企業もサーバーの保守管理やプログラムの設計みたいな、 一切興味の湧かない仕事内容 だったんです。しかも、就業地も東京近郊が多いっていう。
当時の僕の行動原理は『とにかくラクに単位をとりたい』だったので、たまたま見つけた、 奇跡的に家からチャリで 15 分の場所にある老人ホームの施設管理の仕事を選びました。
仕事内容としては、会社のノートパソコンでよくわからないデータをエクセルでまとめたり、大雨の中ビショビショになりながら庭のナスを回収したりと非常に摩訶不思議なものでした。
ただ「家から近い」という理由で選んだとはいえ、仕事はとにかく退屈で、なんでこんなことをしているんだろうと虚しくなりました。
でも、妙に社員食堂の昼ごはんが美味しかったのと、業務中に課長の部下と話をして仲良くなり、途中から 僕の仕事量を減らしてくれた ので、仕事はつまらなくても楽しく過ごせました。
僕の懐に入るスキルというか、年上に媚びる力のようなものがあった。
課長がなんか教えてくれるたびに「勉強になります!」とか「おっしゃる通りでガス!」とか合いの手を入れていたら気に入ってくれて、銀だこでバイトしていることを伝えたら、入居者の方にたこ焼を作ることになりました。完全に意味不明。
そんな感じで仕事をこなし、いよいよインターン最終日。その日は老人ホームの従業員を対象とした立食パーティーがあり、同じ部署のみんなで参加することになりました。
豪華な食材がズラーッと並んでおり、僕はめちゃめちゃ興奮していました。
そして、その様子を見た課長が「お前、若いんだからたくさん食え!」と言ってくれたので、「はい!」と返事し、お言葉に甘えて遠慮なく食べていたんです。
で、他の職員の人達はしばらくすると帰っていったのですが、僕は無限にお腹が空いていたので最後まで残って食べていました。
そしたら課長が近づいてきて、急に耳元で、 「あの、本音と建前って知ってる?」と呟いて僕を会場からつまみ出しました。
社会人になるとこういう本音と建前がいっぱいあるのかな?
そもそも俺、会社員向いてなさそうじゃね?
なんでこんなクソつまんねえ生活をしているんだろう。なんでこの先も明るい未来はないのに、高専に行かなきゃいけないんだろう。
このままだと卒業後は、毎日よくわからないデータをエクセルでまとめたり、大雨の中でビショビショになりながら庭のナスを回収したりする生活になるんだろうか。
自分の未来に不安を覚えたせいか、インターンを終えたその日の夜、42度の高熱を出してぶっ倒れたんですよ。
そして寝込んでいる間にもいろいろ考えて、いつものように鬱になっていました。しかしいつまでもクヨクヨしている自分が嫌になり「考えているだけでは何も変わらない」と一念発起し、このままじゃダメだと強く思い、本気で行動しようと決意しました。
アットホームな職場ですとか求人に書いてあるようなくそブラック企業の典型ですね。こういう職場は辞める時にその本性を剥き出しにするので要注意。残業代未払いなんて序の口で溜まった有給の消化さえさせてもらえないなんてことも。そして失業手当がギリもらえない日程で退職に追い込もうとするのでタチが悪いです。そんなブラックな会社は授業料払ってでも早めに去ったほうが得策。
自分にできないことは他人に任せよう
高専3年で、プログラミングがわからなかった時に、頭のいいクラスメイトに助けてもらったと言いましたが、 このように自分ではどうしても無理なことは人に頼るといいかもしれません。 そのためにはコミュニケーションが必須です。
僕はまずクラスの頭のいい友達と仲良くなるために、その人が大切にしている『ポケモン』というものに心の底から興味を持って、質問しました。
そして、彼は喜びながらポケモンの知識を教えてくれて、ついでに課題の答えもゲットしたわけです。
一見、「ただの搾取やんけ」と思うかもしれないけど、僕はそうは思っていませんでした。 なぜなら相手の承認欲求を満たしていたからです。
高専生はポケモンガチ勢しかいなくて、みんな当たり前のように理想個体や努力値などのポケモンの詳しい知識を知っていました。だからちょっとバチバチになっていたと言うか、「俺はお前らより強いぞ」みたいな雰囲気だったんです。
そんな殺伐とした空気の中で突如として僕が「すみません! 何もわからないので教えてください!」と聞いたもんですから、「お、こいつ俺のことをポケモン博識と認めてくれてるやんけ! いろいろ教えようかな」みたいな感じで喜んでくれたんだと思います。
やっぱり、自分がハマっていることのうんちくって誰かに語りたいじゃないですか。
だからそれを利用したわけじゃないですけど、「多分こう言ったら喜んでくれるだろうな」みたいなことは考えながら距離を縮めていったりしました。
それを機にめっちゃ仲良くなって、よく一緒に帰ったりしていました。僕は彼のことを「伝説のフィッシャーマン」と呼んでいます。
同級生を手の上で転がしていく処世術には笑った。確かに相手の承認欲求を満たしてやる代わりに実利を得るやり方は理にかなっている。でもそんな処世術は身についても自分のスキルが上がったわけではないので、そこのところが要注意。
陰キャならではの処世術がクスッと笑えて共感できる面白本。学校や職場でうまく立ち回れない陰キャは読んでみると面白いですよ。そんな生き方があったのかと目から鱗となるはずです。
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