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生活保護VSワーキングプア 若者に広がる貧困|大山 典宏

『生活保護vsワーキングプア』といういささか刺激的なタイトルではありますが、生活保護制度の抱える課題とその解決策につき、現場で相談者に向き合う中で得られたものを真摯に書き記しています。本書で取り上げた貧困に苦しむ若者、そして、傷ついた子どもたちに共通するのは、「社会に対して声をあげられない(あげることが難しい)」ということです。少しでも多くの人に、この声なき声を届けたい。そういう思いから出版に至りました。格差や貧困の議論を単なるブームに終わらせることなく、確かなセーフティネットを構築するための小さな一歩となることを祈っております。

生活保護受給者とワーキングプア

新たに一人、生活保護を利用するようになると、年間でどのくらいの費用が必要になるのか。生活保護費として支給される総額を、生活保護を受けている人の数で割ることによって、その数字は簡単に計算することができます。 生活保護費(二兆五〇〇〇万円) 生活保護受給者数(一四二万人) 一八〇万円  ワーキングプア(working poor) は、正社員並みにフルタイムで働いても、またはその意思があっても生活保護水準以下の収入しか得られない就業者を指します。直訳では「働く貧者」となりますが、一般には働く貧困層と解釈されます。ワーキングプアにあたる所得の世帯数はいまだ議論が続いていますが、日本全国で五〇〇万人から七〇〇万人と推定されています。このなかには、これまで過ごしていた自宅や寮を、家賃の滞納や家庭の事情などで退去して、二十四時間営業のインターネットカフェやマンガ喫茶で夜を明かし、日雇い派遣労働などで生活を維持している者もいます。彼らはネットカフェ難民と呼ばれ、新しい社会問題となっています。

僕の場合家族という寄生する対象があるので最低限の収入でも比較的お金に困ることはない。家賃を払わなくていいのでワーキングプアにならずにすんでいる。世の中にはフルで働いているにも関わらず貧困にあえぐ人がいる。この数字を見てブラック企業に労働力として搾取され続ける人は案外多いのだと感じた。ZOZOがアルバイトの時給を1,300円以上にするという宣言をして賞賛されたのは最近のこと。こういった流れでフリーターでもお金に困らないような賃金設定をする企業が増えるといいな。

ニートとは?

ニートとは、英国政府が労働政策上の人口の分類として定義した言葉で「Not in Education, Employment or Training」を略したものです。「労働経済白書」では、ニートを「非労働力人口のうち、年齢十五歳~三十四歳、通学・家事もしていない者」としており、推定で六四万人とされています。このなかには、自宅から外出せず、社会参加の場を持たない「ひきこもり」と呼ばれる人たちも含まれています。 ニート六四万人×一八〇万円 一兆一五〇〇万円  仮にワーキングプア、ニートと呼ばれる人たちのすべてが生活保護を受けるようになると、実に一〇兆一五〇〇万円の費用が新たに必要となります。二〇〇六年度の 日本の一般会計予算における歳出は約七九・七兆円となっています。このうち借金返済にあたる国債費が二〇・九兆円を占めますから、自由に使える予算の約六分の一が生活保護費で消えることになります。 無駄遣いが批判される公共事業費が六・九兆円であることを考えれば、その金額の大きさがご理解いただけるでしょう。さらに、ここには生活保護制度を運営していくうえでの人件費や事務に関わる費用は含まれていませんから、実態はもっと大きな金額になります。

僕はもう45歳になるのでニートの定義から外れている。最近では僕と同じような境遇の人間が凶悪な事件を起こしていたりして、心が痛むと同時に、同じような目を僕に向けてくる人間が少なからずいるのだろうなと思ったりして凹む。

これから生活保護を受けようと思っている方へ

最後に、これから生活保護を利用しようと思っている人にアドバイスをしてほしいというお願いに、武本さんは「大事なのは両面作戦」と答えました。 「直接、窓口に足を運んで、実情をきちんと訴えること。もうひとつは、役所はすべてを教えてくれないから、本やネットを利用して事前知識を勉強しておくことです。水際作戦をしない役所でも、絶対にセールストークはしないです。あなた生活保護受けてみませんかというノリはありません。自分できちんと出向く、自分できちんと調べるという努力を怠らなければ、日本は法治国家だから困ったら生活保護を受けるという権利は保障されている、そのことを忘れないでいただきたいと思います」

僕も区役所に出向くことがたまにある。生活保護の窓口と障害者の窓口が同じ階にあるので、横目に見ていた。すると生活保護の申請にくる人は「制度を最近まで知らなかった」という人が多く、説明を受けている光景をよく目にする。情報弱者にこうした制度があることを周知することが大事だと感じた。

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