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『ドラッカーと松下幸之助』渡邊 祐介

幼少期より波瀾万丈の人生を辿ったのち、二十世紀を代表する学者、実業家としての地位を確立したピーター・ドラッカーと松下幸之助。本書では、二人の生き様を照らし合わせるところから、「仕事の意義」「イノベーションの極意」「企業家としての使命」に対する、共通した思想を発見する。“本当の成功”を掴むための考え方、人生を迷いなく生きる術を探し求めている現代ビジネスマン必携の書。

知識は高度に専門化し、情報は氾濫し、そして社会は複雑に

知識は高度に専門化し、情報は氾濫し、そして社会は複雑になりました。そうした社会の動きの中で、倫理の欠如が招いた企業犯罪や、人智が及ばないトラブルが続出しています。その要因として、為政者や企業家、経営者の間に、人間に根ざした哲学がなく、然るべき視座を欠いていることが挙げられるでしょう。指導者だけではありません。あらゆる個人が、自分というものを大事に考え、日々の行動を正しい哲学の下において判断できれば、悩みも少なく、いつも自分を過たず保つことができるのではないでしょうか。ドラッカーも松下も、マネジメントや経営を説きながら、同時に、みずからの思索の中から、人間としてのあるべき姿を示唆しているのです。

複雑な社会だからこそ、人間としてあるべき姿を考えることが大事。ピーター・ドラッカーも松下幸之助も、マネジメントや経営を説きながら、それらについて示唆してくれる。そのような二人の哲学を学んでいこう。

経営戦略

組織戦略について見てみます。ドラッカーは『現代の経営』(原著 THE PRACTICE OF MANAGEMENT)という著作で企業の経営組織について連邦型分権的組織の重要性を語っています。これは組織の権限を集中させるのではなく、分散させるほうがよいという考え方です。ドラッカーが連邦型分権的組織を推したのは、分権にして多くの普通の人たちが管理職になれば、それぞれの視点が高まること、みずから目標を考えることによって、管理者となった人たちが卓越した管理技術を持つように変化するという見方をしていたからです。そしてまた、分権的組織をとることによって管理者の能力や適性の有無が判別できることから、状況に応じて担当を替えることができる、すなわち組織としてより変化に対応できる効果が増すことを説いていました。一九四三年にドラッカーは、当時世界最大のメーカーであったゼネラル・モーターズ(GM)の組織調査を許される機会を持ちました。その折、名経営者アルフレッド・P・スローンが分権的経営を採用しており、管理者、従業員のヒアリングを隅々まで行って考察した結果、組織の特性を分析することができたのです。

組織の権限は分散させる方が良いと言うのは、松下幸之助も同じようなことを言っている。体が弱かった松下は嫌でも、部下に権限委譲するほかなかった。そうすると思いのほか、部下が頑張り成果を上げることに気づくことになる。組織はコンパクトな方が良いと言う考え方は最近でも『ティール組織』という書籍でも論じられており、今も昔も変わらないのだと思った。

人間たる要件

人格や才能に、経験的要素が合わさって育まれた人間たる要件として、次の三点を挙げておきましょう。まず、自己啓発や周囲に対して挑戦的意欲が高いという点が、ドラッカーと松下ともに挙げられる資質ではないでしょうか。こうした見方は、世間で大成する人すべての要件に当てはまるかもしれません。幸運、不運、遭遇する社会の事象はさまざまです。しかし、どんな境遇になっても、とにかくつねに前向きであることが第一の要件でしょう。ドラッカーの場合、その家系と遺伝的要素からいっても、大学への入学は困難ではなく、ゆえにそれは挑戦的動機を与える目標にはならなかったようです。ドラッカーは明確な意志で、実業の世界を選択しました。両親への義務感から学位も取得していきますが、ドラッカーにとってアカデミズムの世界は当初から目標の場ではありませんでした。ナチズムに対する徹底した 反駁 も、ドラッカーの人間的資質として、挑戦的意欲を有していた表れであったといえるでしょう。そうした天性の意欲は、松下も共通しています。松下の実業人としての出発もまた恵まれたものではありませんでした。しかし松下は、奉公人という身分であっても、よき丁稚であろうとし、大阪電燈のサラリーマンになっても、よき工員であろうとしました。要は目前の仕事につねに意欲を持って取り組んだのです。簡単なことのようですが、実際はそうではありません。多くの人は打算が働き、報酬や地位を意識するものです。

挑戦的意欲を高く保ち、どんな境遇にあっても前向きに努力する姿勢は僕らの目指すところ。ピーター・ドラッカーと松下幸之助から学ぶ仕事への姿勢は僕らのモチベーションとなること間違いなし。幾多の困難のなか、チャンスをものにしていくには十分な準備が必要。

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