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「新訳 ”自分らしさ” を愛せますか」自分らしく生きるための処方箋がここにある

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理想の教師は、まず自分が橋になって生徒を渡せる。それから橋を壊し、今度は生徒自身に橋をかけさせる。

(作家 ニコス・カザンザキス)

この本も橋の役割を果たしており、受け入れられるものもあれば、無視されたり、拒絶されたりする橋もあるだろう。南カリフォルニア大学で開講していた愛やいのちの大切さについての講義「愛の授業」。この「愛の授業」をまとめたのが、本書です。

個性が大切

私たちはわが子を自分とそっくりな人間にしたがる。つまり不満を抱え、心を病み、ものごとを正しく見聞きできないのに、テストの点だけがいい人間にしたいのだ。

自分に個性があると認識していても、それだけで終わらず、個性をさらに伸ばそうとする。個性を傷つけようとするものとは断固として戦う。お絵描きの時間に「今日は木を描きましょう」と先生が言い、お手本を見せる。どうみてもペロペロキャンディーだったので子供たちがそれを指摘する。しかし、結果A評価をもらえるのはこのペロペロキャンディーを描いた子達だ。こうやって少しずつ型にはめられていき、個性のない大人が育つ。僕は統合失調症が発病してから10年以上たつが未だに幻聴に悩まされている。しかし、ありえない声が聞こえるのも個性と割り切り、幻聴は友達に昇格。幻聴による不安は日に日に少なくなってきている実感がある。(調子が悪い時は相変わらず思考停止状態になり何もできず立ち尽くしてしまうが…)

愛の反対は憎しみではない

愛の反対は憎しみではなく、無関心だ。誰かを憎むということは、その人になんらかの感情を抱くということで、憎悪はコミュニケーションの一つと言える。大森靖子の『SHINPIN』という楽曲の歌詞の中に〝嫌いな人すらいなくてとても…さ.み.し.い.です〟というフレーズがあり。全くその通りだと思った。SNS社会の今、上手に世間を渡り歩くためには、嫌な奴でも繋がりがないよりマシってことか。そう考えるとSNSどっぷり生活も案外心地よく感じるものなのかもしれない。

大切だと感じるもの

大切だと感じるものは人それぞれだろう。学歴、家や車や服など様々だがこの本の著者はチョット違う。一番大切なのは、「今ここで自分が呼吸していて、人生を生きていること」だという。こう思えるには達観が必要。

小説家ニコス・カザンザキスは書いている。「絵筆はある。絵具もある。楽園に行きたければ、自分で描けばいい」と。そのとおり。オレンジ、マゼンタ、青、紫、緑、黄—色とりどりの絵具であなただけの楽園をつくりだそう。本当に大切なものは、自分の人生なのだ。

大切なことを理解するための10のキーワード

  • 正しい知識——人生の旅に必要な道具となる
  • 知恵——これまで積み上げてきた知識で、「いま」の自分を発見するためには知恵が必要だ。
  • 共感——自分と違う生き方の人にも理解を示してていねいに接する。
  • 調和——人生の自然な流れを受け入れる。
  • 創造——新しい選択肢、地図になかった道を見つける。
  • 強さ——恐れを振り払はらって立ちあがり、先行きが不透明で、勝算や見返りがなくても歩き出す。
  • 平安——大切なことをみきわめて集中できる。
  • 喜び——いつも歌と笑いと踊りがそばにある。
  • 愛———人間が到達できる最高のレベルの意識へと導いてくれる。
  • 統一——自分自身、そしてすべてのものと一つに融合していた出発点に戻る。

「外向きの旅」と「内なる自分への旅」

「外向きの旅」とはものをたくさん持ちたがったり、金持ちになりたい、ビッグになりたい、他の人より上に立ちたいと必死になることだ。そういった欲求を満たすためのツールとしてFacebookやInstagramが人気を博して行ったのだろう。しかし快適な生活のためには、必要ないモノやコトが多く、快適に過ごすためという目的が、欲求を満たすために変わってしまっていて、ある種の依存症のようになっている人もよく見かける。そこで「内なる自分への旅」私たちの価値は、持ち物の量では決まらない。それに私たちはみんな、いずれ死んでいく。有名人でも、学歴が高くても、犯罪者でも、最後は死ぬ。死は平等にやってくるのだ。それに抗うかのように不老不死や寿命を伸ばすための医学の研究が行われ、金持ちがこぞって最新医療を受け大金を支払う。大金は払いたくないが最先端医療は受けたいというわがままな人にも、保険という手がある。もちろん病気にかからなければ無駄になるが…

人生はリスクがあるから面白い

希望とは絶望のリスクを冒すことであり、挑戦とは失敗のリスクを冒すことだ。人生最大のリスクは、何のリスクも冒さないこと。自分からは何も行動せず、何も持とうとせず、何者にもなろうとしないことだ。それで苦しみや悲しみは避けられるかもしれないが、学び、感じて、成長することはできない。もちろん愛すること、生きることもできないだろう。

真の自由は、リスクを恐れずなんでもやってみること。何をするにも遅すぎることはない。僕のブログも20代の時に始め、書くことがなさすぎて挫折(その時はDreamweaver使ってました)。40代になってもうおじさんだけどWordPressの存在を知りブログを再開。毎日せっせと更新しております。

愛の授業で自分を見直すとずいぶん自分に負荷をかけていたなあと感じるようになった。自分らしく生きるための処方箋がここにある。

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