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『創造的脱力 かたい社会に変化をつくる、ゆるいコミュニケーション論』

従来の社会システムの多くは、耐用年数がすぎ、人や組織の在り方を窮屈にしている。多様なスタイルや解放的な文化をつくりだしていくには、この「かたい社会」のシステムや人間関係を、中心ではなく周辺部分からゆるめていく脱力的なアプローチが不可欠だ。ゆるい就職・NEET株式会社・鯖江市役所JK課……脱力的で実験的なプロジェクトの実態と、携わった当事者の生々しい感情の交錯から「新しい何か」の萌芽を探っていく。

みんなストレスを溜めている

やっぱりみんなストレスはけっこう溜まっているみたいで、他人のちょっとしたミスや失態はとことん追求して責め立てたい。自分が上がれないのなら、周りを下げるしかない。自分が変われないのなら、周囲の変化を嘲笑うしかない。なにもない、なにもしない自分の存在を正当化することばかり、上手になってきているような気もするのです。おそらく、この国の経済は、もうそんなに拡大したりしないのだと思います。分野や業界ごとの短期的な上がり下がりや、それぞれの栄枯盛衰はあっても、全体的にガリガリと増えたり成長したりしないはずです。とりあえず今日頑張っておけば、自動的に明日は良くなっている、なんていう経済成長に支えられた上りの時代は、確かに終わりました。

これからはAIなどによる新技術で盛り上がる業界はあれど、全体的に見れば低成長もしくはゼロ成長というのがこれからの世の中になってくる。そんな中、医療の発達で、寿命だけが100歳時代に突入し特に大きな疾患がなければ長く生きるのが当たり前となり、老後と呼ばれる期間が大幅に伸びてきている。世の中では相変わらず、人の失敗に食いついて引きずり下ろすような風潮が強まり、窮屈な世界が広がっている。人を叩くことで自分の存在している位置を相対的にあげる行為は、防衛本能なのか?そんな世の中で新しい何かを生むには「ゆるさ」を身につけなくてはなりません。

かたい社会に変化をつくる

ここのところ、「ダイバーシティ」(多様性)という言葉がよく用いられます。これはもともとアメリカから輸入された概念です。アメリカには、人種や民族や宗教の異なるさまざまな人たちが暮らしており、それが原因で血を流す争いや衝突を繰り返してきたという歴史があります。そのため、お互いの違いをどう受け入れ、認め合い、どう活かしていくかというのは常に大きな問題だったようです。これに対し、日本は基本、単一民族的な島国で、人種や宗教をめぐる激しい対立などは現代ではほとんどありません。そのせいか、日本ではダイバーシティというと、女性も男性と同じように社会参加できるようにしようとか、障害者も健常者と同じように働けるような環境を整えようといった話が中心になりがちです。本来は「さまざまな違いを活かす」ことがダイバーシティ開発なのですが、日本ではどうも「できるだけ違いをなくすこと」というニュアンスでとらえられてしまっていることが多いようです。このような背景の違いもあって、欧米で語られるダイバーシティには一人ひとりの個性や価値観、ライフスタイルの多様性も議論に含まれますが、日本ではまだ、あまりそういったことには言及されません。

この本が書かれたのが2015年なので2年の月日が流れている。現在ではダイバーシティの意味合いも随分と理解が進んでいるのではないだろうか。しかし、相変わらず就業の形態は週休二日の正社員が一般的であり、働き方改革の名の下に改革が進められようとしているが、相変わらず末端では厳しい就労状態は解消されておらず、宅配業者はが業務の改善に乗り出したがまだまだ改善に余地がありそうだ。ZOZOが配送料を0〜3000円の範囲で消費者が値段を設定できるサービスを始めた。何割かの人はタダを選択するが申し訳ないと思う人が一定数いるせいか有料を選択する人も。Amazonをよく利用する僕としては、翌日配送は神のようなサービス。それがプライム会員になって年会費を払えば送料無料(一部マーケットプレイス等送料がかかる場合もあるが)で常時利用できるなんて安すぎると思う。大事な商品が配送員のストレスで乱暴に扱われたりしないよう、サービスに見合う料金をしっかりとって、待遇の改善につなげるべき。

JKが主役のゆるいまちづくり

「自分たちの悩みからサービスが生まれることに気づいたということですが、みなさんは他に鯖江しで暮らしていてどんな悩みがありますか」これに対して、あるメンバーが「そういえば、朝の通学で利用している市営バスが、始業二分前に学校の前に着くので、教室に入るのがいつもギリギリです」と口にしました。この答えには、同席していた牧野市長が驚いたようで、「えっ?いつから?もっと早く教えてよー」といって、サービスの改善をその場で約束しました。

いかにも学生らしい要望だ。他にも「週休四日・月給一五万円」を売りにしたゆるい就職やニートだけのゆるすぎる会社、NEET株式会社など実験的なプロジェクトを紹介。

ダイバーシティを浸透させるにはこのレベルまで社会に寛容になってもらわなければという指標がここに見え隠れすると感じた。

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