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「ビジネス書を読んでもデキる人にはなれない」ビジネス書界隈の現状を垣間見る

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この本を読んでも、仕事の効率が10倍アップしたり、年収が10倍に増えたり、お掃除するだけでときめいて暮らしがハッピーになったり、心に響くマーケティングの真髄を会得できたり、読書をすることでレバレッジがかかって、スキルが飛躍的に向上したり、ブルー・オーシャンに向かって漕ぎ出す新規事業のスタートアップに役立ったり、提案資料が上司や顧客に刺さりまくってプレゼン連戦連勝したり、人生の成功者となって執筆や講演活動をメインにセミリタイア生活が送れたり、金持ち父さんになったり・・・・・・と挙げていけばキリがありませんが、その手の効能は、おそらく一切期待できません。

「はじめに」の部分の引用だが、ビジネス書によくあるパターン、とくに上記の例に挙がってる書籍は「多分あれのことだろうな」と読んだことのある人は想像できるだろう。昨今のビジネス書界隈の話題を斜めに切り取り大まかに見ていこうという書籍。KindleUnlimited読み放題書籍です。

ゼロ年代のビジネス書幻想

出版社としては、現実問題としてとにかくアイテム数を確保しないと商売が成り立たないので、そこそこ面白そうな書き手であれば、取り敢えず一冊書かせてみる。ビジネス書を名刺代わりの1冊にしたいため新たに著者になる輩も大勢いる。こういった自己承認欲求をギラつかせパーソナルブランディングの道を突き進む輩が妙に鼻についたりする。本を1冊出版し、「アマゾンキャンペーン」を張りランキングを上げ箔をつける。そうして帯や広告には◯◯部突破、やアマゾン◯◯部門で1位といったフレーズが踊る。それを真に受けた僕のようなコンプレックスのある人間が「何かためになることが書いてあるのでは?」とビジネス書を買いあさるといった構図。

自己啓発本・成功本におけるお約束のストーリー

【1】ザックリとした問題提起(前振り)

【2】歓迎、鼓舞、共感や仲間意識の醸成

【3】対処・対応すべき対象=目的・目標の特定

【4】目的意識の強化。対応・現実するために何をすべきなのか

《ここらあたりで、各論へ。具体的な対応や手法の紹介、解説などが入る》

【5】スケジュール(時間管理)やコスト意識の重要性、継続のメリットを力説

【6】主題の念押し、激励と送り出し

確かにビジネス書や自己啓発系の本も結構な数読んでいるとこういった構成の本はよく見かける。【1】〜【3】あたりは情報商材の販促ページやネットワークビジネスの勧誘ページでも散見するパターンだ。『思考は現実化する』『巨富を築く13の条件』のナポレオン・ヒルや『人を動かす』『道は開ける』のデール・カーネギーなどの影響を受けた著者たちがそれをベースに焼き直して書いているからだろう。

ビジネス書というビジネス

あざといなと思うのは、ビジネス書のタイトルと表紙の帯。極端な表現、煽る言い回し。「あなたを変える」「絶対うまくいく」「効率10倍アップ」「年収10倍」「ラクに儲けて年収◯◯◯◯万円」「だれでも△△になれる」「成功するための」「20代のうちに」「課長になったら」などなど。いざ買って読んでみたら、タイトルや帯に書かれている内容は1割未満何てことも多々有る。リアル書店で立ち読みしたり、アマゾンでレビューや本の内容紹介参考にしても、ビジネス書には他のジャンルと比べハズレが多い気がする。

ビジネス書作家たちは横の繋がりが強く、ある作家が著書を出せば自分のブログで紹介し、絶賛のコメントを書き連ねます。もちろん、その絶賛コメントを書いてくれた作家が著書を出せば、お返しとばかりに、さらに上をいく礼賛コメントで褒めちぎったり。有名どころのビジネス書作家たちはみんな知り合い、お友達といった風情。周辺にはビジネス書作家ワナビーたちが信徒のごとくつき従い、彼ら彼女らに憧れの眼差しを送る……外野から見ていると、どこか白々しく、薄ら寒く感じてしまうことがあります。まあ、そこはかとない仲間はずれ感を私が勝手に肥大させてるだけかもしれませんが。

ビジネス書に限らずとも、作家同士の横の繋がりは帯を見ればわかる。だれが絶賛しているから読んでみようと思うことはあれど、読んだ後の感想はシビアにいきたいと思う今日この頃でした。

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