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「助けて」が言えない|松本 俊彦|SOSを出さない人に支援者は何ができるか

明らかに助けが必要なのにSOSを発しない人がいたらあなたはどうしますか?依存症、自傷・自殺等、多様な当事者心理をどう理解し関わるか?

「医者にかかりたくない」「薬を飲みたくない」

治療・支援を拒む心理をサポートする

佐藤さやか  国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所/臨床心理学

一五年あまり精神科医療の現場にいると、「治療中断」や「拒薬/怠薬」という言葉にすっかり慣れてしまう。これらの言葉の背景にあるのは、「診察を嫌がったり、薬を飲まなかったりするのは、手のかかる困った人」という支援者側の認識である。  しかし、こうした行動があるのは精神科医療の当事者ばかりではない。

すでによく知られていることだが、アドヒアランスを取り巻く課題は慢性疾患全般に当てはまる。世界保健機関(WHO) は長期にわたる治療へのアドヒアランスを「医療保健ケアの提供者の勧めに同意して、服薬したり、ダイエットをしたり、かつ/もしくは生活スタイルの変容を達成する、といった人々の行動の度合い」と定義している(薬に関する行動だけではなく、医師をはじめとする専門職の推奨するヘルスケア行動全般を対象としていることに留意したい)。そして、ぜんそく、緩和ケア段階のがん、うつや双極性障害、糖尿病、てんかん、HIV、高血圧など、多くの疾患でアドヒアランスが完全には満たされていない状態が生じていることを報告している。

さらにいえば、医療機関の受診や服薬をできるだけ避けたいという感覚は、病気や障害をもつ人だけに限ったものではない。わが国を含む東アジアの国々はもともと補完代替医療(Complementary and Alternative Medicine:CAM) に親和性が高く、とくに慢性的な不調を感じている人がそれを選択しがちであることが指摘されている>。また、「医薬品および医療に関する意識調査 結果報告書」によれば、国の人口推計をもとに性や年代比を調整した一五〇〇人を対象とした調査で、「普段、あなたは、風邪ぎみや腹痛等のような体の変調を覚えた時、最初にどうしますか」との設問に、「休養をとったり、栄養のあるものを食べたり、体を動かしたり(運動)して様子をみる」と回答した人が五〇%、「まず市販の薬(一般用医薬品)を使い、様子をみる」と回答した人が四〇%だったのに対し、「とにかく医者に行き、診察を受け、薬をもらう」と回答した人は九%に過ぎなかった。つまり、「医者にかかりたくない」「薬を飲みたくない」心理は、私たちの多くがもちうるものなのである。

僕自身も精神科に通っているのだが最初は行くのに抵抗があったし、さまざまな国のサポート制度があるのにそれを拒んだりしてきた。今ではきちんと通院しているのだがやはり精神科というのはハードルが高い。僕は入院が必要なほどの症状だったので、なおさらそのような状態で通院しないでいると取り返しのつかないことにもなりかねない。なので家族や友人に精神科や心療内科を勧められたら素直に行くべき。

未受診統合失調症当事者の現状

米国の調査では、統合失調症と診断される者のうち少なくとも四〇%は継続的な支援を受けておらず、五〇%もの患者が精神科治療を受けていなかった。また、治療中断に関しては、統合失調症患者の約三分の一が治療開始から九年以内に治療から脱落していた。一方、日本においては、医療に結びついていない統合失調症と診断される者がどの程度存在するのか、その実態はいまだ正確には把握されていない。

未受診の統合失調症当事者が精神科医療につながりにくく、またその実態が明らかになりにくい背景には、病識の乏しさや病気の否認、パブリックスティグマやセルフスティグマによる低い治療アドヒアランス、妄想等の精神症状による他者への強い不信感、家族システムの病理・脆弱性等による家庭に他者が関与することへの拒否といった、さまざまな要因が重複して存在している。こうした要因により、精神的な異変があらわれていても長期間放置され、近隣への迷惑行為や逸脱行動等の問題が顕著となるまで周囲からは把握されにくい。また、精神疾患であることを周囲に隠すために当事者・家族が近隣住民との交流を避けたり、迷惑・逸脱行為等により地域で孤立していたりと、社会に包摂されていないことも多い。

僕の場合は同じ統合失調症でもその力が内向きに発するタイプなので幻聴や幻覚、発作が起きても迷惑になるようなことはあまりなかったが、仕事は続けられなかった。襲い掛かるものすごい不安によって職場にいることがままならず家に帰ってきてしまったりして迷惑をかけた。会社では休職を勧められたが、職場に問題があるのかもと転職。しかし同じような状況に陥り転職先でもうまくいきませんでした。それから今まで通院生活は長きにわたって続いていていまだに幻聴は収まることを知らない。不安についてはさまざまな書籍を読んでたどり着いた「不安の9割は実際には起こらない」という事実を頭に叩き込むことによって幾らか緩和されコントロールできるように。

未受診の精神疾患患者を街で見かけると自分に重ねて心苦しくなる。彼らは誰に頼る事もなく、社会から阻害されて日々過ごしているわけだが、開かれた医療やサポートを受けるよう周りの人による説得が必要。

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