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世界が尊敬する日本人100人に選ばれた禅僧が語る図太さとは?

嫌なこと、つらいことに押し潰されないたくましさ。苦しい状況や困難な局面に置かれても、折れたり、へこんだりしないやわらかさ。その瞬間は落ち込んだり、めげたりしても、すぐに立ち直れるしなやかさ。自分に批判的な周囲の声に接しても、「まあいいか」と受け止めることができるおおらかさ。「図太さ」を手に入れるための禅思考とは?

禅は「比べる」ことをもっとも嫌う

他人に比べて自分は劣っているという思いは、心を縮こまらせますし、悩みや苦しみにも繋がっていきます。しかし、よく考えてみてください。自分より仕事の能力がある同期を羨んだら、自分の能力は高まりますか?綺麗な彼女を妬ましく思ったら、自分が美しくなるでしょうか。答えは「否」でしょう。他人と比べたところで、自分は何ひとつ変わらないのです。知って欲しいのはこの一点です。そして、それが劣等感から抜け出す唯一の方法でもあるのです。

他人と比べることをやめると心がゆったりとしてきて好循環が起こります。外に目を向けることが少なくなる分自分の内面に目を向けることができるように。自分を見つめる時間は増え、過去の自分と今の自分を比べる余裕が生まれます。「以前の仕事では段取りが悪くスムーズにことが運ばなかったけれど、今回は最後までスムーズに遂行できた。少し仕事のスキルが上がったかな?」という具合に自分を見つめ以前の自分と比較する。できなかったことができるよようになるのは心の糧となりますし、自分を飛躍させる原動力にもなります。自分の内にこそ、比べるものがあるということです。

何かに没頭しているとき、人は恐れを抱かない

「一行三昧」真っすぐな心を持って、ひとつのことに全力を尽くす、という意味です。あらゆることにこの一行三昧で臨む。それが禅のふるまい方であり、禅の生き方そのものといっていいと思います。別のいい方をすれば、「そのこと」と「ひとつになる」ということです。

物事に一心不乱に取り組んでいて「もうこんな時間かぁ」と時が経つのを忘れたという経験をしたことがあることだろう。その時、結果について考えていただろうか?おそらくその仕事で上司に褒められるかどうかについて考えたり、ライバルに勝つことを考えたりと言った邪念は一切なかったのではないだろうか。結果は後からついてくるものであって決して自分から求めるものではない。自分の力で結果をコントロールすることは不可能なので、そこに気づき真っすぐな気持ちで物事に取り組み全力を注ぐ。そうすると結果がどうであれ、受け入れることができるように。数値的に誰かより勝っていようと、そうでなかろうと評価に対しても無欲でいられるのです。

自分の無意識な「我」をへし折る方法

自分の意見や見解にこだわる人は、他人を認めることができません。

通常の会話でも相手の話に被せてきたり、議論やディベートでも、相手を言い負かし、自分の正しさを主張し、持論を展開する。しかし、絶対的な正論などありません。こういった人は、誤りを指摘されることにめっぽう弱い。鼻をへし折られた途端消沈してしまい心の弱さが露呈します。一方、人との関わりの中で生きることを知っている人は、他人を認め、その意見にも耳を傾ける余裕があります。自分の意見を持っていたとしても、それに執着することなく、周囲の意見を取り入れ、調和の中に落とし所を見つけます。

「一人の時間」を持って、自分を見つめ直す

今はSNSを介して、終始誰かと繋がっている。はっきりいえば、繋がっていないと不安なのです。そこで、夜、自宅に戻ってからもスマートフォンを手放さず、送信やら返信やらに夢中になっている訳です。

SNSがコミュニケーションのインフラとなっているのは否定しないが、学生でもないいい大人が一日中LINEの夢中になっているのを見るとなんだかなあと思う。自分の時間を確保するために一日のうちこの時間帯はLINEをしないなどと宣言するのはどうだろう。群れるのはぬるま湯に浸っているようなものだから、そこから抜け出すのは少し思い切りが必要かとも思いますが、そのぐらいの図太さを持っていた方が自由を手に入れられる。自分の大切な時間を他人に振り回されないためにもSNSの断捨離は効果を発揮するものだと思います。いかに主体的に時間と向き合うか?時間に使われるのではなく、時間を使い切るといった意識を持つと良いかもしれません。

「怒りは敵と思え」〜徳川家康

「腹が立ったら、何かいったり、したりする前に一〇まで数えよ。それでも怒りが収まらなかったら、一〇〇まで数えよ。それでもダメなら一〇〇〇まで数えよ」米国の独立宣言を起草して第三代大統領となったトーマス・ジェファーソンの言葉です。この箴言は家康の言葉とピタリと符合します。

近頃、アンガーマネジメントの書籍も多く出ていますが、この言葉ひとつに集約されていると思います。相手に怒りを覚えても相手を変えることはできないので、自分が変わるしかない。しなやかな心で接することができるようになれば、「この人はこういう人なんだからしょうがない」と受け流せるようになります。

「人間関係」「お金」「情報」も「モノ」と同じように図太く見切って行きましょう。心を窮屈にする一番の原因が柵です。それを断ったり、手放すことは心を自由にしていくことに他ならない。禅思考で図太くなることで心のゆとりを手に入れてみませんか?

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