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業界30年の著者がマンションに関する様々な疑問に応えます

      2017/05/24

「マンション」と呼ばれる鉄筋コンクリート造の集合住宅に、日本人が本格的に住み始めて約60年。今や大都市では主流の住形態だ。この新しい住まいは日本人を幸せにしたのか。これからも幸せにするのか。そもそも、日本人はなぜマンションに住み始めたのか。分譲マンションの区分所有という権利形態に潜むリスクとは何か。マンションに関するあれやこれやを徹底解剖。

日本人は新築好き

日本で売買される住宅は新築が主流だが、アメリカやイギリス、フランスでは、中古が基本。イギリスでは、売買される住宅の約八六パーセントが中古。アメリカでも約九割。この傾向は他のヨーロッパ諸国でも同じはずだ。欧米では、若い夫婦が購入する住宅のほとんどが中古である。それに比べて、日本は八割以上が新築。日本人は、異常なほど新築好きなのだ。

最近ではマンションの耐用年数は50〜100年と言われるようになって来た。35年ローンで購入するのにリスクが伴う。大企業でも安心できない今、公務員ぐらいしか35年ローンを組める人はいないのではないかとすら思われる。最近では、中古マンションをリフォーム、リノベーションして住む人も徐々に増え始めている。マンションの耐用年数が上がってきているので内装さえ変えれば十分住めることが認知されてきたからだろう。水道などの配管などはそこまで持たないがそれも修繕でなんとかなる。よく大規模修繕などで外壁を修繕するのに足場を組んで修繕積立金を費やす場合があるが、多くの場合はそこまで必要でないと著者は指摘。外壁が剥がれ落ちるほどの劣化はなかなか起こらないということだ。

民泊禁止の難しさ

最近、民泊が話題になっている。まず、日本にやってくるインバウンド(海外からの旅行客)が急増した。その結果、足りなくなったのが宿泊施設。東京や大阪、名古屋などの大都市では一時期「ホテルが取れない」状態になっていた。そこでにわかに脚光を浴びたのが「民泊」。ホテルや旅館ではない普通の住宅に、有料で旅行客を宿泊させる、というもの。アメリカに本社があるAirbnb(エアービーアンドビー)という企業がネット上でホスト(宿泊施設提供者)とゲスト(宿泊利用者)を結び付けるサイトを作り、世界に広めたことで一気に利用者が増えた。日本でもここ数年で爆発的に増加している。

家を貸し出すホスド側からしてみれば、賃貸に出すより民泊用として活用した方が高い収益があげられる。Airbnbの1泊の料金は月額賃料の1割で、1ヶ月のうち20日稼働すれば賃貸に出す場合の2倍の収益が見込まれる。そんなこともあってか急激に普及した。しかし、ある時自宅マンションに帰るとエントランスロビーには外国人が!?マンションの共有施設のスポーツジムには知らない外国人で溢れ、パーティールームでは夜な夜な外国人が大騒ぎなんて迷惑千万な事態に陥ることも。こういった事態に陥らないため、対策として、「管理規約での民泊禁止」を盛り込むことが挙げられる。特別決議として全区分所有者の4分の3の賛成が必要であるため、多くの分譲マンションでは困難を極める。建て替えのハードルが高いのと同じである。

管理という利権

一〇〇戸のマンションなら、全戸から徴収する管理費と修繕積立金の総額は年間で四〇〇〇万円近くになる。築一〇年を過ぎると、管理組合の銀行口座に積み上がった修繕積立金は一億円を超えるだろう。それをどのように使うか。どこに何を発注するのか。そういったことを決める権限は、実質的に理事長が持っている。

何しろ1億円という大金である、悪意ある人間が理事長に就任したりすると目も当てられない。自分の息のかかった会社に修繕やなんかの工事を発注して何割かをキックバックさせるなんて輩も出てくる。そうならないためにも、自分のマンションは大丈夫だなどと安心せずに民主主義の前提である適切な監視を行う義務を全区分所有者は負っていると自覚した方が良い。

そうした癒着が起こらないよう理事会位メンバーは1年毎の持ち回りとしているマンションも多い。僕のマンションも定期的にメンバーが変わる。しかしこれにはデメリットもあり、皆が事なかれ主義となってしまい、管理会社からの提案を右から左へと可決してしまう状態が起こってしまうことも。結果10数年が過ぎて大規模修繕工事の時期に入ると、管理会社が外注で工事を発注し、粗利を2割から4割も取っていくというのが業界の常識となっている。つまり管理会社にボラれているケースが案外多いということ。

「買わせる」「ハメ込む」「殺す」

不動産業界に生息する人々の感覚は、エンドユーザーにマンションを「買っていただく」というよりも「買わせる」というものに近い。販売センター内でのスタッフのやり取りを聞いていると、如実にその意識が感じ取れる。「この最上階の高いところは、あの医者に買わせよう」「この安いところは、年収の低いあの〇〇さんをハメるしかないな」「××さんは予算〇〇〇〇万円とかいっているけど、自己資金を溜め込んでいるからもっと高いのを買わせよう」

こういった「買わせる」「ハメ込む」といった不動産業界者に、「買っていただく」という謙虚な意識はほとんど感じられない。マンションの購入に限らず、不動産業者は信用ならないと肌で感じたのは、賃貸物件を探していた時のこと。ネットで事前に目をつけていた物件を見に行こうとしたが、店舗に赴いたら、別の物件を勧められる。そこは某市の市長が立てた賃貸マンションだった。何も知らなかった僕は金銭的にはきつかったけれど結局そこに決めてしまった。(すぐ退去したけどww)

マンション購入や、大規模修繕、様々なトラブルや疑問に長年業界をウォッチしてきた著者がわかりやすく説明している書籍。マンション購入を考えるときに読んでおくと幅広く知識を得られると思います。

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