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ウォーレン・バフェットの「仕事と人生を豊かにする8つの哲学」|桑原 晃弥|資産10兆円の投資家は世界をどう見ているのか

「ものの見方」「考え方」「守備範囲」「リスク対策」「習慣」「お金のルール」「時間管理」「自分磨き」の8つにカテゴライズしてバフェットの哲学を解説。なぜコロナ禍の今、日本の商社に投資したのか?コロナ禍でも利益を出す秘密を解き明かす。

見るべきは株価ではなく成長性やブランド力買うべきは株券ではなく永続的に収益を生んでくれる事業である

ベンジャミン・グレアムによると、あなたが企業に投資をすると、そこにはもう1人の共同出資者「ミスター・マーケット」(『賢明なる投資家』ベンジャミン・グレアム著、土光篤洋監修、増沢和美、新美美葉訳、パンローリング)が付いてくるといいます。ミスター・マーケットの役目はこうです。彼はあなたの持ち分の現在価値に関する自分の考えを毎日教えてくれ、時にはその価格であなたの持ち分を買い取ってもいいし、同じ単位で持ち分を分けてもいいと提案します。その評価は適切に思える時もありますが、時には理性を失い常軌を逸した提案をしてくることもあるといいます。ミスター・マーケットはグレアムが創造した架空の人物です。この人物は株を売買して、時に適切な価格を付けることもあれば、時に不合理な価格を付けることもあります。こうした気まぐれに付き合って、一緒になって一喜一憂したり株の売り買いをしてはならないというのがグレアムの考え方です。

バフェットも同じです。グレアムの時代以上に、今はたくさんの情報が溢れ、株価の動きもまさに秒単位、分単位で動き、投機家はその動きに一喜一憂しますが、バフェットはたとえ何百、何千という株価を目にしたとしても、ほとんど関心を示すことはありません。

そんなバフェットにとっては、 15 年勤めたソロモン・ブラザーズを 39 歳で解雇され、総合情報会社ブルームバーグを創業したマイケル・ブルームバーグが世に送り出し、大ヒットしたブルームバーグ端末も不要のものでした。

部下3人と起業したブルームバーグが手掛けたのは、自身の金融とコンピュータの経験が活かせる証券データの収集サービスであり、数学の素人でもわかる情報分析の提供でした。当時、金融や証券に関わる中小企業や個人は多額の費用をかけて情報を集め、算盤や計算尺、電卓で処理していただけに、高度なシステムを、使いやすく提供するブルームバーグのサービスがヒットしたのは当然のことでした。

証券市場で勝つためには情報こそが命であり、いかに速く正確に情報を手にするかはみんなが望んでいたことでした。メリルリンチを皮切りに多くの企業が導入するなか、当然、バークシャー・ハザウェイにも売り込みがかけられます。同社の社員が3年にわたって売り込みをかけましたが、バフェットの答えは常に「いらない」でした。

バフェットにとって、市場を分単位で追いかけ、コンピュータを操作して売り買いをすることは、投資の手法ではなかったのです。

テクニカル分析や数々の指標をもとに株価の変動で自動売買するような投資手法はそもそも投資ではない。確かにいかに利益を出すかを追求してプログラミングで利益を得る手法はあるにはあるが、完璧にどの時期でも結果を出すプログラムというのはないと言ってもいい。たまたまそのプログラムが時期的にマッチしたことにより利益が出ただけ。なので絶対にこうした自動売買のシステムとかを高額で買うのはやめた方がいい。詐欺みたいなものも多いので。バフェットにとってこのような売買は投資の手法ではないのです。

会話は最低限、手帳は真っ白

ビル・ゲイツにとって、バフェットは最良の相談相手の1人です。バフェットはマイクロソフトに巨額の投資を行っているわけではありませんし、ブリッジ以外にコンピュータを使うこともありません。ゲイツも巨額の資産は持っていても、その資産をバフェットに依頼して投資によって増やそうとは考えていません。その意味ではお互いにビジネス上の付き合いはほとんどないわけですが、少し年の離れた友人同士としてお互いに相談を持ちかけることもあれば、アドバイスをすることもあるといいます。

ゲイツは本当に難しい局面にぶつかった時には、父親や妻のメリンダ(2021年に離婚) に相談するし、時にバフェットにも相談を持ちかけます。ゲイツによると、3人に共通するのは、ゲイツが興奮しすぎて判断を誤ったり、大事なことを忘れていたりする時に上手に修正してくれる点です。そんなゲイツにとって、これまでにバフェットから受けた最良のアドバイスの一つが次の言葉だといいます。 「本当に重要なことだけを選んで、それ以外は上手に『ノー』と断ることも大切だよ」(『バフェット&ゲイツ 後輩と語る』)

バフェットと初めて会った頃のゲイツはとても多忙でした。マイクロソフトのトップとして山ほど会議に出席し、夜になったら1日に400万通届くといわれるメール(大半は迷惑メール) の処理に取り掛かり、長い返事は夜に書きます。そして、1年の4分の1は海外に出かけ、休暇は年にわずか2週間しかありませんでした。そしてこの2週間をゲイツは「Think Week(考える時間)」と呼んで大切にしていました。

一方、バフェットは会議にはほとんど出ませんし、電話もほどほどの本数しか出ることはありません。コンピュータはブリッジ以外に使わないため、メールの相手をする必要もありません。結果、バフェットは「私の『考える時間』は、年に50週くらいかな」(『バフェット&ゲイツ 後輩と語る』)となります。そんなバフェットの手帳の予定表は真っ白でした。それを見たゲイツは、意味がないことには関わらない大切さを知ったといいます。

SNSで情報が飛び交う現代において情報は少ない方が逆にいい。判断を鈍らせるような無用な情報よりも大切な自分の意思を尊重する。人との関わり合いも一緒。バフェット率いるバークシャー・ハザウェイにはMBAはおろか弁護士や企画立案者、広報・人事担当、警備員も運転手もコンサルタントもいません。余計なものを削ぎ落とした結果そうなったのでしょうが、わかる気がする。自身の決定に自信があれば相談する人は少なくていい。誰のせいにもできない厳しさはありますが、そうやって自分を追い込んでいるのかも。

バフェットの仕事と人生を豊かにする8つの哲学。情報過多な世の中を乗り切るブレない哲学を見習ってシンプルに生きるための方法論がここに。

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