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The Art of Marketing マーケティングの技法|音部大輔|マーケティング活動の全体設計図を紹介

「パーセプションフロー®・モデル」というマーケティングの考え方を紹介し、活用方法から検証の方法まで仔細に解説。マーケティングの技法として頭の片隅に!!

消費者視点による理由:消費者のパーセプションと行動による「仕組み」にもとづく

売り上げは個数と単価で構成されているので、成長は消費者がもっと買ってくれるからか、あるいはより高い値段で買ってくれるからです。自明のことにもかかわらず、売り上げが消費者行動の結果だということをうっかり忘れがちです。売り上げが芳しくないときなどに消費者に目を向けることなく、営業にハッパをかけ、新商品を導入し、値下げに邁進することがあります。「兵は拙速なるを聞くも、いまだ巧久なるを 睹 ざるなり」という孫子の一節を「悪手でもいいから、とにかく素早く実行するのが正しい」と誤解し、猪突猛進してしまうのです。まるで売り上げが企業活動の直接的な結果であるような振る舞いは、活動と成果の間に消費者がいることを見失っています。危機感と責任感をもって身構えているときには厄災にはあわないものですが、「とりあえずなにかアクションをとらなくては」といった、反射的な活動が奏功するとは限りません。施策を投入するときには、「売るためにはどうしたらいいか」よりも「消費者が買いたくなるためにはどうしたらいいか」を考えるべきです。

パーセプションフロー・モデルは、消費者のパーセプションや行動が変化する「仕組み」にもとづいた施策・活動の立案や実行を促すので、目的の達成により近づくことができます。

芳しくない売上を営業のせいにするのはナンセンス。ネットやSNSが普及して商品の良し悪しを消費者がきちんと評価し比べ購入できる世の中では、営業努力より商品の最適化、サービスの拡充がものを言う。はっきり言ってもう営業に頼っている会社はダメだと思う。消費者は営業トークに惑わされ続けるほど馬鹿じゃないです。

目的を中心に置き、暴走やパニックを防ぐ

組織によっては、目的や戦略の議論をすることなく、一足飛びに施策の議論がなされることがあります。例えば、不調が続いているブランドの回復策の議論で、マネジメントの誰かが「やっぱり動画の時代だから、世間のみんなが驚くようなインパクトのあるおもしろい動画をつくろう」などと言いだすといったことです。なぜ「動画の時代だから」自分たちも動画をつくるべきで、「世間のみんな」とは誰で、どうして「驚く」必要があり、「インパクト」とは具体的になにを意味していて、「おもしろい」とはどういった状態なのか、言葉に勢いはあっても中身がよく分かりません。

とはいえ、マネジメントの指示なので、SNSなどでシェアされそうな動画をつくり、「いいね!」を集めつつもビジネスへの影響はほとんどなく、次の会議がやってくる頃にはマネジメント本人も指示を出したことすら忘れている、といった経験をされたことがあるかもしれません。

天才型の一部の経営者などには、こうした思いつきを頻繁に当てる人がいますが、きわめて例外的です。彼らは順序立てて話さないので、唐突な思いつきをしているように見えますが、事前にかなり考え抜いているに違いありません。常人の思いつきの施策など、そうそう当たるものではないのです。経験的に分かりやすいのでマネジメントの暴走を例にしましたが、暴走するのはパニックを起こし、思いつきにすがろうとする自分自身かもしれません。

全体像の中で、マーケティング活動に明確な目的を設定できていれば、こうした思いつきやパニックの可能性を減らせます。マネジメントに抗弁するのもパニックを起こした自分自身を抑えるのも簡単ではありませんが、客観的に示されている文書があれば冷静に議論したり、我に返ったりする可能性が出てきます。 「今回のプロジェクトで解決すべき点は、パーセプションフロー・モデルに照らすと、購入意向のある消費者に店頭で購入のきっかけを提供できていないことです。店頭でのひと押しとなる知覚刺激のアイデアが必要です。今日の会議で、リストアップしたいと思います」と会議の冒頭で明示すれば、暴走やパニックを抑えやすいでしょう。思いつきの意見が出てきても、少しの勇気で軌道修正できそうです。

そして、こうした前提を踏まえてつくる動画なら、うまく機能するように思います。店頭で気づいてもらうためには、消費者がおもしろいと思える動画はよさそうです。最後の「ひと押し」として「家族も気に入ってくれる」ことを動画に示すのは役に立ちます。「家族みんなで使えそうだから、買ってみようかな」と思ってくれるかもしれません。人は、自分のためよりも大事な誰かのために買う方が、財布の紐を緩めやすいものです。

「やっぱり動画の時代だから、世間のみんなが驚くようなインパクトのあるおもしろい動画をつくろう」という曖昧な指示も、パーセプションフロー・モデルで役割が明確になれば、有効に解釈できます。これなら、きっとビジネスにもポジティブな影響を与えられます。

経営トップの鶴の一声で現場が振り回されることは多々ある。動画の時代だからと動画広告を出すが反応が微妙で効果が得られない。特にSNSでバズろうと初心者が知恵を絞っても撃沈することがほとんどだろう。動画広告は既に経営トップがその存在を知った時点でレッドオーシャンで小手先のものでは効果を得られないなんてことの方が多いのが現実。コンサルに頼っても結果は得られず高いコンサル料だけが残る悪循環。

曖昧な指示に的確に答えるためのフローを事細かに解説。上司や経営トップの思いつきに惑わされることなくきちんとやるべき課題をこなすための方法論がここに。

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