74歳、ないのはお金だけ。あとは全部そろってる｜ミツコ｜51Blog｜日々のやりくりは年金と週3回のシルバー派遣の収入で

74歳、ないのはお金だけ。あとは全部そろってる｜ミツコ｜日々のやりくりは年金と、週3回のシルバー派遣の収入の8万円で「十分」

2022年3月31日

年金と週3のシルバー派遣の収入8万円で十分充実した日々をおくる著者。あるものに感謝し栄養ある食事と運動で健康維持さえできれば医療費もかからないので意外とやっていけるのだそう。お金がなくともこんな生活もあるんだという実例書。

月7万で十分暮らせる

今の主な収入は年金です。国民年金と厚生年金、夫の遺族年金を合わせて２ヵ月に１回約 14 万円、月にすると約７万円です。

厚生年金は主任牧師をしていたとき、教会が宗教法人になり、加入しました。最後の２年半だけでしたが、少しでも年金の額を増やそうと、がんばって保険料を支払いました。

夫と二人で年金だけで生活していたときは、夫の年金分５万円は生活費としては使っていませんでした。夫は糖尿病を患っていて、私よりも先に亡くなるだろうと思っていたので、自分ひとりの年金で生活できるようになろうと考えていました。

夫は、自分の年金を教会への献金と孫たちのお小遣いにしていましたが、夫の気持ちに任せていました。

牧師の家庭に生まれ育ったので、貧乏は慣れています。父は、家にお金がなくても、「うちよりもっと困っている人に分け与える」と思っていた人でした。

結婚した夫も同じようなタイプ。大学のチャプレンでのお給料も、学生さんたちを食事に連れていき、すべて使ってしまっていました。牧師にはそういう人が多いのです。

夫が主任牧師として新しく教会を立ち上げたとき、３年くらい謝儀（牧師の給料）を辞退したので、無給だったこともあります。子どももいるのにどうしようと思いましたが、クリスチャンは「必要があれば神様が与えてくださる」と考えるので、お金がなくてもどうにかなってきました。

とはいえ、神様が与えてくださるのは、最後の最後。ぎりぎりまでがんばって、「本当に困った」と途方にくれていると、不思議と「亡くなった父がお世話になったから、このお金を」などと思いがけない方から献金があったりして、助けられることがあります。

そんな生活だったので、「もっともっと」というよりも、あるものに感謝して、その中でどうにかする習慣が身につきました。だから、そういう頃に比べると、今はひとりでこれだけのお金を使えるので、「私ってお金持ちね」と思っています。

お金がないことを嫌だなと思うのではなく、その状態を楽しんでしまいます。たとえば、花は、ごくたまに１本しか買いません。でも、だからこそ、その１本の花が買えたとき、ものすごくうれしい。

お金があれば、いつでもたくさん買えるけれど、逆に１回の感動が薄まってしまいます。時々しかできないからこそ、喜びが深い。だから、少ないものでも幸せになれるのです。　今は、お金がないほうがむしろ幸せだとも思えるようになりました。

フリーランスとか会社を辞めたとか将来に不安を感じている人は読んでみると良いかも。お金に関する不安が和らぐ著者の生き方を参考にすればカツカツだが生活は可能。そんな少ない収入の中で楽しむ方法も。退職金が当てにならない時代なのでこうした知恵を持っていると安心できます。

日常生活の一つ一つを大切に

玄関に、夫がまだ生きていた頃に４人の娘とその夫、孫たちと撮った写真、孫たちの小さい頃の写真などを飾っています。

思い出を飾るという大げさなものではなく、みんなで撮った写真をしまっておくのがもったいないと思ったから。前の家では飾る場所がなかったのですが、この家に引っ越してきたら、玄関にちょうどよい場所ができました。

私が眺めて楽しむというよりも、孫たちが遊びに来たときに昔の写真を見て、「お、おれは、こんな小さかったんだ」なんて喜んでくれるのがうれしい。

孫たちは全部で 16 人で一番上は 24 歳、一番下は 1 歳半です。 24 歳の孫は市役所勤め、 22 歳の孫は消防士になるなど、働き始めた子もいます。公務員は安定していてよいとわかり、その下の孫たちも公務員を目指すようになったとか。いとこ同士で情報交換しています。

１Ｋの間取りの、台所と居室を隔てるガラスの引き戸は、ちょっとしたものを貼っておくのにぴったりな場所です。

姉や友人と一緒に行った美術館のチケット、教会員の方からもらった子どもの写真入りの年賀状、孫やシルバー人材センターの仕事で訪問しているお宅のお子さんからもらった手紙などを貼っています。

しまっておくとなかなか見ませんが、貼っておけば通るたびに目に入るので、楽しい。行った場所を忘れずに済みます。孫や子どもたちの手紙は、とくに心が温かくなります。

ひとり暮らしだけれど寂しくないのは、こんなふうに家族や教会員、シルバー人材センターの仕事先のご家族など、周りの人たちの温かい気配をいつも感じているからかもしれません。

ひとりだけどひとりじゃない、そんな距離感が心地よいですね。

自然と人が集まる人望がすごい。人との距離を詰めるのが苦手な部類の僕としては羨ましい。なんとなく距離を感じたらもういいやと思ってしまうのでなかなか人間関係を構築するのが難しい。家族も同じ。幸せな老後を満喫する様子が羨ましい。

お金はなくとも充実した老後を謳歌できる。それには人生においてやっておいた方が良いことがいくつかある。それを教えてくれる書籍。

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