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『簡潔で心揺さぶる文章作法 SNS時代の自己表現レッスン』

芥川賞選考委員で現代文学の旗手である著者が、古今東西の名著から豊富な事例を題材に、「人に伝わりやすい短文のテクニック」をアドバイス。教授を務める法政大学の講義「メディア表現ワークショップ」を基にしたSNS時代の文章読本。

Instagramに象徴される自己表出

たとえばインスタグラム。あれは発信者である自分が写っていなくても「私が食べた料理」や「私が見た風景」など必ず、自分が介在しています。「大衆に埋もれる」ことが賢い生き方だとされる一方で、あくなき自己表出の欲求がある。自撮り棒が商品化されるなど、誰もがイメージとして片付けられることを良しとしているわけではなく、自己表出をしたがっているわけです。しかし、この自撮りにおいてもオーラが 剝 ぎ取られている状況があります。自撮りの内実を探ると、ありのままの自分を撮るのではなく、自分とかけ離れても、きれいに美しく撮りたいということが第一になっていることがわかります。ありのままの自分なんてさらけ出しても、きれい、美しいとはならない。スマホ内蔵の簡便な画像処理ソフトを使い、画面上で整形手術をするように自己イメージを作り上げたりするわけです。つまり自撮りといいながら、そこにはもはや自己は存在していない。標準的な美しさ、より多くの「いいね」がもらえる美の基準に「私」をはめ込んで流通させようとします。この方法にこだわり過ぎると、本来の自分は消えてなくなりかねません。「こんな顔になりたい」というのは自己の願望ではなく、社会の要請に応えようとする強迫観念といってもいいでしょう。個性 溢れる顔さえも社会のイメージに合わせなければならないという強制力が働いています。「いいね」の数は人を愉快にさせるようですが、同質化を求める社会に認められた得点に過ぎません。もっとも、せっせと自分のイメージを加工することによって、逆に本当の自分を守る無意識の防衛本能が働いているのかもしれません。

僕もInstagramをやっているので、何度か自撮りに挑戦したがこれが案外難しい。そして挫折し、それ以降自分の顔は映らないような自撮りしかあげていません。自撮りするたび鏡で見ている自分の顔と自撮りした時の自分の顔のギャップに俺ってこんな顔!?と疑問と感嘆が。Instagramにはキャプションを書くことができるので、写真に一言添えることは多い。写真の説明、補完するのに短い文を書く習慣が身についた。こうした機会が多くなって、SNS以前よりも頻繁に文章を書くということに時間を割くことが多くなったように思う。それに加えて僕はブログもやっているので文字を書くことに関しては昔ほど抵抗がなくなった。自己表現の最も簡単な方法としての文章は今の時代、切っても切れないスキルの一つと言えるだろう。

目的を持たない散歩の効用

孤独になって自己と向き合った際の「自己の見解の商品化」では何をすべきなのか。部屋にこもるのもいいですが、たまには外に出ることをおすすめします。大勢で教室に押し込められる、オフィスのフロアに押し込められるというような、同質化を強要する集団生活というのはストレスフルなものです。人間には帰巣本能というものもありますが、ここではないどこかへ行きたくなる、居場所を変えたくなる本能もあります。この居場所を変える行為としては、散歩が最適です。是非、「ひとりで」場所、距離、所要時間などにとらわれず、自由にほっつき歩いてみてください。商店街、河原、公園、野山などを徘徊してみる。そして道端の電信柱や草木や花に見とれて癒されてください。そうすると、きっとそのような様は傍からみれば「何をぼんやりしているのだ」ということになりますが、そういったときの頭の状態というのは、非常に豊かになっているのです。

僕は外出が苦手。無職であるという負い目が平日昼間に外を歩くことをためらう原因になっている。最近やっと、それ以上に外出したいと思えるようなスポットには行けるようになってきた。今までは3ヵ月に一度の精神科受診と近所のカフェ以外一切外に出ない生活をしていた。風邪を引いた時でも買い置きの総合感冒薬だけで乗り切り、医者にさえ行くのが億劫という状態だった。一回いったことのある場所へ通うことはさほど苦ではなくなってきた。リハビリ中ということです。居場所を変える散歩は、多少ストレスはかかるが刺激を与えてくれるので、アイデアの源泉となることも。相変わらず、外に出ると人目が気になってしょうがないが、それも我慢すれば、引きこもっていたら味わえない色々な体験が待っていると考えるように。

ツイッターたLINE、Instagramなど短い文章で自己表現する機会が増えた昨今。どうしたら、簡潔で心揺さぶる文章が書けるのかということを追求した書籍。なんとなく書いているキャプションもあなたの表現の場の一つです。

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