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なぜ若者は「半径1m以内」で生活したがるのか?|岸本裕紀子|現代の若者は、チャレンジ精神に富む、というよりは安定志向

チャレンジ精神旺盛というより安定志向が強い現代の若者。自身の将来を考えると不安になるので、考えれば考えるほどその傾向に。過剰な期待を抱かず、しれっとトラブルを回避して無理せず手堅く生きることを良しとする。そんな競争社会と若者たちとのズレを考察。

「和」の世界に憧れる若者たち

少し前、女子高校生の間で流行ったのは、方言を交えて喋ることだった。方言でメールしたり、語尾を方言にして会話したりしていたが、彼女たちの先生は方言が話せないお母さんではなく、おばあちゃんだった。

ロハス的生活をうたった若い女性向けの雑誌ではよく、「田舎のおばあちゃんに大福もちの作り方を教わる」なんて特集を組んだりする。

若い人たちにとって、おばあちゃんたちは、好ましく、近しい存在である。のんびりしていて、温かくて、自分なりのペースを守ったこぢんまりとした生活を楽しんでいる、まさに憧れのイメージだ。

考えてみれば、今どきの若い女性たちの間で流行しているもののかなりの部分は、かつて老人たちが楽しみとしていたものなのである。

温泉、風呂、お伊勢参りなどの国内旅行、整体やマッサージ、お弁当、和菓子、猫と遊ぶ、占い、長話(長メール)、たまに行く芝居や歌舞伎。

時間とある程度のお金があれば受け身で遊べて、リラックスできることだ。

それらを、若い女性たちが自分たちのものとして取り入れ、盛んに消費している。

若いのだから、温泉なんぞでゆっくりする代わりにバックパックでも背負ってインド旅行でもすればと勧めても、そんなきつそうな旅はしたくないという。複数の占い師にみてもらうくらいなら、自分が頑張って少しずつ状況を変えていけばと思うけれど、占いで耳に心地よいことをいってもらいたいらしい。

かつての若者というのは、自分の居場所を求めて放浪するイメージがあった。歌の歌詞にも、「人は誰もただ一人旅に出て」とか、「明日に向かって走れ」など、自分の足で歩き、傷つきながらつまずきながら何かを摑んでいく、というような歌詞が好まれた。

今どきの若者は放浪の旅などとは無縁である。「おうちでのんびり」が大好きだ。

若者ではないが僕にもこの傾向が(笑)家が一番という若者も多いことにびっくりだが高いスマホ代とか各種サブスクリプションなどにお金を費やしているとお金はあまり残らないのかも。コロナでバイトのシフトは減り収入減となる一方でおうち時間が増える。それを快適に過ごすためのサバイバル術がサブスクリプションかと。毎月1000円程度で欲求を満たすコンテンツが豊富にある世の中、雑誌を何冊も買っていた時代が懐かしい。

若者は競争社会をこう変える

「地元」「家族」「日本」「堅実」  ここで揃ったキーワードを並べてみるとあることに気づく。それらは、競争社会のキーワードである、「大都市」で働き、「個人」がベースで、「世界」を相手に、「野心」を持って生きる、とは対極にある価値観であるということだ。

競争の激化、不況、先の読めなささ、自己責任の強調など乱世といってもいいような厳しい状況の中で、「地元」に根を張り、「家族」を大切にして、「日本」のよさを見直し、「堅実」に生きようとすることは、若者たちが身につけたサバイバル術なのだろう。

今後、政府、地方自治体、企業、地域のコミュニティといった社会のさまざまな次元で、彼らの持つこれらの性向をはぐくみ、それを生かせるような対策を考え、環境を整えていくことが求められるのではないだろうか。

IT化によって家でも仕事が完結する時代。テレワーク中心の仕事の人は田舎に移住する人も多くなっている。のんびりした環境で自身が心地いいペースで仕事するフリーランス。あるいは30代までに大手企業でバリバリ働いて資産を築きセミリタイアなんて人も。戦い方は人それぞれかと思います。

若者の安定志向の原因とその背景にある若者マインドの変化を論じた書籍。若い人の考え方を理解する上で欠かせないことが書かれているので部下のことを理解したい上司の方にお勧め。

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