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2週間でしつこい「悩みグセ」とサヨナラする本|坂本 弥生

表情筋をほぐすと心、体が元気になる!さらに笑顔によりコミュニケーション能力は表現力も豊かになり、人間関係も良好に!アンチエイジングや美容にも効果が!

笑顔が必要な時ほど笑えない?

「笑顔や笑いが健康に好影響を及ぼす」ことは、ご存じの方も多いと思います。しかもこれはお金のかからない、とてもありがたい心身の健康法です。講演やセミナーで参加者のみなさんに「笑顔の効果」についてお聞きすると、「細胞が活性化する」「免疫力がアップする」「副作用のない抗がん剤」 と口々に正解を答えてくださいます。中には「血糖値が下がって糖尿病患者にもいい」と近年紹介された効果を話してくださる方も多く、「笑顔・笑い」の効果に関しては、いかにテレビや新聞・雑誌で取り上げられているか、その普及率に驚かされます。このように「笑顔や笑いは健康にいい」ことはすでに十分知られています。でも、案外、気づかれていない問題があるのです。それは、ほんとうに笑顔が必要なときほど、人は「笑えない状況」「笑顔になれない環境」にいるということです。強いストレス(精神的・肉体的)状態にあるときは何をしても楽しくなく、どうしても硬い表情をしてしまいます。笑顔や笑うことなど到底できないものです。国内での自殺者が毎年3万人を超え、うつ人口が年々右肩上がりに増えています。1億総ストレス時代と言われる昨今、ストレスも多様化し笑えない、笑顔になれない人も増加の一途でしょう。 「とりあえず笑顔をつくりましょう!すると、笑ったときのような効果が生まれますよ」という記事が増えているのはそのためかもしれません。 脳科学者の茂木健一郎さんも「無理にでも頬をヨイショと持ち上げ笑顔をつくると気持ちが楽になりますよ」とテレビで紹介されていました。 心の底から笑わなくても、口角を上げて笑った表情をつくるだけで脳が影響を受け、考え方がよりポジティブになることが解明されてきたのだそうです。

最近は面白くもないのに笑えないという僕のような人が口角を上げて笑顔を作るだけでポジティブになれることがわかってきました。笑顔の効果はわかっていても、なかなか40すぎのおじさんが鏡の前で笑顔の練習をしている姿は気持ち悪い。それでも少しでも笑顔になれるようにお店で店員さんと対面するシーンではできるだけ笑顔でいようと心がけるように。キモいと言われてもいいやと思えば案外大丈夫。

婚活のストレスで疲れ果てた心をリセット

家族からも会社の仲間からも早く結婚が決まることを期待され、正直「婚活」をしなければならない状況がつらく、いつの間にか笑えない自分になってしまったというTさん。彼女自身は仕事が充実しているので結婚には焦りを感じてなかったそうです。それなのに、親や周囲から婚活パーティに参加するように言われ、休日はたいてい婚活に時間を費やさざるをえない。そんな状況に疲れ果て、「結局、婚活がストレスになって、心からの笑顔になれない」「つくり笑顔に疲れた」と話していました。「初対面の男性にいい印象を持ってもらうために笑顔でいなければ」という思いから、Tさんは笑顔を自分に強いることで心を疲れさせてしまっていたのです。しかも、婚活はそもそも周囲からの圧力に負け、本心からの願いではなかったことも大きなストレスにつながっていたようです。3カ月間無理やり婚活をしてきた結果、「笑顔をつくること」までがストレスになり、とうとう無表情になってしまいました。解決法はほとんどが前述のAさんと同じです。セミナー終了後に一人残ってもらい、「顔→頭→首→デコルテ」の順にリンパマッサージを施し、表情筋セラピーをしてもらいました。すると、柔らかい笑顔で「私はいつも○○でなければいけないと考えているからしんどいのですね」と話しはじめたのです。「親の期待に応えなければいけない」「いい子でいなければいけない」「笑顔で婚活をしなければいけない」……。Tさんは私がお伝えしたかったことに、自ら気づいてくれたのです。「婚活とはいえ笑顔を向ける相手がいる、笑顔になれる機会があることは幸せなんですね」と、考え方まで大きく変わっていました。

40代で独身の僕にとってはもう婚活をする気さえ起きませんし、結婚不適合者なので仕方ないと諦めています。

「への字口」で悩んでいる人の90%以上は、「自分が嫌い」

コミュニケーションというと「私 vs あなた」、「私 vs みなさん」と対人関係で考えがちですが、 コミュニケーションの一番の基本は「私 vs 私」(自分 vs 自分)です。「自分が嫌い」という方は、自分のダメなところや嫌いな点(短所)などは次々語ることができるのですが、いいところや好きな点(長所)となると口ごもってしまいます。「私は何をしても鈍くさくて気がきかなくて、おまけに不器用。そんな自分が大嫌いです」と自嘲気味に話す人に、他人は魅力を感じてくれるでしょうか?自分の欠点にスポットライトを当てて「はぁ~」とため息をついたり、眉間や鼻にシワを寄せたり、口をとがらせている人に、オーラがあるでしょうか?「自分が嫌い」ということ自体が、他人とのコミュニケーションの大きなつまずきのもとになっていることに、気づいてほしいのです。「自分が嫌い」という人の心の中には、どんよりとした毒素のようなものが充満しているので、周りの人はどうしても敬遠してしまいます。こうしてますます人間関係がうまくいかなくなってしまうのです。

僕は自分大好きだが笑顔は苦手。楽しい気分でいる時の表情を見てもあまり笑っていません。これはなかなか治らない長年の表情筋の癖なのかもしれません。

表情筋を鍛えてほぐすことで笑顔を生み出しやすくするメソッド。悩み癖を笑顔で撃退しましょう。

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