様々なことが気になって仕方がないあなた。それは神経質でも忍耐力がない訳でもありません。こうした敏感さは5人に1人が当てはまるHPSである可能性が。生きにくい世の中を強く生き抜くヒント集。
二つの罪悪感
罪悪感は2つの種類に分けられます。
● 現実的な罪悪感―ほかの人を煩わせることをしたとき、そのことを自分自身に警告するもの
● 度を越した罪悪感―不釣り合いで過剰なもの
罪悪感と力は表裏一体です。罪悪感を負う人は、そのことに対して力を持っているということです。母親の誕生日に雨が降ったのが私のせいでないのは、私が天気に対し何の力も持たないからです。一方、母が誕生日に一人ぼっちでいるとすれば、その責任の一端を私が担います。両足を骨折して入院していたりするのでない限り、顔を見せることができたはずだからです。 罪悪感が、自分の影響力に比例しているのであれば、それは現実に即した感情です。あなたはほかの人たちの喜びもしくは痛みのもとになっています。だから、誰かの痛みの原因になっているのであれば、償いをしようとするのがよい場合もあります。できることなら相手に聞いてみてください。 「あなたの痛みを減らすために、私にできることはない?」 返答できることがなくても、きっと相手は聞かれて嬉しいはずです。 HSPにとって、謝罪し改善することは難しくないことがほとんどです。むしろ、深刻にとらえすぎて、度を越した罪悪感を抱き、謝りすぎてしまうかもしれません。 でも、謝るのをやめて、罪悪感とともに生きられるようにしたほうがよいときもあります。罪悪感とともに生きるのは、自分が下した選択に対し、支払わなくてはならない代償なのです。 心理セラピストのベント・ファルクはこの罪悪感を、「存在の付加価値税」と呼んでいます。 たとえば、祖母に勧められたのと別の進路を選んだことで、祖母をがっかりさせたことがあるなら、たくさん謝ったり説明したりとさまざまな償いをすることで関係を修復しようとするのではなく、罪悪感とともに生きるのです。祖母をがっかりさせてしまったという罪悪感は、自分の気持ちに正直でいるために必要な代償だったのだ、と自分に言い聞かせましょう。そして正直さというのは、それだけの代償を支払う価値があるものだということも自分に言い聞かせるのです。 一方、自分の力を及ぼせないことに対しても、罪の意識を感じるのであれば、その罪悪感は行きすぎています。ゼロでないにしても、限られた影響力しか持たない場合も同じです。
なんでも原因が自分に起因するものと思い悩む人がいる。そうなってくると世の中の全てが自分のせいであるという罪悪感で心が支配されて息苦しい人生に。何事も深刻に考えすぎずに生きる方が楽なので、度を越した罪悪感を感じたら自分で一度立ち止まって振り返ってみよう。
PTSD
自分のことをHSPだと思っている人は、本当はPTSDであっても、必要な治療を受けようとは思わない可能性があります。ほかの精神疾患にも同じことが言えます。HSPの人だって、精神疾患を抱えることはあります。HSPであっても、精神疾患の治療を受けるのを拒否しないことが重要です。 人は悲しみから目を背けることで、不安を感じやすくナイーブになることもあります。クライアントのイェンスは、妻が家を空けているとき、恐怖に近い大きな不安を感じ、苦しんでいました。 認知療法と薬物療法の両方を試しましたが、十分な結果は出ませんでした。彼は4歳のとき、祖母を亡くしていました。祖父母を亡くすのは、多くの人が経験することなので、イェンス自身はそれが特別なことだとは考えていませんでした。 しかし、話を詳しく聞くと、幼いイェンスが暮らす家には、祖父母も同居しており、母親が有能なキャリアウーマンで忙しく近寄りがたい人だったため、イェンスを育ててくれて、彼と最も強い絆で結ばれていたのは祖母だったのです。祖母が亡くなったとき、一家はどうにか彼を〝傷つけない〟ようにするために、イェンスに埋葬のことを知らせず、参加もさせませんでした。私が祖母への別れの手紙をしたためるよう言うと、イェンスには悲しみが溢れ出してきてしまいました。しばらく悲しみに向き合った後、イェンスは前よりずっとタフになりました。もしもイェンスが、HSPである以外には自分に変わったところはないと思っていたのなら、悲しみから解放されるための助けを求めることはなかったでしょうし、そのための適切な支援を得ることもできなかったかもしれません。
統合失調症や鬱、PTSDなどの精神疾患やなんかは症状が重複したりしていてなかなか素人目にはどの病気なのかがわかりづらいので、一度精神科を受診することをお勧めします。精神疾患の薬を飲んでいるとそれを批判されることもありますが、それで自分の症状が緩和されるならありだと思います。僕自身も統合失調症と診断されるまで精神疾患患者のことを色眼鏡で見る側の人間でした。しかし自分がなってみるとその立場の苦しさがわかるように。幸い僕の周りの人は精神疾患について理解が深い人が多かったので助かっていますが。
HSPは決して珍しい症状ではありません。5人に1人という数字を見てもその多さがわかると思います。実際に自分が該当する人や人材管理などの立場にある人にはこういう人がいることを理解していて欲しいです。
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