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豊かさとは何か|暉峻 淑子|日本人の生活のあり方を点検し、真に豊かな社会への道をさぐる

ものと金の溢れる日本だが、環境破壊や過労死、受験戦争に老後不安などネガティブ要素にも事欠かない。国民にはゆとりや豊かさの実感はなく豊かさへの道を間違えたとも。日本人の生活のあり方を再確認し真に豊かな社会への道を探る。

ゆとりを生み出すもの──社会保障と自由時間

「豊かさ」という言葉は、しばしば、「ゆとりがある」という言葉で言いかえられることが多い。

たとえば、同じ所得のある人でも、住宅や預金などのストックがある人はゆとりがあるし、それらのストックのない人はゆとりがない。

あるいは同じ物質的条件の下にあっても、時間にゆとりがあれば、ゆったりと人生を味わいながら暮らすことができるが、時間に追われると、目を血走らせてあくせくと暮らさなければならない。

生活は企業とはちがって、「胃袋の大きさには限界がある」から、本来の生活に必要な欲望は、充足していずれ落ちつき、「カネもうけや物をためこむ楽しみ」に代る自分らしい楽しみに生きがいをかんじるようになる。人間的で個性的な生き方を実現できれば、横ならびに他人と比較して、いつもキョロキョロしなければならない切迫感からも解放される。第三世界の資源を乱獲することをやめて、ゆとりある生活を自分の手で作り出す可能性も生まれるだろう。

しかし、経済価値だけが突出して、より多くのカネとモノを持つことが最大の願望となっているような社会では、個人もまた社会の流れに押し流されてバランスをくずし、充足することのない人間になってしまう。いかに自分らしい、よき人生を生きるか、ということよりも、いかに多くの富を持つか、ということに関心が集中してしまう。

そして、悲しいことに日本では、住宅や環境や老後保障が劣悪なので、生活における物的充足感がなかなか得られず、多くの人が財テクに走りやすい社会的背景を背負っている。つまり、個人生活が企業と同じようにただ富をためこもうとする利殖欲にひきずられやすくなるのである。

ゆとりこそ豊かさ。人それぞれゆとりの定義は違うので自分の尺度でゆとりを感じられるようになると良いですね。僕は同い年の男性と比べると収入もだいぶ少ないが、時間のゆとりが半端なくあるのでゆとりの総合点は割と高いような感じ。

介護に疲れる家族、介護の手を抜く老人ホーム

いま、六十五歳以上の高齢者は、総人口の一一%をこえ、九人に一人。四世帯に一人は六十五歳以上の高齢者がいる。そのうち、在宅の寝たきり老人は六十万人に及ぶ。

百十万人をこえると推計される全国の一般の病院・医院の入院患者の半数は六十五歳以上の老人で、うち四割が脳卒中の患者である(厚生省『患者調査の概況』一九八七)。

一九八九年三月に発表された『厚生白書』は、十年前、新経済七カ年計画がのべた「家族の相互扶助を基礎とした日本型福祉」は、現実に合っていないことをやっと認め、妻が夫を、娘か嫁が親を、という、女性に依存した老人介護は現実的でない、と遅まきながらのべている。

だが、そうは言っても、東京都だけについても、特別養護老人ホーム百施設で九千七百人の老人が入所しているものの、入所を待っている人がまだ二千七百人もいて、一~二年待っている人はザラだという。介護人のいない老人は、半年も待っているうちに死亡するといわれるから、現実には、もっと多くの人が入所を待ちこがれているにちがいない。

一九八八年二月四日、中野区で八十歳の親を看病していた五十三歳の主婦が、看病疲れから母親を絞殺。自分もビルの屋上から飛び下り自殺する、という事件があった。二年間、母親の看病をつづけた末、疲れきって「母、十一時半死亡。罪なこと承知の上。さびしい。ごめんなさい」とメモを残して、ビルから飛びおり自殺。隣家の主婦は「母親思いの人だった」と言う(『読売新聞』一九八八年二月五日)。

介護の受け皿としての特養もなかなか入るのに条件が厳しい。要介護度が低いとなかなか受け入れてもらえないし、順番待ちも待たされる。老人ホームも民間のものはかなり高額でサービスが良いところはなかなか手が届きにくい。

豊かさを感じるための素地を作るため、まずは自分がどこに重きを置くかをしておいた方が良い。時間かお金かそれとも両方か。あるいは人間関係か?一緒に豊かさを手に入れるための授業を受けませんか?

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