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戦略コンサルタントが大事にしている 目的ドリブンの思考法|望月安迪|「目的」を起点として考えることができる能力

今の時代、ビジネスパーソンに求められるのは、従来型にとらわれることのない「目的」を起点として考える能力を有すること。その上で思考の「型」(フレームワーク)をベースに、それを実行に落とし込むための5つの基本動作(認知・判断・行動・予測・学習)を示す。

「目的」は成果創出力を高める究極のレバレッジ・ポイント

ここまで目的の不在がもたらす4つの悪影響を挙げてきたが、目的意識を明確に持てば、リーダーは次のように状況を好転させることができるようになる。

① 解決すべき問題を絞り込むことができる(=価値のない仕事を省ける)

② スピーディに優先順位を判断することができる(=判断に迷わなくなる)

③ 目的に直結するアクションがとれる(=無駄な活動をなくせる)

④ 成果創出のために組織やチームを動かすことができる(=ワンオペから脱却できる)

この先どれほど力量をつければ自分もこのようになれるのかと、気後れするかもしれない。しかし実際のところ「目的」という急所の一点を確実に押さえれば、このような理想的な振る舞いを実現することは夢ではない。

たとえば、①問題の絞り込み。目的が明確であれば、それを基準として解くべき問題の見極めができるようになる。「こうなりたい」がはっきりしているほど、「いまはここが足りていない」こともまた浮き彫りになるからだ。このように「いまはここが足りていない」というギャップ(=解くべき問題) は、現状との比較対象である目的が存在することで発見できるようになる。

②優先順位の判断に対しても目的は作用する。目的が明確であれば、それを判断軸として物事の優先順位を判断できるようになるということだ。事業継続計画(BCP) が人命保護を第一の目的に掲げるからこそ、有事の際も躊躇なく建物や設備、その他資産の保全を劣後させる判断ができるようになる。

さらに、③アクションの実行に対しても目的は影響を与える。最終的な到達地点が明確なら、そこに目がけてやるべきことを集中させることができる。裏返せば、目的に直結しないムダなアクションをどんどん省いていくことができるようになる。端的にいえば、目的はアクションの生産性を圧倒的に高めるのだ。

最後に、④組織やチームは目的によって動かされる。先にもお伝えしたとおり、目的はリーダーにとって人々を動かすパワーの源泉だ。人々の使命感や意欲に突き刺さる目的を旗印として立てられれば、自ずとそこに人々は集まり協力を差し出すようになる。それによってリーダーは仕事を自分一人で丸抱えするワンオペ状態から脱却し、より大きな仕事の実現に向かうことができるようになる。

これらの成果改善に共通しているのは、まさしく目的の存在にある。その意味で、目的は組織・チームの成果創出力を高める究極のレバレッジ・ポイントだ。そこに、目的が何であるかに徹底してこだわる必然性がある。

解決すべき問題を絞り込み、スピーディに優先順位を判断。目的に直結するアクションがとれ、成果創出のために組織やチームを動かすことができる。目的達成のための手順をしっかり頭の中に叩き込む。目的は組織・チームの成果創出力を高める究極のレバレッジ・ポイント。小さなアクションが大きな成果に変わる瞬間を共有しよう。

「問題」とは目指す姿と 現状の「ギャップ」のこと

そもそも、「問題」とは何か。これまでも折々に触れてきたが、ここで改めてはっきり定めておこう。 「問題」とは「ギャップ」である。何と何の?「現状」と「目標」の、だ。目指す先と現在地の間にある差分、それが「問題」だ。問題とはつねに、今の状態と理想の状態を〝比較〟したときに表れる。

たとえば、経験豊かなコンサルタントが経営者に対してインタビューをするとき、次々と問いをぶつけていくシーンがある。「なぜ売上高を経営指標に定めているのですか?」「なぜ経営企画にこれだけの人数が所属しているのですか?」「このタイミングで営業人員を強化した意図は何ですか?」「市場の声をどのように開発にフィードバックしているのですか?」などなど。

なぜこのような芸当ができるのか。それは、そのコンサルタントの中に企業のあるべき姿がイメージされており、それを基準としてクライアント企業の現状と比較を行っているからだ。その比較を通じてギャップに気づき、それが問題の「認知」につながっていく。問題は何もないところから出てくるのではなく、比較対象となる基準と比べることで見出されるということだ。 「そもそも何が問題なのか?」という問いはストレートだが、ただこれだと漠然としすぎて具体的な解には結びつきにくい。僕らが優れた問題を設定しようとするとき、問うべきは「現状と目標の間にどのようなギャップがあるのか?」 だ。これによって現状と比較対象である目標が具体的にイメージされ、それらの比較を通して問題を「認知」するための手がかりを得ることができるようになる。

現実と目標のギャップである「問題」を認知し改善する。まずは比較から。望む結果を得たいならギャップを見つけそこを掘り下げることから始めること。「目的」から始めよう。

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