投資の怖さを知った上で村上世彰が高校生に教えたかった投資の心構えや思考法とは?N高等学校に、新設された「投資部」の特別顧問に就任した村上世彰による投資講座。
投資を通じて「怖さ」を知って欲しい
投資というのは、本質をよく理解して取り組めばとても楽しいものですし、私たちの生活や社会を豊かにしてくれるものです。この講義では皆さんにそのことをぜひ理解していただきたいと思っています。
そして、できれば皆さんに投資を好きになっていただきたいと思っていますし、この中から投資家として成功する人が何人も出てきて欲しいなと思っています。 「投資で資産を増やすにはどうしたらいいのか、ずばり教えて欲しい」という方も中にはいるでしょう。もちろん、そうした話もしていきます。 しかし、逆説的ですが、自分の利益ばかりを考えて投資をすることは、自分自身にとっても必ずしも幸福な結果をもたらすことにはなりません。
投資というのは私たちの社会の中でとても大事な役割を果たすものです。投資家は、その大事な役割を担っています。そして、投資の本質をきちんと理解した上で、自分の投資している会社が社会にどう役立つのか、あるいは自分の投資行動が社会にどう役立つのか、という社会的な視点を見失わないで投資を続けることが、結果的には投資で資産を増やすことにもつながります。
私自身は、もともと日本に「コーポレート・ガバナンス」を浸透させたいという想いで、ファンドを設立しました。ファンドをやめた今でも、「コーポレート・ガバナンスの浸透と徹底」を目指して投資をしています。そのようにミッションを背負いながら投資を続けてきたからこそ、投資で資産を作ることができたと思っています。
私の講義では、まず投資の本質をしっかり理解していただきます。その上で、より実践的な投資についての考え方についても述べていきます。入部にあたり部員の皆さんには、『いま君に伝えたいお金の話』(幻冬舎)を読んでもらいました。講義でもこの内容に少し触れたいと思います。でも、私の話を聴いてもらうだけではありません。村上財団から提供させていただいた、一人あたり20万円の資金枠で実際に投資をしていただきます。その後、運用成績や面談、報告書の内容に応じて、50万、100万円の枠も用意しています。でも、もし利益が出たら、その分は皆さん一人ひとりに差し上げますが、損が出た場合には財団がかぶるので、ぜひ積極的に投資に取り組んでみてください。そして、1年の部活が終了したら、利益以外の部分、もしくは手元に残った分をまた財団に寄付してください。こんなことをお願いするのは、「資金循環」ということの意義も、今回皆さんに学んで欲しいからです。ぜひ、「経験」というバトンを、次の人たちに回していただきたい。こうしてぐるぐるとお金が社会の中を回っていくことで、恩恵を受けることのできる人がどんどん増えていくのです。「資金循環」は、今の日本において、最も重要かつ必要なことです。
そもそも、どうしてこのような取り組みをするかというと、投資の話を聞いてもらうだけでなくて、皆さんには実際に投資を体験していただきたいと思っているからです。本来は少しの額でも自分で用意して、損が出ても自分で負うという自己責任の下で投資するのが良いのかもしれません。しかし、それではなかなか投資に踏み出せない人が多い。なので、まずは投資に触れるきっかけとしてこのようなプログラムにしました。
投資はお金が増えるというメリットの裏に怖さもあることを知った上で、その醍醐味を味わうとやめられないほどの満足感を得られます。単に資産を増やすというだけでなく社会貢献にもつながるお金の使い道。それを高校生のうちから学ぶのは、のちの人生を大きく変えることとなる。お金の学校的な村上世彰の授業はきっと得難い知識が得られるかと。
株式投資は世の中の役に立つ行為
1講では、まず投資とは何かというお話をしたいと思います。
いま皆さんは、学校で勉強をしていますね。なぜかというと、たとえば将来自分の就きたい仕事に就いたり、より良い生活をしたりといった、少し先の未来のために、いまお金や時間を費やしながら勉強をしているわけです。
同じように、スポーツ選手が厳しい練習を重ねているのは、試合に勝つという、日々の練習にまさる大きな結果=リターンを求めているからです。
このように、少し先の未来において大きな利益が得られるように、いまコストを支払うこと、これが投資です。
ただ、単に投資と言う場合には、皆さんのイメージの通り、将来のお金のリターンを求めることが多いです。不動産投資や債券などいろいろありますが、今回講義でお話しするのは、株式会社が発行する株を買う「株式投資」です。
それでは、株式投資に対して皆さんはどんなイメージを持っているでしょうか。 「すごく難しそうだし、自分には縁がないもの」 「働かずに楽をして 儲けようとするもの」 「リスクがあって怖いもの」 というように、ネガティブなイメージでとらえている方も多いと思います。
株式投資を行うことには様々なメリットがあります。社会全体で見れば、そうやって資金が社会の中で循環することが、経済の停滞を防ぎ、成長につながります。投資した資金は、将来的な経済成長や好景気といった形で戻ってくるのです。
一方、個人単位で考えたときには、そのメリットの最たるものが
①世の中の動きを知る
②社会の役に立つ
③お金を増やす
の3つです。
株式市場は世界の様々な動きを反映して動くものですから、投資を始めると世の中の様々な出来事に興味が湧きます。
少額でも株式を保有しその値動きと値動きの理由を毎日の刺激として受け取るだけでもなかなかの経験を積むことができる。世の中の動きに対して敏感なアンテナを張るようになるし、自身の審美眼を試す機会にもなる。そしてそれらが実を結んだ時、リターンとなって帰ってくる。初心者はインデックスを保有し経済全体の動きを見るだけでもためになります。どのようなきっかけで経済が動くのか知ることは社会人としての経験値を積む効果も。
投資に興味がある人ない人それぞれいると思いますが、投資が持つ魅力を知ってもらい、貯蓄から投資への時代を生き抜く羅針盤となる。この書籍は、その入り口として機能します。
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