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明日、機械がヒトになる ルポ最新科学|海猫沢めろん|7人の科学者に最新テクノロジーを教わります

AIの進化により人間の生活は便利になる反面、人の手を使わずできる仕事が増え人間の仕事を奪っている。それは芸術の分野でも画像生成から動画生成、翻訳検索なんでも思い通りに。いったいどこからが人間でどこからが機械なのか、そもそも人間とは何なのか。7人の科学者に最新テクノロジーを教わります。

デジタル+フィジカル=フィジタル!?

──ぼくは子供の頃「FAXでスルメが送れるんじゃないか?」って考えたことがあるんです。紙と同じくらい薄いし、これくらいならマジで送れるんじゃないかなって。まあ、無理だったんですけど……。 3 Dプリンタって「情報が物質になって出てくる」わけで、それが実現したのかもしれませんね。

田中  そうですね。でも、FAXのラディカルなところって、向こうから勝手に送られてくることだったと思うんですよ。つまり、家に帰ったらたくさんロール紙が来てたとかっていうイタズラ、ああいうことです。実は、 3 Dでもそれができちゃうかもしれなくて…… 3 DFAXがもうすぐ発売されるんです。

── 3 DFAX……!? それは本当に物質転送みたいなことですか?

田中  そうです。物質を置いたら、スキャンデータがあっち側に送られて 3 Dプリンタで出力されるんです。だから、FAXのイタズラみたいに、家に帰ったら 3 Dプリンタからお土産物みたいなモノがたくさん送られてきてた……みたいなことが本当にありえてしまいます。まだ実際の機械は見ていませんが、技術的には可能なことなので。

──いや、でもそれ……データでためておけばいいじゃん……って思いません?(笑) 物理空間が侵食されるのは、なんか嫌だなあ。

田中  問題はそこです(笑)。僕も物理空間を取られるのが嫌で、学生といろいろ議論しながら研究しているんですけど、これから 3 Dプリンタを生活に溶け込ませていくためには、「消えてなくなる物質」っていうのをつくらないといけない、という話になっているんですよ。何日かだけ存在して何日か経ったら消滅する。その期間が設定できる拡張物質。

──それはモノとしておもしろいですね。あれですよね、芳香剤がいつのまにか消えてるとか。

3Dプリンタの進化で素材は限られるが人間の臓器を模した代替品まできる世の中に。スキャンデータさえあればどこにいてもそれが作り出せるのでもっと研究が進めば大規模な転送装置として機能するかも。夢は広がりますね。TVやネットで見たものをスキャンデータを読み取ってお家で生成なんてことも!

ロボットも人間も同じなのか?

──前野さんがロボットの研究から幸せの研究に行かれたとき、そこに人間の機械化の視点があったのかなと思って今回取材に来たんです。「幸福学」というのは、人間をメカニカルにシステマティックに幸せにする発想じゃないですか。

前野  まあそうですね。言われてみると確かに人間を機械として見るような視点が入ってます。僕の原点は「受動意識仮説」にあるんですよ。心は幻想であると思っている。心なんて、徹底的にない。

ここで「受動意識仮説」についてちょっと説明しておこうと思います。

まず、ここで言う「意識」とはみなさんが言う「私」に近いもので、デカルトの言った「我思う、ゆえに我あり」における「我」という意識のことです。この意識はいったいどこにあるのか? ないのか? 古今東西の学者がこれについてはさまざまな見解を示していますが、いまだに意識そのものを観測することはできません。

しかし、「意識は受動的に出力される結果である」というモデルならば意識の謎をうまく説明できる、というのが受動意識仮説、前野さんの主張です。

受動的に出力される……とはどういうことか?

たとえば生物は外界の刺激に反応して動きます。それと同じように、意識というのは環境や単純な刺激によって、場当たり的に「出力」されているものだということです。動物や昆虫は環境の変化に応じて、意識する前に動いている。人間も実は同じで、ただ、そのあとで意識が出力されるのだ、というのです。

ピノキオの物語ではないけれどロボットが自我を持つようになる未来が来るかもしれない。そうした内容の物語は結構SFなどでもあり、定番といえば定番。どこまでが人間かと言った定義は難しくなる可能性も。ペットが可愛いのと一緒でロボットにも愛情(愛着)ができたりしたらそんなことも起きるかもしれない。

機械が人と呼べるほどの能力と体を手に入れる日は案外近いかもしれない。そんなSF好きにはたまらないお題を真面目に考える本。

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