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デービッド・アトキンソン 新・所得倍増論──潜在能力を活かせない「日本病」の正体と処方箋

日本では潜在的な能力を活かせぬままでいる日本病が蔓延しています。今求められる政策を実行するだけで平均年収2倍、GDP1.5倍(770兆円)が可能に!!データを分析し日本の光り輝く未来を照らす。

人口と生産性

日本は現在、アメリカ、中国に次ぐ世界で3番目の経済大国ですが、最近まではナンバー2でした。明治時代以降、「西洋に追いつき追い越せ」と国を挙げた戦略を進め、欧州の多くの国を抜き去りました。これは歴然たる事実であり、多くの客観的なデータでも確認できます。

しかし、なぜ日本が世界第2位の座をつかむことができたのかということになると、途端にあやふやな話になりがちです。ここでは、第2位になったことで、日本の潜在能力がどこまで発揮できたと言えるかを問いかけていきます。同時に、もし仮に発揮できたと言うのなら、その結論はかなり乱暴であることを証明していきたいと思います。

そもそも、「GDPランキング」と技術力や職人魂云々などの要素はイコールではありません。

世界のGDPランキングで第何位という評価は言わずもがな、経済の「絶対量」です。それは簡単に言ってしまえば、先進国の中では「人口」なのです。世界のGDPランキングは絶対額ですし、GDPは「人口×生産性」ですから、もし生産性が同じA国、B国があり、A国の人口がB国の人口の2倍だったとすれば、当然A国のGDPはB国を上回ります。B国がGDPでA国を追い抜かすには、生産性をA国の2倍にまで高める必要があります。両国が大手の先進国であるならば、それはほとんど不可能と言っても過言ではありません。

図表1-3を見ていただければわかりやすいと思いますが、先進国におけるGDPランキングは、ほぼ完全に人口ランキングと対応しています。なぜこのような結果になるのかというと、一流の先進国同士では、生産性に差はあるものの、それは人口の差を上回るほどではないため、人口こそがGDPランキングの高低にもっとも影響を及ぼしているからです。

たとえば日本の人口はイギリスのおよそ2倍、ドイツの1・6倍程度ですので、当然、絶対水準であるGDP総額ではイギリスやドイツを上回ります。仮にイギリスが日本以上に技術力を高めたとしても、これを覆すことは簡単ではありません。人口が約半分ということは、生産性を日本人の2倍にしないかぎり、GDP総額で日本を上回ることはできないのです。

人口が多いというアドバンテージでGDP総額が高い日本は潜在能力が高いと言える。その他の国々にはない利点なのでここはそれを生かしていくべき。技術力の結晶が国益につながりやすい体質なのでそこは生かしていくべき。

女性に甘い日本経済

ただ、断っておきますが、私は日本の生産性が高くないことの「犯人」が女性たちだなどと言っているわけではありません。かといって、女性たちがやっている仕事が正しく評価されない、もっと給料を上げるべきだと言っているわけでもありません。これまでの分析でも、男女間の収入ギャップを、単純な給料水準の「差別」ととらえるのは妥当ではないことは明らかです。

私がここで強調したいのは、日本社会の中で、女性に任されている仕事が、そもそも付加価値が低いものが多いのではないかということです。それは女性たちが自ら選んだ結果なのか、それとも企業側に問題があるのかは、後の章で考えていきたいと思います。いずれにせよ、女性にも男性と同様の福祉制度を導入した以上、女性も同一労働をするという意識改革が必要です。この福祉制度を男性だけで維持するのは、限界に近い計算となっています。女性の生産性向上は不可欠なのです。

日本で女性の労働者は全体の 43% を占めています(図表5-15)。その女性たちの生産性が高くないのであれば、日本の「第 27 位」という低い水準を説明できる大きな要因になります。私の試算では、日米の生産性の差額の 45% は、女性の生産性の違いによって説明できます。

本来は、日本人女性の収入がアメリカ人女性より低いこと自体がおかしいのです。アメリカで働くアジア人女性は、白人女性の収入の106% を稼いでいます。ちなみにアジア人男性の平均給与は、アメリカの白人男性の117% です。これはアジア人全体の数字ですが、その中で日系人と中華系はより多くの給与をもらっていると言われています。

女性やジェンダー平等が進めば男女の仕事格差がなくなり生産性も上がることだろう。今はまだその初期段階だと考えれば、これから伸びると期待して良いのではなかろうか?女性の所得が上がることは地位向上につながるし、女性目線のビジネスも生まれやすい。

平均年収2倍、GDP1.5倍この数値を実現するための提言。日本の可能性を探りながら明るい未来を予測。ビジネスのヒントにもつながりそうな書籍。

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