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確率思考を身につければ、計画にも確実な数字をはじき出せます

普段「この人数と日数なら、プロジェクトはたぶん納期に間に合います」などと報告していませんか? 「確率思考」を身につければ、「90%の確率で可能です」ともっと確実な数字をはじき出すことができます。「確率思考」とは、未来の出来事について誰も反論できない予測を行うための考え方のこと。本書は組み合わせや検定、ベイズの定理などの基礎知識を、「なぜ選挙番組ではすぐ『当選確実』が出るのか」「客単価が上がったのはたまたまか、実力か」「内科医院の待ち時間をどう計算する?」といった身近なエピソードを使って解説しており、文系でも確率思考が楽しく身につきます。なぜ商品は多品種化していくの?[組み合わせ]ノーヒットのイチローが次にヒットを打つ確率は?[条件付き確率]納期が遅れる確率[標準偏差]商品のシェアはどう決まる?[マルコフ連鎖]etc.

内閣支持率30%の怪しさ

「有効回答率48%」と書いてありました。家に不在だったり、怪しい電話と思って電話に出なかったり、出ても忙しかったり、政治に興味はないので回答せずに切ってしまった人が520人(52%)もいたのです。つまり家にいて、時間があり、人と話すのが好きで、政治に興味のある人たちが答えたものです。私は知らない人からかかってきたら、まあ電話には出ません。この新聞で「国民の声」と言っている「内閣支持率30%」は、統計的には根拠がなく、「首都圏に住んで、特定新聞のファンで、無防備で、政治に興味があって、比較的ひまな人の声」ということになります。世の中にはさまざまな統計データらしきものが 氾濫 しています。視聴率、××ランキング、商品売れ筋データ、顧客満足度調査……。こういうものを見る時は、まずは「それをどうやって調べたのか」「標本が同じ確率で選ばれているか、偏っていないか」をチェックしましょう。

うちでも電話には出ないで留守電に伝言を残すような用事がある人としか喋りません。なので政治に興味がなく回答しなかった52%の人間にカウントされます。内閣支持率30%は電話が煩わしくなく、かかってきた電話に応対する余裕がある人の意見ということになり、民意というには甚だ難しい状況だと思います。世の中にはこのような都合のいい統計データであふれています。Amazonのベストセラーなんかをよく見てみると随分細分化されたジャンルで1位なだけであって、そのジャンルの競合はほとんどいなかったりします。なのに、「ベストセラー」「1位」という表示がされており購買者を惑わせます。こういうものを見る時はそれをどう調べたかまで頭に入れておかないと思わぬ誤解を招くことになりかねません。

なぜ商品は多品種化していくの?

「組み合わせ」はかけ算でどんどん増えていきます。「消費者ニーズが多様化しているため」というよりも、ライバルとの戦いの中で、相手に負けないためにちょっとしたバリエーションを増やすことで、とんでもなく商品種は増えていきます。身の回りの商品でもどんどん商品種を増やしていくものがあるのはご存じだと思います。  こうなるとYのメーカーは、1024通りもの自動車を用意せねばならず、1人の消費者がYの自動車を買いたいとしても、特定の車種を欲しがる確率はとなってしまいます。そして1024通りごとに、どれくらい売れるかを考えて在庫しておかなくてはなりません。この組み合わせの計算を、かけ算からたし算にしたのがトヨタ自動車が編み出した「カンバン」という考え方です。これは「注文を受けてから作る」というものです。しかし車体などは注文を受けてから色を塗ればよいのですが(ただその資材は色別に4通り準備しなくてはなりません)、エンジンは注文を受けてから作るというわけにはいきません。そこで顧客の好みを分析して、2000ccを30%、2800ccを40%、3500ccを20%、4000ccを10%の割合で作っておきます。エンジンでいえば4通りの需要を考えるわけです。同様にタイヤ、シート、オーディオも4通りあるので、全部で4+4+4+4+4=20通りの需要見込みを考えればよいことになります。

自動車に限らず、パソコンなんかでも、BTO(Build to Order の略語で受注生産という意味)があります。具体的にいうと、パソコンメーカーなどWEB通販などで、パソコンを購入しようとしたときに、パソコンのパーツ構成が選べる場合があります。メモリーは何GBに、HDDをどのくらいの容量にするか、グラフィックボードを搭載するかどうかなど。自分の要望に合わせて、パソコンを注文できます。要するにオーダーメイド。この方式を BTOといいます。またこうしてカスタマイズ注文したパソコンを BTOパソコンというわけです。受注生産とはありますが、正確にはある程度 生産されているパソコンをカスタマイズして注文を受けるというもので、僕には自動車よりもこっちの方が馴染み深いです。

数字を知ると様々な側面から物事を見ることができるようになります。宝くじでも本気で当てようと何十枚も買うなんてことはしなくなるでしょう。愚者の税金とわかって宝くじを買うのと本気で当てようとする人の間には違いがあります。日々の生活を確率を知った上で行うと、無駄な行動も減ってくるというものです。すべての結果を想定して物事を運ぶには時間と労力を際限なく使うことになるので、確率をうまく取り入れた生活を心がけたいです。

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