日本一カンタンな「副業」と「お金」の教科書｜竹内謙礼｜51Blog

会社を辞めてもお金に困ることのない副業時代の賢いマネー戦略。サラリーマンが副業で稼ぐ技をわかりやすく解説。誰でも実践できて稼げる方法とは？

本業を副業にするとうまく行く

大串は世の中にある副業の種類がわからなかった。これでは自分にどんな副業が適しているのか、的を絞ることができない。「どうしました？」「副業の種類なんてたくさんあるだろ。どれを選べばいいのかわかりゃしないよ」　大串の言葉を聞いて、猫のバーテンダーは、「それなら」と店内を見回した。「今日はお店にいろいろな業種の副業者がいます。一人ひとり紹介していきましょう」

猫のバーテンダーは店の奥を指差した。大串が振り返ると、暗がりの席でイヌがソフトクリームを食べていた。「わああああああああああああっ」「どうしました？」「いっ、イヌだ！」「そりゃそうですよ。ゾウにでも見えましたか？」

猫のバーテンダーはゲラゲラと笑い出した。「そうじゃなくて！　おかしいじゃないか！」「あー、なるほど。お酒を飲むバーにソフトクリームがあることがおかしいんですね。あれ、じつは裏メニューなんですよ」

大串は「そこじゃねーよ」と小声で言うと、もう一度、後ろを振り返った。奥の席に座っているのは、確かにイヌだ。犬種はビーグル犬で、美味しそうにソフトクリームをぺろぺろと舐めている。

考えてみれば、バーテンダーが猫なら、客がイヌでもおかしな話ではない。そこにこだわっていたら、大事な話を聞き出すことができないと思い、大串は三度目の深呼吸をしてから「どうぞ、話を続けて」と、手元にあったカクテルに口をつけた。「イヌはＩＴ企業でシステムエンジニアをしているんです。でも、副業では別の会社のシステムを作る仕事をしています」「今はどこの会社もＩＴ化を進めているからな。システムエンジニアは引く手あまただ」「まさにイヌの手も借りたいといった状況ですよ」

大串は「そこは猫だろ」と思ったが、突っ込む暇もなく猫のバーテンダーは話を続けた。「副業の中でも、『本業』の専門職を仕事にするのが一番稼ぎやすいんです。例えば、社内のホームページを制作している社員が、他の企業のサイトを作ったり、中小企業診断士の資格を持っている社員が、自分の働いている業界とは別の業界の企業の経営アドバイスをしたり、自分の持っているスキルを副業に活かすことが、最も効率がいい副業なんです」「でも、平日に仕事をしていたら、副業の営業をする時間がないだろ。あのイヌは、どうやってクライアントを見つけてきたんだ？」「仲介サイトを利用したんですよ」

確かに副業を考えるとき自分の今の職能でできるものと考えると本業の拡張が一番理にかなっている。副業を認める会社も多くなってきていよいよ副業も視野に入れようかという人も多いのでは？そんな時の選択肢の一つとして本業の拡張が挙げられます。

副業での投資

初心者が副業で株の投資をする際に気をつけるべきポイントは三つあります。

ひとつは個別の株であっても、同じ動きをしない業種を選んで、分散投資することです。同じ動きをしてしまうと共倒れしてしまうため、違う業種を組み合わせてリスクを回避するようにしましょう。

もうひとつは、証券会社の手数料など、ムダなコストはできるだけ小さくすることです。ネット証券は利便性が高いだけではなく、手数料も安いため、副業の株投資に適しています。

いろいろなネット証券の手数料を見比べて、コストを最小限にとどめることが、株投資を始めるときの大切な一歩となります。

三つ目は株価の短期的な動きに慌てることなく、会社の実力が反映される長期的な予想で株の投資をすることです。日経新聞などを読んで、経済や社会の情報に敏感になり、意思決定に対する自己責任を持つことで、株投資のスキルがアップしていきます。

しかし、ここまで偉そうに株投資の話をしておきながら、著者である私はほとんど株投資をやっていません。以前、ＰＨＰ研究所より『戦略課長』という株の投資本を共著で出版した際、勉強のために株の投資を少しやりましたが、すぐにやめてしまいました。

株の投資をやらなくなった理由は、つねに株で損をしているのか儲かっているか気になってしまい、仕事に手がつかなくなってしまったからです。これは私の性格が株の投資に向いていないことが要因だと思います。「損をしたくない」という思いが強すぎるあまり、長期的な視野で投資ができず、少し損しただけで苛立ってしまい、数ヶ月で株の投資はやめてしまいました。

大きなお金を投資しなければ儲けが薄いこともわかり、人の会社のために四六時中頭を使うことよりも、自分の会社やビジネスを考えた方がリターンが大きいことに気づき、株の投資本を共著で書いておきながら、今ではまったく株の投資をやっていません。

本気でやれば株の投資はオイシイ副業になるかもしれませんが、向き不向きがあるので、そのあたりは自分の性格も踏まえて慎重に検討した方がいいと思います。

投資を考えている人にまず薦めるのは個別株ではなくインデックス。はじめから多くの企業を内包したインデックスは初心者に優しい。僕も個別株に手を出すほどの審美眼を持っていないと自分でわかっていたので、最初からS&P500に絞った投資をしています。基本長期で運用して、急激な上昇局面や下降局面では短期的にトレードします。自己分析をして短期か長期か選ぶのもいいが、失敗したくないなら長期分散投資を積み立てでというのが王道かと。

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