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新版 ハマトンの知的生活|P.G.ハマトン|自分の“人生知”が一挙に豊かになる、傑出した人生案内書!

「人生知」が豊かになる人生案内書。身体・頭・精神の鍛え方から、時間の使い方、読書法、交際術まで。知的生活を追求した先にある人生哲学の名著中の名著!

自分に必要な「知的鍛錬」を発見する

過去の時代には、訓練不足のところがあっても力強い文学はたくさんありました。しかし、現代は、充分知的訓練を受けた作家が輩出している時代なのです。それにもかかわらず、知的訓練に欠けた作家たちは、それが最も容易に克服できる欠点であるにもかかわらず、未だにその欠点に甘んじています。そう断言してもさしつかえないのではないでしょうか。

意志の力だけで華々しい天才と肩を並べようと思っても、それは無理な話ですが、しかし、意志の力を働かせることによって存分に才能を伸ばし、精一杯仕事をして、それによって高度の教養を身につけた人たちに 伍 したいと望むことは、決して途方もないことではありません。

訓練を始める根本の動機というのは、たまたまその時実際に持ち合わせている能力や知識だけではなく、必要な訓練を積めばものにできるかもしれない能力や知識をも身につけて、持てる力をことごとく発揮し尽くしたいという願いでしょう。

自然から授かったわれわれのさまざまな能力というのは、単に何かになろうとする力に過ぎないのであって、実際何かになるかならぬかは、どんな場合にせよ、われわれがなんらかの種類の訓練に身を委ねるか否かにかかっているのです。そして、その訓練は、いかなる種類の訓練にせよ、自分自身で発見せねばなりません。

著述家ほど訓練の効用を軽視しがちな人種はありません。誰でも本を書くことはできる。しかし、誰もが文学の名に値する作品を書けるわけではありません。文学と、単に本を書くということの間には、大きな技術上の違いがあります。しかし、その違いを明確にわきまえている人はほとんどいないし、自分自身に必要な才能が欠けていることを見抜けるだけの人もほとんどいません。

クリエイティブの世界ではとりわけ才能が重要視されているようにも見えるが実際には知的鍛錬をきちんと積んだ人が選ばれている。同じテーマの書籍でも差が出るのはそのせい。読みやすい文体、理解しやすい解説、描写。自分の必要な知的鍛錬を積んだかどうかで差が出てくる。毎日、日記を書いている人の文章が読みやすいのはそのせい。

「のらくら時間」の有効性について

まるで 尻 に火がついてでもいるかのように、あたふたと仕事をするべきではありません。ちょっとした小冊子をのぞくと、一分間たりとも時間を無駄にすることは罪であるなどとお説教を垂れているものが時々ありますが、知的な観点から言えば、このようなお説教は愚かしい限りです。俗物たちが時間の浪費と呼ぶものが、知的な人間には経験を豊かにしてくれるものであることがよくあるのです。

もしも、のらくらしている時に覚えたものが、ある種の化学変化にでもあったように急にわれわれの頭の中からことごとく消え失せてしまうものだとしたら、その変化が起こったあと、われわれの頭は実につまらないものになってしまいかねないでしょう。

実際、頭の中にそのような化学変化が起こるものだとしたら、シェイクスピアやスコットやセルバンテス(=ミゲル・デ・セルバンテス・サアベドラ、 1547─1616、スペインの作家、代表作『ドン・キホーテ』)、サッカレー(=ウィリアム・メイクピース・サッカレー、1811─1863、英国の小説家) やチャールズ・ディケンズ(1812─70、英国の小説家) やウィリアム・ホガース(1697─1764、ロココ時代のイギリスの画家)、ゴールドスミスやモリエール(=ジャン・バチスト・ポクラン、1622─1673、フランスの劇作家) の頭には一体何が残っていたことでしょうか。

例の愚かしい小冊子を書いたような連中なら、これら人間性の機微を知り尽くした偉大な作家たちを家に帰らせて、辞書を引かせて勉強させたがったような時にこそ、これら偉大な作家たちはさかんに人間性について学んでいたのです。

時間について計算違いをしたからといって、その人をあまり馬鹿にしてはいけません。誰でも今までに計算違いをしたことがあるはずです。そんなことはないと言う人は、一人前の大人として現実に直面するよりは、子どもじみた空想に耽っているほうがましだと、まったく計算を省略してしまったのでしょう。こちらのほうがよくあるケースかもしれません。

そして、人生を経るに従って今度は別の空想がわれわれの心にそっとしのび込んできます。あいかわらず空しいことには変わりはないが、以前の空想が甘かったのに対して、今度の空想には苦味がある。これまで時間の必要性にまったく無頓着だった自分を責めつつ、今度は愚かしくも、もう少し意志を強くもっていたら驚くべき成功を収めていたかもしれないなどと夢想するのです。一流の古典学者になれたかもしれない、主な現代語はすべて話せたかもしれない、不朽の名著を著わしたかもしれない、巨万の富を築いたかもしれないなど、と。

繰り返して言いますが、これらは必要な時間を計算しそこなった結果なのです。それは、何よりも愚かなことです。と言うのも、若い頃の可能性を過大評価して、余生をみじめな思いをしながら暮らしかねない者よりは、有頂天になって希望で胸をふくらませるあまり、理性を働かすのを忘れている若者のほうがまだしも賢明だからです。

時間管理の書籍などでは一分一秒を絞り出して無駄な時間を削っていく夢のようなことを書いた書籍が多いが、そんなのは理想論で余白を持って物事にあたる方がよっぽど成果が出たりするものだ。理性的に物事を進めるよりもそんなものを無視してがむしゃらにやっている若者の方が魅力的に感じるのはそのせいかも。

知的生活とはどんなものか、正解を探りつつ自分なりの道を背後から照らしてくれる、そんな書籍。生き方、働き方、鍛え方、それぞれに自分なりの答えが持てるようにサポートしてくれます。

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