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世界の富裕層に学ぶ海外投資の教科書|長谷川 建一|富裕層を取り巻く世界環境の激変

アジアのこれからの発展を見据えた富裕層向けの金融サービスの開発の過程で学んだ資産形成のキモと富裕層周りの世界環境の変化について徹底解説。

富裕層への資産課税

2020年、新型コロナウイルス感染の拡大で世界経済が大打撃を受けると、主要国の政府は経済維持・雇用確保のために大型の財政出動を実施しました。それまで財政規律を重視してきたはずの各国政府も、緊急事態とばかりに積極的に財政政策を実行し、中央銀行も金融政策を緩和して金利を下げ、市中に資金が溢れかえるよう量的な緩和を実行しました。

2021年、米国ではトランプ前政権・共和党が選挙で敗れてバイデン政権が誕生。もともと「小さな政府・消極財政」を主張する共和党に対し、「大きな政府・財政拡張」という傾向のある民主党ですが、今回の危機に直面する米国を救済するという旗印のもと「ファミリープラン」や「レスキュープラン」という美名をつけた大型の財政出動政策を打ち出しました。

財政支出を増やせば、当然、その歳出の裏付けとなる歳入はどうするのだという話になります。そこで、増税という話になるわけです。

民主党は歴史的にも経済的弱者の立場を守るという政党で、格差の是正や中間層の再生を掲げてきました。そうなると、どこから税金を取るかといえば、やはり富裕層から取るしかないという流れになっています。

中国では2021年8月に開催された中国共産党の中央財経委員会で、習近平主席が「共同富裕」を促進すると述べました。経済的な強者が利益を独占する行き過ぎを是正し、貧富の二極化を解消して、弱者も十分な生活水準を達成できる社会を目指すと目標を示しました。

この後、企業からは「共同富裕専門プロジェクト」が立ち上げられ、巨額の資金供出の表明が相次ぎました。一例を挙げるとテンセントが500億元(8500億円)、アリババが1000億元(1・7兆円)のプロジェクトを立ち上げたのです。

いずれにしても、 世界は資本主義・社会主義問わず、「分厚い中間層の形成」と「富裕層への社会負担増加」に向かっています。

コロナ禍とロシアのウクライナ侵攻による影響で疲弊する中、財政出動があるのはどの国も一緒。その財源はというと増税になるわけだ。世界的にみると資本主義、社会主義を問わず「分厚い中間層の形成」と「富裕層への社会負担増加」の方向性で一致する中、日本はどのような政策を取るか?きちんと富裕層から搾り取れるかが喫緊の課題。

コロナ禍からの景気回復

2022年は新型コロナウイルスとの戦いから3年目を迎えます。この間、新型コロナウイルスはアルファ株、デルタ株、オミクロン株などと変異し、感染力や毒性などの性質を変化させてきました。感染力も毒性も強い変異株が出現すれば行動制限は強まり、経済の足を引っ張るでしょう。いつまでこうした変異株の出現が続くのか、またそれが人類の生活や経済活動に影響を与えるのか、先が見えない状況です。

ワクチン接種が世界的に拡大し、免疫の獲得も進み、治療薬の開発や医療対応・処置の習熟度も上がるなど、新型コロナウイルスへの対処法が進展していることは事実です。2022年の年初、世界的に感染が急拡大しているオミクロン株についても、未知の部分は多いのですが、取得できるデータからは「従来の変異株より感染力は強いが毒性は弱い」と推定されると伝わってきます。

一方で再び感染が拡大して行動制限が強まれば、回復してきた需要は弱まり、サプライチェーンの混乱による製品供給が滞るという問題も解消に向かわず、物流は目詰まりを起こして、経済成長が阻害されるシナリオもあり得ます。

英米では行動制限をできるだけ回避しようという流れがあるものの、欧州の一部や中国では徹底的な封じ込めのためにロックダウン措置を講じるなど、各国で対処方針は異なります。2020年の悪夢のような状況がまったく再来しないとは断言できないでしょう。

筆者は、コロナ禍前の世界に完全に戻ることは「ない」と考えています。人類の活動に制限がかからなくなる日を誰もが望むでしょうが、新型コロナウイルスとの闘いの中で、人類は「ウィズ・コロナ」を前提として新しい生活・勤務様式に馴染もうとしてきました。

その中で、これまでのスタイルに回帰することや、ウイルスに生活スタイルを変えられたことを「敗北」のように受け止める人も一部にはいます。でもそれは、ウイルスとの闘いの「敗北」を意味しません。コロナ禍以前と同様の暮らしぶりに戻れたとしても、それは表面的な話で、周囲や環境を含めれば以前と同じではないことに気付き、「ウィズ・コロナ」の新しい生活様式が定着していくのでしょう。

今後も他人との直接の接触が不要なものはできるだけ回避するでしょうし、物理的な面会よりもリモートでの接触機会がますます増えるでしょう。スポーツジムやレストラン・外食の利用を控えて、生活の拠点である家を中心とした活動が増え、そのための物品の購入や家庭での消費が増えるでしょう。それは新しい生活である「ウィズ・コロナ」のスタイルなのです。新しい消費や仕事や娯楽の仕方で、経済を回していくことになります。悲観する必要などまったくなくて、人類にはそれを楽しむ知恵と適応力が備わっていると思っています。

ウィズ・コロナ時代の感染対策は自己の判断に委ねられる方向へ舵を切り始めた。ワクチン接種も有料化になるしマスク着用も個人の判断。コロナ禍で根付いた外食を控える動きはこのまま継続しそうで、それが新しい生活様式に。そんな世界情勢が与える市場への影響も語られている。

世界の富裕層に学ぶ海外投資の勘所。どのようなマインドで投資に挑めばいいかがわかる貴重な教科書に。

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