Book

会社に使われる人 会社を使う人|楠木 新|真のワークライフバランス、日本版ライフシフト

日本版ライフシフト。サラリーマンは退屈で将来も不安と嘆いている人に向けた書籍。会社を「天国」に変え、定年後もイキイキと暮らすため、会社資源を利用する真のワークライフバランスを伝授。

会社をうまく使え

「こころの定年」という言葉は私の造語である。既刊本を読んでくださった人には繰り返しになるが、四十代以降のサラリーマンに深くかかわることなので、あらためて解説したい。

「こころの定年」を一言で表せば、「組織で働く意味に悩む状態」のことだ。その状態が、四十歳をすぎたころから徐々にやってくることに気づかせてくれたのは、取材をした大勢のサラリーマンや転身者たちだった。

表向きは、役職をもち会社の仕事にきちんと適応していても、働く意味に悩んだり、疑問を感じている人が少なくなかった。もし死が人生の定年だとしたら、六十歳で就業規則上の定年を迎える。しかしその前に、働く意味に悩む「こころの定年」状態に陥る人がいる、という整理だ。

多くの会社では、概ね四十歳前後で管理職への選別がある。一般企業でいえば本部の課長クラスである。この段階で、社員の評価はかなり明確になる。出世という競争は、勝者と敗者の立場を鮮明にする。管理職に登用されなかった社員は、このことがきっかけで働く意欲を失うこともある。

また、この時期の人事異動を左遷と感じて、自ら出世競争に白旗を上げる社員もいる。四十歳をすぎて引き続き同じ会社で働きながら、自力で敗者復活を果たすのはたいへん難しい。そういう上司や先輩たちの挫折経験を社内で間近に見てくれば、希望していなかった異動は「自分もか」と思ってしまっても仕方があるまい。これらの組織運営上の課題に加えて、一つの会社で長く働くサラリーマンが多いので、仕事に飽きることもあれば、マンネリに陥ることもある。これらも「こころの定年」を後押ししている。

「こころの定年」状態におけるサラリーマンの発言を最大公約数としてまとめれば、次の三つに集約できる。

「誰の役に立っているのかわからない」

「成長している実感が得られない」

「このまま時間が流れていってよいのだろうか?」

本書の読者なら、一つくらいは当てはまるかもしれない。私自身もそうだったが、体力的な衰えを感じはじめたことや、「おれはまだやれる」という自負心の一方で、自分の個性を発揮できないまま時間が流れていくことに対する焦りなどが相まって、働く意欲の低下に拍車がかかることがあった。現役サラリーマンにとって「こころの定年」は、決して特殊な状態ではないのである。

若い時と確実に異なる40代以降の会社人生。マンネリ化が生む不安や疑問に頭を悩ます人は案外多い。なんの疑問も持たずにただひたすら仕事をこなしてきた20代、30代と違い頭打ちの現状が見えてきたりと何かと不満や不安が頭を支配する。そんな心の定年をどう生きるかのヒントが本書にはある。

「会社に使われる人」が陥る罠

六十歳以降も雇用延長して六十五歳まで働く人が多い、という現状はすでに述べた。いまの六十歳は、引退するには早すぎる。多少の体力の衰えは感じているかもしれないが、気力や意欲は依然として旺盛だ。現役のときと変わらず貴重な戦力として活躍できる人もたくさんいる。しかし再雇用になると、自分と会社との関係がそれまでと同じように継続するとは限らない。

私の知人の例だが、高校を卒業してからサービス業の会社に四十年あまり勤めた彼は、定年後の雇用延長を希望した。給与が下がることは覚悟していたというが、衝撃を受けたのは会社から提示された労働条件だった。雇用形態はパートタイム扱いになり、勤務は週三日。社会保険もない。

厚労省のホームページには、「高年齢者雇用安定法の趣旨を踏まえたものであれば、最低賃金などの雇用に関するルールの範囲内で、フルタイム、パートタイムなどの労働時間、賃金、待遇などに関して、事業主と労働者の間で決めることができます」とあった。現役社員のときとは、立場も、給与も大きく変化するのである。法改正によって、社員に対して例外なく六十五歳までの勤務場所を提供しなければならなくなった会社の立場も考慮した運用なのだろう。

私が取材をした再雇用者のなかにも、会社の処遇に満足していない人はいた。そういう人たちのなかには、定年前からそもそも会社の仕事に不満を感じていた人が少なくない。もっといえば、会社の仕事を〝苦役〟に感じながらも仕方なく、雇用延長で六十歳以降も働いている人がいるのである。

現役サラリーマンの読者のみなさんも、胸に手を当てて考えてみてほしい。会社の仕事にやりがいや生きがいを感じられるか? 自分に対する会社の評価に満足しているか?ひょっとして、会社へ行くことがストレスになってはいないか?

自分の行動に喜びや満足感が得られるのは、主体性をもって動いている部分があるからだ。会社から使われるだけの人は「やらされている」という意識だけが充満し、ストレスも大きくなる。そういうサラリーマンが定年後に雇用延長しても、不本意な状態が継続するだけではないか。

多くのサラリーマンが六十五歳まで会社に残るという選択をすることを否定はしない。収入のことが気になるのも当然だ。しかし、定年後も長く生きることを熟考せず、時代に流されるまま雇用延長を選択すると、〝黄金の十五年〟の三分の一を会社に捧げることになる。またそればかりか、残る三分の二までも主体性のない人生を送ることになりかねない。

大事なことは、流される前に一度立ち止まってみることだ。会社から使われるだけのサラリーマンは、先を見据えても新しい道筋は何も見えてはこないかもしれない。〝黄金の十五年〟をほんとうにキラキラ輝く日々にするためには、相応の準備が必要になる。サラリーマンのライフサイクルを念頭に置き、定年を迎える前──できれば四十代後半から五十代前半には主体的に動きはじめるべきだと私は思うのである。

定年後も雇用形態を変えて会社に残る人が多い中、会社を早期にリタイヤしたがる若者たち。世代間で仕事に関する考え方のギャップが生まれている。僕なんか仕事の必要性は収入源以外に見出せない人なので、会社にかわる収入源があるのなら働く必要はないと思う。やりがいとかそういうのは若い頃にとっくに経験、満足したので(笑)

会社を使い倒して元を取ろう!使われる側で終わるのは勿体無い。大半の人が陥る使われる人生から脱却して、自由とお金のバランスをとりつつ生き抜くサバイバル術。

※この書籍はKindle Unlimited読み放題書籍です。月額980円で和書12万冊以上、洋書120万冊以上のKindle電子書籍が読み放題になるサービスが初回30日間無料となっております。PCの方はサイドバーのリンクより、スマホの方は下の方へスクロールしていただければリンクが貼ってありますので興味のある方はどうぞ。なお一部の書籍はキャンペーンなどで無料になっていて現在は有料となっている場合もありますのでその場合はあしからず。

【サブスク】 Kindle Unlimited

Kindle Unlimitedの詳細はこちら

僕が利用している読書コミュニティサイト

【本が好き】https://www.honzuki.jp/

【シミルボン】https://shimirubon.jp/

-Book
-, , , ,

© 2024 51Blog Powered by AFFINGER5