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上司が「鬼」とならねば部下は動かず 上司の鬼31則ノート|染谷 和巳|増殖するほと声の上司にダメ出し

挨拶ひとつとっても厳しく怒り、叱り、指導する上司ほど部下は成長する。それがきちんとできていないのは部下に興味がないだけだと心得よ!!

仏の上司が増殖中

鬼の上司が減っていく一方、「仏の上司」が増えに増えている。だがほとんどの場合が自己中心的で、仏の面をかぶっただけの無責任な存在。会社組織から見ると、上司として、ひとつも戦力になっていない。

これは、日本流の民主的意識が行き過ぎた結果だと私は思う。こんな上司は、部下には無限の可能性があると信じ、部下が伸び伸びと働くことができるようにと、叱らずに褒めて成長させようとする。それぞれの人に可能性があるのだから、現時点で多少のできる、できないがあっても、差をつけない。「上司は無能でも、部下は有能」と思い込んでいるから、部下がワガママを言っても「うんうん」と聞いてやる。

一見、素晴らしい。だが私に言わせれば、そういう上司は怠慢の極みなのだ。まず、上が無能で部下が有能だと思っている時点で努力不足。上に立つものが無能という状態は、会社という組織であってはならないことだ。そういう上司は本来、〝上司となるべき人材〟ではない。人の上に立つ以上、部下よりも仕事ができ、有能で、問題発見と問題解決の能力が優れていてしかるべきなのだ。

無能な上司は部下を一個の人間として尊重し、その自尊心を傷つけまいと心を配る。だから、できない部下に接するときも、できる部下に接するときも平等にする。人間には無限の可能性があると思っているから、「この仕事はイヤだ」「給料が安い」などという不満を部下が漏らしても笑って聞いている。

こういう上司の下についた部下の多くは「私の上司は仏様のようだ」と、心から思うだろう。当然だ。まだ何の実績も出さないうちから、思いもよらぬ優遇を受けるのだから。

だが、その後が問題。

そのような優遇を受けた部下がこの先、同期の中でも抜きんでた凄い仕事をするだろうか? 答えは「ノー」だ。この部下ができることは、自己の権利を主張し、会社や上司の弱点を告発するくらいだろう。つまり、民主的意識を強く持つ仏の上司は、自分自身も成長せず、部下をも成長させない横着者にすぎない。そして、そんな人間ばかりが集まった部門や会社が今後、成長するわけもないのは自明だろう。

一方、鬼のような上司は、人の上に立つ以上、部下に追い抜かれぬように日々研鑽している。そして、部下に仕事のノウハウを教え込む。それで部下が伸びれば、それ以上に自分を伸ばそうとする。できない部下がいれば、できるようになるまで挑戦させる。部下が逃げれば、叱る。それでも逃げれば、処罰する。だが、部下が何かを成し遂げたときは、自分のことのように泣いて喜び、そして褒める。

部下に気を使いすぎて仏の上司になっている場合、怒り、叱り、指導することを躊躇することが多くはないか自分に自問してみよう。それは仏ではなく職務放棄だ。嫌われているぐらいがちょうどいいのだ。できない部下に指導できないのは問題。それでは部下はいつまで立っても自立しないし仕事に責任を持ちません。厳しく処罰する勇気を持ちましょう。

報告の重要性

能力のあるなしにかかわらず、社員の中には「報告など1円にもならない仕事だ」と思っている人は少なくない。定型の日報や報告書を書くのは面倒だし、へたに報告しようものなら追及されたり叱られたりしそうなので、できればしないですませたいと内心では思っている。

だが、上になればなるほど、部下の報告が少ないことに苛立つ。経営者ともなれば、社員の中で一番嫌いなのは「仕事ができない人」でも「やる気のない人」でもなく、「報告しない人」だとさえ考えるようになる。極論すれば「仕事の成果」より、「報告」のほうが大事になってくるのだ。それほど上司というものは一様に報告に飢えている。

仕事ができないことより、報告をしないことのほうがなぜ致命的なのか。キチっとした報告があれば、上司は手を貸し、教えることで、仕事がより円滑に進むように指示ができる。よくある失敗例や陥りそうな仕事上のワナを伝授され、それがいい経験となり、部下は次第に力をつけていく。

しかし、報告しない人は成果を挙げても長続きしない。たとえ能力があっても、いずれチームから去っていく。

報告がないと、上司は仕事にならない。下からの正確な報告があれば、上は具体的に思考し、具体的な計画を立て、具体的な指示が出せる。だが、下からの報告がなければ、上司はただ「頑張れ」と掛け声ばかりになってしまう。

では、部下にきちんと報告させるにはどうすればいいのか。まず、あまりに重箱の隅をつつくような追及は避けること。また、警察の事情聴取のような圧迫感を与えては、部下が報告に対して生理的な嫌悪感を持ってしまう。そのような尋ね方だと、部下は苦しまぎれに事実を隠したり、嘘の報告をするようになる。部下が萎縮して神経過敏になってしまうような報告のさせ方は、上司の責任だ。

だから、上司はいかなる報告であっても歓迎する度量を持たなければならない。部下がどんな失敗をしても、進んで報告するようなムードをつくらなければならない。

権限委譲はウェルカムだがそれに伴う報告義務はきちんとすることが大事。いかに部下が優秀でも報告がなければ進捗状況がわからない。自分の知らないところで仕事があらぬ方向に進んでいないかチェック機能が効かないのは問題だ。良い悪いは問題にせず報告をしやすい体制作りを心がけなければならない。

鬼上司になるための鉄則を披露。優しいだけで無能な仏の上司にならないための教科書です。抑えるとこは抑えてメリハリの効いた指導法を!!

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