季節は夏の終わりを告げる頃。郊外に立つ洋館に集められた将来を嘱望される青年たちと美女の娘たち。セレブな数日間のバカンスが始まるかに見えたが2発の銃声が耳を擘く。そして一人ずつ美女が死の淵へ追いやられる。誰の犯行?各々のアリバイ、動機はいかに?
3人の美女
木内文麿氏のひとり娘、木内 典子 は二十四歳、これに同い 歳 で同窓生の牧野寛子、立原絵里のふたりを加えた三人を、おれたちはスリー・バージンズと称していた。
物語の中核を担う三人の美女。
このロートレック荘で殺人事件の被害者となるのだが、スリー・バージンズとかいうネーミングが男目線で見るちょっとハラスメントチック呼び方というな印象を受けた。
学生時代のノリでこのような呼び名をつけたのだろうが、女性はいい気分がしないかもしれない。
この館のどこに誰が泊まっているかを事前に知らされるのだが、それを案内役が告げるのがなんとも奇妙。
誰がどの部屋にいるかがわかるというのは、この先、殺人事件を予感させるのには十分な役割を果たしている。
壁に隠された仕掛け
この館のある場所の壁に仕掛けが施されていて、壁にある15センチ立方の石を取り除くとそこに小さな腕が入る程度の空間が現れる。
腕を突っ込むとそこにはこの館のかつての主人が置いていったのだろうか?冷たい鉄の塊が。
そう、この物語の凶器となる拳銃の登場。
数少ないこの拳銃のありかを知った人物が誰なのかを推理しながら読み進める。
最初の時点でこの拳銃のありかを知っている記述のある主人公はなんとなく容疑者から外して読み進める。
拳銃には6発の弾が装填されていた。
この6発がこの後被害に遭う人数を連想させる。
一つ目の殺人
拳銃で二発一人目の犠牲者が出る。
スリー・バージンズの一人。
この時点で多分連続殺人が起こることは折込済みで読んでいく。
とりわけ序盤でこの呼び名の3人が犠牲者となりそうなので、容疑者から外して読み進める。
銃弾は2発、ロートレックの絵画を思わせるように体を貫く。
モーゼル・オートマチック32口径があの壁に隠されていることを知る人間の犯行。
弾は後4発。
その後も拳銃による殺人は予想通りの展開で繰り広げられていく。
犯人の予想はこの時点ではさっぱりだが被害者になりがちな登場人物は予測がつく。
どれも死体の様子はロートレックの絵画のようだった。
自分語り
後半2割は犯人による自分語りで事件の真相が語られていくスタイル。
比較的早い段階で犯人がわかるので意外だったが、スリー・バージンズとの関係性が深い人物だ。
エリートとセレブたちの休暇が思いもよらない殺人事件を呼び起こす。それは館の壁に仕掛け隠された拳銃によるもの。推理小説をよく読むわけではないが、これが王道なのかなといった印象。
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