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マインド・コントロール|岡田尊司|親切な顔をして、いつのまにか懐に入り込んでくる

カルト集団やブラック企業のみならず、あらゆる組織が、マインド・コントロールを使用している現代、そうした情報から自分を守るための知識を持たねば、いつの間にかいいようにされてしまいます。親切な顔をして近寄る黒い影に要注意!!

なぜ彼らはテロリストになったのか?

象牙の塔もブラック企業も  

ことは、子どもだけとは限らない。大学といった象牙の塔や企業をはじめとする縦社会の組織も、そこで認められたいと頑張れば頑張るほど、トンネルの様相を帯びてくる。

大学の医局なども、その最たるものだった。教授に認められ、その小さな世界で出世することが、比類のない成功のように錯覚してしまうのだ。ほかのすべてをおいて、その世界の掟を守り、教授の命に従い、教授と医局のために献身と犠牲を払うことが求められる。自分のことや家族の都合は無論のこと、患者の利益さえも、ときには後回しにされる。権威に従順で、ボスに認められたいという気持ちが強い人ほど、また、日本的な村社会のメンタリティを備えた人ほど、この医局という制度は呪縛力をもった。

悲しいかな、いまだに医局でどっぷり過ごした人たちが好む共通の話題は、医療の話でも、患者の話でもなく、人事の話だ。誰がどこのポストにいくらしいという話が一番盛り上がる。高名な先生が、そんな卑近な話に夢中になるので、驚かされることもある。それは、ちょうど、進学校に通う受験生が、模試の成績の判定に一喜一憂したり、だれがどこの大学に合格したかに目を光らせるのに似ている。いつのまにか、狭い価値観に縛られていることにさえ気づかないでいるのだ。それもまた、トンネルである。

社会問題にもなったブラック企業を生む要因として、有効求人倍率が一倍を下回り続けた長い就職氷河期や、それに悪乗りした企業倫理の問題が大きいことは言うまでもないが、もっとも犠牲となり、うつ病や過労死にまで至ったケースをみると、彼らが、従順すぎるほど、企業の中の価値観に従い、期待に応えようともがいていた状況が見えてくる。彼らもまた、トンネルに陥っていたのだ。カリスマ的な人物が率いる企業や組織でも、一つ間違うと、そうしたことが起きやすいのも、むべなるかなである。与えられた職責を果たし、上から認められるということに価値をおく人ほど、知らずしらずその組織を支配する空気に吞み込まれてしまうのだ。

あなたの身近にもきっとあるマインド・コントロールが効いた世界。会社組織は長いこと付き合う人が多い点からかマインド・コントロールが蔓延りやすい性質を持っています。長年会社に勤めていると自社のマインド・コントロールが効いていることに気付きづらい面もある。転職する際に他の企業の様子を見て始めて自分がマインド・コントロールされていたと気付くなんてことも。カルト集団などだと集団での拘束時間を長くして監視しあうことで組織から抜け出しにくくする傾向にある。他の世界を知らない彼らはその非日常を日常として組織から抜け出せなくしている。カルトやブラック企業じゃ無くともひっきりなしのLINEなどで友達や恋人に支配されている人もいる。こういう人は一度SNSと距離を置くことを!

マインド・コントロールはなぜ可能なのか?

霊感商法において不可解だったのは、多くの人が騙されて不当に高額の商品を買ったこと以上に、それを売った側の人たちもまた、それによってほとんど報酬を得ていなかったということである。

売り上げ金の一部は、手数料として本人に割り当てられたが、それらも結局献金したり、さまざまな名目で他の用途に用いられたので、実質的に彼らは無給で、過酷な仕事をしていたことになる。ノルマが達成できないと、深夜まで販売をしたり、断食を強いられることもあった。奴隷以下の待遇だと言えるだろう。ある意味、彼らは進んでその立場を受けいれたのである。

しかも、彼らの多くは、前途有望だった若者たちで、折角入った大学や一流企業の身分を投げ捨て、もっているすべての預金や車、バイクといったものまで寄付して自ら無一文となって、教団での活動に身を投じていた。彼らは共同で生活し、不十分な栄養と三、四時間の睡眠時間しか与えられず、教団のための活動にいそしんでいた。

これらの若者に共通することは、控えめで、性格善良で、真面目な若者が圧倒的に多かったということだ。そうした彼らが、なぜ年寄りや善良な市民を騙して高額なお金を出させることに、罪の意識も感じなかったのだろうか。

それは、もともと暴力を嫌う、優しい性格の若者が、なぜ自爆テロリストとなって、多くの人の命を奪うことさえ 躊躇わない人間に変容してしまうのかということと、共通する部分が大きいように思える。

後で見ていくように、そこにもまた、そうした人々を作り出す「トンネル」がかかわっているのである。自分の意志でその道を選択したと思いながらも、いつのまにかマインド・コントロールを受けているのである。一番騙された人は、自分が騙されたことにさえ気づかない。その意味で、一番騙された人は、教団の手先になって寝る間も惜しんで活動した人々かもしれない。

カルト集団などに傾倒する人の特徴として入った時に高額なセミナー料金を支払っていたりする場合がある。すでにお金を払ってしまっているので簡単にはやめられない。踏ん切りがつかない状態な訳です。足を一歩踏み入れてしまった人がいたら早めに損をしてでも抜け出すべき。そうしないとこれからの人生の大半をその集団に搾取されることになります。やめて高額なセミナー料金が無駄になるよりもっと多くのお金や時間を奪われることに。

マインド・コントロールの実態を知ることで自分や周りの人の貴重なお金や時間を無駄にしないですむ。人生の大半を支配された状況下に置かれるのではあまりにも勿体なさすぎる。自分の道を歩むためにそうした集団や会社とは距離を置こう。

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