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ニューコンセプト大全|電通Bチーム|仕事のアイデアが生まれる50の思考法

ビジネスで役立つ時代に即したアイデア創出方法を50個紹介。企画やマーケティング担当の方はもちろん営業やITエンジニアや「新しいこと」を始めたい人にも役立つ方法をレクチャー。

「インスタ映え」

最近は「インスタ 映え」という言葉も食傷気味。飾り付けられたパンケーキやかわいい子猫に罪はないが、そろそろそういうのは結構という方も多いのではないかと思う。

個人的には、見た目は普通でも、その奥にあるストーリーによって価値の高められた「ストーリー映え」するモノに惹かれている。今回、これを「ストーリージェニック」 と呼んでみることにした。

写真におけるエフェクトやライティングと同じく、 ある種のストーリーもモノの価値を底上げ=盛ってくれる。

時には質素なモノすらとてつもなく素晴らしく感じさせることもあり、それをこの国では「わびさび」と呼び、大事にしてきた。

わびさびの神様、千利休に「一輪の朝顔」という有名な話がある。秀吉を屋敷に迎えた際、利休は庭に咲いているすべての朝顔を切り落とし、茶室のたった一輪の朝顔を引き立てたという。

一輪しかない朝顔はインスタジェニックではないけれど、 めちゃくちゃストーリージェニック である。もし利休がインスタ映えを狙っていたら、見渡す限り朝顔で埋め尽くしたことだろう。利休の時代から450年──ストーリージェニックな3つの事例を、ご紹介しよう。

ストーリージェニックのコツは万人受けはしないこと

事例①「幻の湖から生まれたワイン」

もともとワインはそのストーリー(歴史、風土、作り方など)を含めて味わうが、さらにストーリージェニックにしてつくられたワインがある。

富士五湖のあたりに数年に一度出現する湖・赤池。この幻の湖からワイン酵母を採取、培養し、ワインをつくった。

飲んだだけでは美味しいということ以上はわからないと思うが、背景を知ったらすごくありがたく感じる。ちなみに発売と同時に完売。

事例②「漁師が履き込んだデニム」  

新品のデニムをさまざまなリアルワーカー(農家、漁師、大工など)に1年間履き込んでもらい、それを商品として販売。

それぞれの職業特有の表情になったデニムは色落ちや状態によって値付けされ、漁師が履いた定価2万2,000円の商品には4万8,000円の値が付いた。 「最新のテクノロジーで絶妙な色落ちを再現した製品」だったら、この値がついただろうか。

これらはストーリージェニック発想の新しいモノづくりといえるが、一方で、従来からあるモノをストーリージェニックに仕立て、価値を高めるという手法もあるのだ。

事例③「ストーリー型不動産サイト」  

東京をはじめ全国で展開する「東京R不動産」や湘南密着の「エンジョイワークス」など、立地や面積、築年数といった数字中心のスペックでなく、その物件の持つストーリーに着目した不動産会社が元気だ。 「古いが味がある」「超狭いが絶景」「不便だが気持ちいい空間」など、スペック的には弱い物件も、住む人の気持ちに立つと新たなストーリーと価値が見えてくる。読み物のようなウェブサイトは、眺めているだけでワクワクする。

以上の事例に共通するのは、扱っているのが万人誰もが「いいね!」と思えるようなストーリーではないことだ。

安定した品質、わかりやすい価値、安心感といった「正解」を求める人だったら、幻のワインにも、お古のデニムにも、珍物件にも魅力を感じないだろう。

デザインや機能と違い、目には見えず数値化もできないストーリーの価値は、すべての人が理解、共感できる類のものではない。

だからこそ、そこに価値を見出すことができた人は、強い喜びと深いつながりを感じるのだ。「自分は、これがわかる人間だ」。一輪の朝顔の意味を理解した秀吉も、きっとそんな気分だったにちがいない。

ストーリージェニック、ブランドなどがこれをうまく利用して顧客の支持を集めるケースは多い。ブランドを買うときはその辺の背景を気にしてみるとその値段の高さをうんちくで埋められます(笑)。付加価値やブランドストーリー、サステイナブルであるかなどその辺がきちんとしているものを買う人が増えています。

ファストファッションが根付いている世の中だが、無駄に消費しないように気をつけないとロスが増えてしまうので注意が必要。ブランドを買う理由は値段に生産者の地位向上分を乗せたりしていることも考慮して。

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