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ある日突然AIがあなたの会社に|細川 義洋|AIと共に暮らす明日を占います

AIの普及により私たちの仕事がある日突然AIに置き換わる。そんな事態がすぐそこまで迫っています。私たちはそうしたことが現実に起こったら、残された仕事はどんなものか?この新時代にどう向き合うべきか?AIと共に暮らす明日を占います。

保険の審査を行うAI

生命保険で、特にケガや病気に対して支払われる保険金の算出は、ベテラン社員の知識や経験が必要とされる分野ですが、日本郵政グループの生命保険会社である「かんぽ生命」では、すでに保険金の支払い審査にAIの活用が始まっています。入院や手術の際に支払われる保険金の額は、そのケガや病気の状態によって大きく異なります。仕事を続けられるか、寝たきりか、失明や四肢を失うほどのケガや病気か、手厚い介護が必要か等々、保険金の支払金額を弾き出す数式に入れるパラメータは実に多種であり、また曖昧です。査定者は、その程度を単に診断書からだけで判断することができず、過去の症例等と比べながら妥当な支払金額を決めるのですが、これには相当の経験が必要です。実際かんぽ生命でも、難しい症例を判断できるのは経験年数5年以上の職員に限られているそうで、その人数はどうしても限られ、年間約 10 万という件数を処理するのは大変な重労働になっているようです。現在、AIに保険金の請求書の情報を読み込ませ、自然言語処理により病名などを抽出した後、過去の学習結果から調査が必要そうな案件については、「要調査」と表示を出させます。そしてAIは、過去の類似した事例を相関度の高い順番に並べてランキング表示し、査定者は、そのランキングからAIが推定した査定結果と「判断理由」を把握して最終判断を行うという処理をしています。もちろん、保険金の支払いをすべてAIが行ったのでは、請求者の納得を得られない可能性もありますので、あくまで最終結論は人間が出すというシステムに留めていますが、技術的には、今後AIが学習を積むことで、人間以上の精度で審査結果を出すことも可能でしょう。かんぽ生命では、今後、少子化等の影響で審査員が慢性的に不足する事態を予測して、いちはやくAIを導入することにしたようです。

保険の審査がAIになれば公平性といった点では十分にその評価は信用できる。人間がやるよりむしろ良いのではとすら思ってしまう。いち早くAIを導入することにした保険会社だが、このような人間の決定プロセスにAIが加わることで一気に時短につながるようなものはこれからどんどんAIに変わっていくだろう。専門性の高い分野でも上司がAIなんて時代が来るかも。

AI時代に向けた教育の重要性

長期的に見ると、やはり教育の話になります。つまり、単純作業の仕事はAIに置きかわっていくので、個々の人間が持っている〝独創性〟を伸ばしていく教育が必要になってくるわけです。社会人の再教育でもいいのですが、やはり幼少期からの教育を変えなければなりませんし、それでも拾えない人たちは、ある程度社会的に補助を与える必要があります。もちろん、そんなにすぐにすべての仕事がなくなるわけではありませんから、何らかの生きる道は残るでしょう。しかし、そうやって橋渡しをしていかないと(それでもギリギリの世界だとは思いますが)、大失業時代が到来する可能性は否定できないのです。実際、2018年のいまは人手不足の状況なので気づきませんが、すでにコールセンターではチャットボットの導入が進んでいたりします。新しい時代の到来によって、失われてしまうものがあるのは、ある意味仕方のないことではありますが、その受け皿や新しい道を上手く橋渡しして、次の時代につなげていく必要があるのです。  労働の流動性という意味では、日本の企業はいまだに大学の名前を見て、序列的に人を採用することが多いのですが、そういった企業にも、本来は様々な人材が必要になるはずです。工場で流れ作業をしていた人の力が必要なシーンがあるかもしれません。そういうところに上手くシフトできるような仕組みを考えていかないといけないのです。AIによって仕事が奪われる人がいる一方で、AIによって生産性が上がって助かる人もいます。そのあたりのマッチングをどうするか、国全体で考えていかなければいけない問題になっていると思います。いずれにせよ、今後AIは、ビジネスや人間の心、法律や制度、社会のあり方、教育など、どちらかというと文系人間が主導して適応させ発展せていかなければならなし、またそうなっていくでしょう。AIを作るのは技術者でも、それによってどんな社会を作っていくか考えるのは文系人間だといってもよいと思います。

AIの運用などについては理系の技術者などが重宝がられる一方で、文系はこれからどんな社会を築いていくかの議論をするためにいるといっても良い。教育なんかもこれからの課題だろう。たくさんのデータを集積し、そこから最適な答えを導き出すことが得意なAIだが、理念などはAIがうまく表現できない部分かと思います。そこのところを補完する人間はこれからもAIに置き換わることはないでしょう。

ある日突然会社にAIが導入されてなんて場面はこれからたびたび起こるだろう。人手不足が深刻なサービス業などではもう導入が進みつつあります。もうすぐそこまできているAI社会、どのように生きるかを想像させてくれる書籍。

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