自分の子供は、AI時代を生き抜ける大人に育つのだろうか――。ビジネスは、間違いなくこれまでの常識が通用しなくなるだろう。いったい、我が子にどんな教育をすればよいのだろうか?そんな悩みを抱えている親を対象に、マイクロソフト日本法人元社長で、日本屈指のイノベーターである著者が自らの子育て経験を踏まえながら、AI時代に我が子を「食える大人」に育てるための“成毛流"子育て術を解説する。
「ガリ勉して東大」はハイリスクすぎる
好きなことで才能を発揮してほしいーー。口ではそう言いつつ、子育てでそれを実践している親は少ない。というのも、人間が才能を発揮する分野は数多くあるのに、今の教育制度は受験の才能に重きを置いているからだ。企業側の多くも、いまだに受験の才能を選別の基準にするという、アンフェアな制度ができあがっている。確率的に考えれば、受験勉強をさせて置いたほうが良さそうだ。そう考えるからこそ、親たちは今日も今日とて「勉強しなさい」とか「宿題をちゃんとやったか」などと子どもたちをけしかけている。そんな中、あなたは「やっぱりガリガリ勉強させるのはヤバそうだ」と気付いている。これは結構なアドバンテージだ。
受験に全ての力を注ぎ込むのは危険すぎるという考え。子どもが本当に才能を発揮できる分野を見つけたほうがいいに決まっている。ではどうやって子どもの才能を発掘すれば良いか。「鳶が鷹を生む」という言葉があるように、平凡な親から優秀な子が生まれることは多々ある。顔や体格性格など遺伝要素が強そうなものもあるが子どもが才能を開花させられるかは生活環境にも寄るところが大きいと思う。もちろん勤勉な親で書斎に本が山のようにある家に生まれた子どもは抵抗なく読書に興じることだろう。
親がスポーツをやっていたらそのスポーツの魅力に早くから気づく機会があるように。音楽やスポーツに関する才能はほとんど遺伝だと言っているが、その割合は8割程度という研究もあるそうだ。では親が今まで生きてきてこれが自分の才能だと誇れるものを中心に子どもに教えていけば大成する可能性が高いのではないか。もちろんそれだけで一流になれるかどうかは別問題だが。スポーツに関していえば親がスポーツ偏差値70なら子どもは偏差値65〜75で生まれてくる可能性が高そうだ。それならプロスポーツ選手になるための道を行っても問題はなさそうだが、親が運動音痴なのに自分の子どもをスポーツ選手にさせようとするのは相当の苦労を伴うことだと理解が必要だろう。
10年続けば、それなりのものになる
とにかく、子ども自身が好きで続けたいものがあれば、本物だ。やってみてハマったとしても、3年後には急にやめてしまうかもしれない。5年後に「二度とやるもんか」と言い出すかもしれない。こればかりは神のみぞ知る、である。ただ10年以上続いていたら、それなりのレベルに達しているのではないか。たとえば10歳でサッカーを始めて、20歳になっても高いモチベーションでサッカーを続けている人は、少なくともチームのレギュラークラスになっている。ピアノだったらお金をとって演奏できるレベルになっているだろうし、絵画だったら個展を開催してもおかしくない。受験勉強も10年モチベーションを維持できたら、東大に合格しているはずだ。
水彩画を例にとってみると、普通の人は同じようなスタイルで100枚も絵を描いたら飽きてしまうのだという。これに対してプロになるような人は1000枚くらい描いても飽きずにいられるのだそう。プロの画家が思いっきり画風を変えることがあるが、これは1000枚描いて飽きてしまったからなのだという。飽きてしまったとストレートにいうのはちょっと抵抗があるので、新境地を開拓したいなどと申し開きするわけだ。
「幸せ」になれるのは、高学歴よりマイルドヤンキー
中途半端に高学歴でストレスの多い仕事に甘んじたり、「使えない人材」になったりするくらいなら、いっそマイルドヤンキーのほうがよっぽど幸せではないか。つくづくそう思うことがある。冷静に考えれば、地元で友人たちと毎週つるんで缶チューハイを飲み、バーベキューをしているマイルドヤンキーの生活が楽しそうに見える。
上昇志向はあまりなく、収入も多いとは言えない。でもなぜか彼らは楽しそう。彼らのSNSをみると「日曜日にカヌーを漕いできた」「ジンギスカンを食べてきた」と行った記事を投稿。これをみてなんだか羨ましいななどと思ってしまうのは僕だけではないはずだ。都会のワンコインランチよりもはるかに安上がりな値段で食材を持ち寄りバーベキューやなんかを楽しむ姿は僕たちからすると贅沢にさえ見えてしまう。
「理系脳に子どもを育てる」「子どもにゼルダの伝説を買い与える」子どもが「仕事好きタイプ」か「家事好きタイプ」か見極めるなど子育てに関する戦略が多数。STEM教育というのが叫ばれる今、子どもの才能を伸ばすのに親が知っておきたい内容の本になっております。
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