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「つい、買ってしまった。」の裏にあるマーケティングの技術とは

メッセージのはたらきは不思議だ。どういうときに効果が出て、どういうときに効果が出ないのか。そして、その効果は心理学的にどのように説明できるのだろうか。「つい、買ってしまった。」の裏にあるマーケティングの技術を徹底解剖。

効果が出る広告とは?

メッセージが効果を発揮するためには、受け手の無意識の働きかけるアプローチが必要なのだ。心理学の法則を活用して、まず気づかせ、記憶させる。そして、態度を変えさせるのではなく、行動の変化のほうをうながすべきなのだ。だとすれば、どんなモデルに沿って広告メッセージを作ればいいだろうか。広告効果を理解するにあたり、よく使われるフレームワークは、「パス・トゥ・パーチェス(購入までの道のり)」あるいは「カスタマージャーニー(顧客がたどる旅路)」と呼ばれている。

パス・トゥ・パーチェスとは「認知」から「購入」まで消費者の反応が強くなり、広告の影響が強くなるというもの。

認知ステージ「知る」の部分(認知知識)→感情ステージ「感じる」の部分(好感選好)→行動ステージ「する」の部分(確信購入

まずは、気づかせる(プリミティブにする、感情を鷲掴みにする、私のこと?と思わせる、サプライズを用いたりする)→考えさせる(ミステリーの要素を加える、ハードルをとことん下げる、物語の中を歩かせる)→行動させる(記憶にこびりつかせる、思考回路をショートカットさせる、プライミング効果を駆使する)といった具合に10のHOOKで構成される三つのステップを提案している。

ハードルを下げ、思考をショートカットさせる例として、スーパーマーケットのジャムに関する有名な実験を紹介しよう。24種のジャムを陳列したコーナーと、6種のジャムを陳列したコーナーを作って客の反応を観察。すると、6種の陳列棚を見た買い物客は30%がいずれかのジャムを購入したのに対し、24種の陳列棚を見た買い物客は購入という行動まで至ったのはわずか3%だった。たいていの人は24種もあると決めるのに迷い、結局決められない(決断を避ける)という結果に。広告メッセージはできるだけ、受け手に選択の負担をかけない方が良い。なるべく簡単に気付き、理解できるメッセージが好ましいのがわかる実験だ。

食べ物を使うならカロリーは高めに

人類の祖先が生きていた時代には、食べ物は貴重で、安定的に手に入れることができなかった。そのため、この注意バイアスには重要な意味があった。手に入りにくい時期に備えて、脂肪分やカロリーをため込んでおくために、食べ物をできるだけ多く見つけて腹に入れておかなくてはならなかったからだ。このため、高カロリーの食べ物の方が、低カロリーの食べ物よりも注意・関心を引きやすい

食べ物の写真で注意を引こうとさうるならば、果物やキノコよりも、肉やケーキ、サラダよりもピザやハンバーガーなどを使った方が良さげだ。〝飯テロ〟という言葉があるように夜中にSNSで高カロリーの写真を見て食欲が抑えきれなくなり、ついついコンビニに食べ物を買いに走ったという経験がある人も多いのではないだろうか。そう考えると、スタバが季節ごとに期間限定と銘打って、ハイカロリーなフラペチーノ®︎を投入し続けるのも理にかなっているといえよう。

感情は行動をうながすモチベーター

感情は注意・関心を引くだけではなく、行動するモチベーションを与える力も強い。例えば恐怖という感情は、意思決定をうながす効果が高いことがわかっている。死、孤独、拒絶、失敗など、とにかく何かに対する不安を巧みに利用した広告メッセージは、受け手に行動させる力をもっているのだ。

歯医者には痛くならないといかなかった僕が、定期的に歯医者に通い、検診とクリーニングを行うようになったのもこの恐怖の効果からだ。ある時、歯に詰めていた銀歯が取れてしまい仕方なく歯医者にいったのだが、そこでついでに歯茎の状態など他の部分も診てもらった。すると歯周病がこのまますすむと、手術で切開しなくてはいけなくなりますよと脅されたww それ以来手術が嫌で、歯間ブラシなども使った歯の手入れや、定期検診を受けるようになった。これはある意味、恐怖をうまく使った歯医者の営業行為に、見事にハマった結果だろう。

「その気持ち、わかる」ーー共感させて、自分のこととして体験させる

私たちは基本的に、誰かが何かをしているのを見たとき、ある程度の範囲で、それを自分のこととして体験している。

共感を生み出す認知処理は物語でも作用する。自分自身が物語にはいいていることを想像させる。物語は感情に響くので伝達効果が高いのだ。メッセージについても受け手に物語を感じさせることで共感を得る手法は有効だ。

私たちの日常で、「つい買ってしまった」という経験の裏には、様々な〝HOOK〟があり、それを意図的に作り上げることにより、心に響くメッセージを送ることも可能になる。マーケターではない僕のような人でもブログやSNSで〝釣る〟仕組みがわかる書籍でした。自分でやるかどうかは別物として‥‥

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