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あの頃よりも今の方がきっと理解できる。教養課程の哲学の講義を再現

好きな哲学者はいますか?座右の銘はありますか?哲学者のどんな名言を知っていますか?もし一つも浮かばなかったのであれば、ぜひこの本を読んでください!本書は哲学を学び直したい人のための新書です。

古代ギリシアでは「music」は学芸一般をさす言葉だった

古代ギリシア語のムーシケーはmusicの語源となる言葉ですが、単に音楽を指すのではなく、学芸一般を意味する言葉であったようです。例えば、プラトンの『国家』の中では、肉体の鍛錬のために体育があり、魂の鍛錬のためにムーシケーがある、と言われています。魂を鍛えるムーシケーは、今日で言えば、学問も芸術もひっくるめて広く「教養」とでもいうべきものを意味する言葉なのです。それは、単なる知識や技術の寄せ集めではなく、あくまでもそれらによって魂を鍛え浄めるものです。単に音楽や詩といった文芸を指すことも多かったようです。

最近のアーティスト(ぼくのりりっくのぼうよみ等)なんかでも哲学用語が歌詞に散りばめられているアーティストも多い。哲学を音楽の中に落とし込む手法は昔からあったので、古代ギリシア語のムーシケーはmusicの語源というの頷けます。ピタゴラスの定理で有名なピタゴラス教団におけるムーシケーは音楽における数的秩序を認識することであった。それは宇宙にも及ぶ。AIが発達した昨今では、脳波を読み取ってその時の脳波に最適な楽曲を自動で生成し聴かせる技術なんていうのまで出てきてて、音楽はついに脳科学にまで至っている。ところでピタゴラスは数学者であったと思っていたが、実際には宗教団体のトップだったことには驚かされた。その活動の中で、無理数を発見したピタゴラスは宇宙の秩序を乱すものとしてひた隠しにしたと言われています。

言葉が持つ哲学的真理

物事は、言葉によって名指しされなければ立ち現われてきません。言葉がなければ、外からやってくる刺激は、漠然とした感覚印象を形作るだけなのです。言葉がそれに明確な形を与えます。「山」「川」「海」。こうやって言葉によって名指しされることで、物事は立ち現われて、私たちの前に姿を表すのです。こうして物事が立ち現われたときに、その「立ち現われ」の果てに、まるで木の枝の先に花が咲くように現れるのが、「言葉」なのです。「言葉」という語には、以上のような心理が沈殿しているのです。

哲学の心理の多くは言葉の中に、語源や意味、使用法といった形で内包されています。哲学における真理の追求は自分の内なる眠った真理との対話という形をとることになる。

鶏が先か卵が先か

アリストテレスの答えはこういうことです。「鶏の卵」が存在するためには、「鶏」という種が先に存在していなければならない。「鶏」という種の存在なくして「鶏の卵」はありえない。それゆえ、鶏のほうが先である。

永遠に答えが出ないようなこのような問題にも哲学は答えてくれるところが面白い。最初に生命が誕生してから今に至るまでの歴史を見れば、細胞が集まり腸などの臓器が形成されやげて動物が生まれた経緯を考えると、最初に長い時間をかけて生まれたのは鶏で、種の保存のために産むようになったのが卵という理解もできそうだ。

人は承認されることによってのみ存在しえる

私たちはふつう、こう考えています。まず、「私」や「あなた」が存在する。そして、この「私」や「あなた」が関係しあうのが人間関係である、と。「私」の肉体や「あなた」の肉体だけを見ている限り、このような考えが正しいように見えます。ですが、「私」というのは、「私」以外の人間と無関係に最初から存在しているのではなく、「私」以外の人間ーー父親や母親、妻、子供、恋人、同僚、友人、上司ーーから認められる(承認される)ことによってのみ存在しえる。ヘーゲルはそういっているのです。

以前、哲学に興味を持ったので読んでみようと手に取ったヘーゲルの『精神現象学』あまりにも難解だったため、一度読むのをやめて挫折し精神現象学入門なるものを読んでから再チャレンジしたがそれでも僕には理解不能でした。しかし、人は認められる(承認される)ことによってのみ存在しえるというのはわかる気がする。無人島にいたとしても動植物がそばにいたり海やなんかがあったりすることで自分の存在があることがわかる。何もない、何とも関係性が構築されない無の世界にひとりいるとしたら自分の存在を感じることはできないだろう。他者からの承認は人間にとって重要で、あるとき親しかった友人が自分のことを無視し始めたり、恋人が前触れもなく音信不通になったとしよう。そうした事象が起きると不安になるのではないだろうか。自分を認めてもらうことはそれだけ心の安定をもたらすものなのだ。

哲学書は難解で読みづらくとっつきにくいところがある。大学の授業でもその面白さに気づかないまま履修を終えた人も少なくないのではなかろうか。そんな人たちにおくる、2時間程度で哲学を振り返ることができる書籍です。

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